米通商代表部(USTR)は中国商務部に対し書簡を送付し、中国が国内で新規に販売されるすべてのPCに特別なフィルタリングソフトウェアをインストールするよう義務付けた件で、この措置を撤回するよう求めた。
書簡は米国時間6月24日、Ron Kirk通商代表とGary Locke商務長官の連名で中国商務部に送付されたもので、7月1日以降に中国国内で新規に販売されるすべてのPCに搭載が義務付けられた「Green Dam Youth Escort」ソフトウェアは、世界貿易機関(WTO)の規則に違反するとの懸念を表明している。
中国政府は、このGreen Damソフトウェアの目的は子供のオンラインポルノへのアクセスを防止することだとしているが、米国政府や一部のテクノロジ企業は、この新たな義務付けはさらなる検閲の試みであり、貿易障壁にもあたると考えている。
Locke商務長官は声明で「中国は実質的な公示もなく、広範な検閲を意図し、ネットワークセキュリティに関する問題も持つとみられるソフトウェアのプレインストールを義務付けることで、企業を容認しがたい状況に追い込んでいる」と述べている。
同じ声明でKirk通商代表は「子供を不適切なコンテンツから守るというのは正当な目標だが、この方法は不適切であり、さらに広い対象範囲を持つ可能性が高い。技術的に問題があるGreen Damソフトウェアを義務付け、メーカーや消費者がフィルタリングソフトウェアを選択する自由を否定することは、先の目標を達成するには不必要で不当な方法であり、また深刻な貿易障壁にもなる」と述べている。
米国に拠点を置くPC業界団体からは、すでにGreen Dam政策に反対する声が上がっている。この1年、中国で事業を拡大してきたDellは、同政策に従うかどうかは未定だとしている。
世界最大のPCメーカーHewlett-Packard(HP)も、成り行きを見守るという方針だ。
世界第4位のPCメーカーで中国に本社を置くLenovoも、まだ方針を検討している段階だとしながらも、この政策に従う用意がある可能性をにおわせている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ