PayPalが、新世代のオンライン商取引の可能性に対応できるように、自らを再構築しようとしている。PayPalはeBayのオンライン決済メカニズムで、十分に定着してはいるものの、老朽化も進んでいる。
PayPalとそのパートナーは米国時間7月23日、報道陣と開発者向けのイベントで、同社が近々公開を予定している「Adaptive Payments Service」の一部である数種類の新しいプログラミングインターフェースについて説明し、開発者がそれを使ってできることを提示した。
例えば、Microsoftはそのインターフェースを使って、間もなく登場予定の同社の「Azure」クラウドコンピューティングサービス内で決済機能を実現することができる。また、LiveOpsのオンデマンドアウトソーシングサービスは、変動する支払額や支払い受取人の変更などを自動的に処理するのに新インターフェースを使用する予定だ。そして、新インターフェースはPayPalをブラウザだけでなく、携帯電話やセットトップボックス、そのほかのスマートさを増しているさまざまな機器でも利用できるようにする。
新サービスは23日より、300のPayPalパートナーに公開される。11月には、最初の開発者カンファレンスであるPayPal X Innovate 2009にちょうど間に合うように、パブリックベータがリリースされる予定だ。
PayPalは、PayPalによる決済オプションをより簡単にアプリケーションに組み込む手段として、Adaptive Paymentsプラットフォームを開発者に売り込んでいる。企業が複数の当事者間における取引を管理できるようにするPayPalの既存のプログラムがあるが、Adaptive Paymentsはそれをより効率的にしたバージョンだ。
Adaptive Payments Serviceは、今後3年以内に売上高を倍増させるというPayPalの計画において、重要な位置を占めている。PayPalの社長を務めるScott Thompson氏は3月、年間支払処理額は2011年には1000〜1200億ドルに達するはずだと述べ、売上高の倍増を約束した。さらに、Amazonが1年ほど前に独自のオンライン決済サービスを立ち上げたことは、PayPalに圧力を加えている。Amazonの決済サービスは、ユーザーがAmazon.comで保管されている請求情報を使って、オンラインで買い物をできるようにする。
PayPalは、ただ単にeBayの将来にとって重要であるというだけではない。PayPalによると、PayPalはeBayのオークションや商取引などの事業をしのぐ存在になるという。
「PayPalは、将来的にeBayよりも大きな規模になる事業だ」とeBayのCEOであるJohn Donahoe氏は7月13日、Fortune Brainstormカンファレンスで述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ