IDC Japanは5月26日、2009年下半期(6〜12月)の出荷実績と市場動向にもとづいた国内仮想化サーバ(仮想化環境を構築するために出荷されたサーバ)市場の最新予測を発表した。
これによれば、2009年の国内仮想化サーバ市場の出荷台数は6万7813台で、前年と比較して9.2%の増加となり、プラス成長を維持した。景気後退の影響を強く受けた国内サーバ市場全体の出荷台数が前年比14.4%減であったことを考慮すると盛況であったとしている。また同社では、2014年の国内仮想化サーバ市場の出荷台数を14万1878台と予測。2010年から2014年までの予測期間を通じて高成長するとみており、特に2010年から2013年の4年間は2桁の成長を維持する見込みだとしている。その結果、2009年〜2014年の年間平均成長率はプラス15.9%になると分析している。
2014年の国内サーバ仮想化比率(国内サーバ市場全体の出荷台数に占める仮想化サーバ台数の比率)については、2009年の13.1%から11.6ポイント伸長して24.7%になると見ている。一方で、2014年の国内仮想化サーバ市場の出荷金額は、1190億8400万円と予測しており、2009年〜2014年の年間平均成長率はマイナス4.3%となるとみている。この背景には、1台当たりの価格が高いメインフレームやRISCサーバおよびIA64サーバを中心とした市場構造から、x86サーバ中心の市場構造への転換が、国内仮想化サーバ市場で進行することがあると分析している。国内仮想化サーバ市場における出荷金額の2009年〜2014年の年間平均成長率を、製品分野別に見た場合、x86サーバはプラス11.7%になる見込みだという。
IDC Japan、サーバー リサーチマネージャーの福冨里志氏は「仮想化サーバ導入の裾野が、大企業から中堅企業へ、首都圏所在の企業から地方所在の企業へと広がっている。景気後退にともない、ハードウェアコストや保守コストなどの削減、レガシーシステムを延命することで新規システムの開発や移行を回避したいとするニーズが、仮想化サーバの導入を促進した」とコメントしている。