国産スマートグラス「Telepathy Jumper」を使う遠隔作業支援サービス

羽野三千世 (編集部) 2015年08月06日 19時56分

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 オプティムとテレパシージャパンは8月5日、アイウェア型ウェアラブルデバイス(スマートグラス)を活用する遠隔作業支援サービス「Remote Action」の販売を開始した。


Telepathy Jumperを装着するオプティム 代表取締役社長 菅谷俊二氏(左)とテレパシージャパン 代表取締役 鈴木健一氏 (右)

 テレパシージャパンが開発したAndroid搭載ウェアラブルデバイス「Telepathy Jumper」に、オプティムのスマートデバイス向けカメラ映像共有アプリ「Optimal Second Sight」を組み込んだもの。スマートグラスを装着した作業者の視界の中(ディスプレイ上)に、遠隔にいるオペレーターから移動方向や作業箇所の指示を書き込むことができる。音声通話、ディスプレイ上に資料を表示することも可能。


作業者の視界上に作業箇所を指示する指さし記号を表示

手書きで指示を書き込むことも可能

Remote Activeのオペレーター側の画面

 オプティムのモバイル端末管理(MDM)サービス「Optimal Biz」に対応したウェアラブル端末管理(WDM)機能を実装しており、社内のほかのモバイル端末と一括して、スマートグラスやアプリケーションを管理できる。

 月額制のサービスとして提供し、作業者1人(スマートグラス1台)と作業指示者1人(オペレーター用PC1台分のソフトウェアライセンス)で使う場合の税別料金は月額で6万円、初期費用が20万円。

 オプティム 代表取締役社長の菅谷俊二氏は、「現場にいる作業者を専門知識のあるオペレーターが遠隔からサポートすることで、人材不足、専門性の高い人材の育成といった国内の全産業に共通する課題を解決する」と説明。建築現場、自動車整備、工場やプラントの保守メンテナンス、サーバルームの配線、医療・介護、教育など、あらゆる産業でウェアラブルデバイスを用いた新しい働き方を提案していくとした。

配線の色や顔色まで共有

 テレパシージャパンは、AR(拡張現実)アプリを開発していた頓智ドットの井口尊仁氏が「Google Glass」に対抗する国産ウェアラブルデバイスを創出することを目的として2013年7月に起業した企業だ。当初はGoogle Glassを強く意識し、コンシューマー向け製品の開発を目指していたが、2014年7月に井口氏が退任し、鈴木健一氏が代表取締役に就任して以降は、法人市場を優先する方針に転換した。

 2014年12月に、アイウェア型ウェアラブルデバイスのTelepathy Jumperを発表。構想から2年経った今年6月4日、満を持して開発者向けの出荷を開始した。

 Telepathy Jumperは、ディスプレイユニットと操作ユニットをフレキシブルなアームでつないだ形状をしている。普段はアーム部分を首にかけておき、必要なときだけアームを曲げてディスプレイユニットを目の前にかざす。ハンズフリーで使用したい場合は、アタッチメントを使って頭に固定する。眼鏡型ではないため、もともと眼鏡をかけている人でも使用できる。

 高輝度・高解像度(輝度5000cd/m2以上、解像度960×540ドット)の独自開発ディスプレイにより、太陽光や強い照明の下でも、細かい文字まではっきり表示する。ディスプレイユニットに500万画素のカメラを搭載。「機器メンテナンス作業で必要な配線の色、医療現場で重要な患者の顔色や血の色まで共有できる」(鈴木氏)。OSはAndroid 4.4。

SI不要ですぐに使える

 テレパシージャパンとオプティムは2014年12月に業務提携を発表し、今回の遠隔作業支援サービスの共同開発を開始した。

 ウェラブルデバイスを使って遠隔作業支援を行うシステムは前例がある。Remote Actionの特徴は、導入が簡単である点だ。「ハードウェアと、遠隔作業支援用途にチューニングしたソフトをセットにして提供するため、システム開発などの手間無く、アプリを起動したらすぐに使い始めることができる。クラウドサービスなのでサーバも不要」(菅谷氏)

 今後は、作業者とオペレーターの会話を分析して自動的に作業を指示する音声認識機能や、画像認識技術で作業を記録する機能などを開発、実装していく計画だ。

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