調査

世界経済の見通しは警戒感強まる--KPMGのグローバルCEO調査

NO BUDGET 2019年06月08日 06時00分

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 KPMGインターナショナルは、「KPMGグローバルCEO調査2019」の結果を発表した。世界経済の見通しとして、今後3年間は成長すると回答しているCEO(最高経営責任者)の割合は、グローバル全体では62%と、2018年の67%から低下していることが分かった。日本のCEOにおいては、前年の85%から62%と大幅に減少しており、世界経済の見通しへの警戒感が強まっている。一方、自社の成長に対して自信があると回答したCEOは、グローバル全体では94%、日本においても87%のCEOが自社の成長に自信を示している。

 また、企業の成長に最も脅威をもたらすリスクについては、世界のCEOは環境・気候変動リスクを1位に挙げており、日本においても同様に最も高い結果となっている。次いで、最先端技術/破壊的技術リスク、保護主義への回帰、サイバーセキュリティーリスク、オペレーショナルリスクと続いている。

企業の成長に最も脅威をもたらすリスク(上位5位)
企業の成長に最も脅威をもたらすリスク(上位5位)

 同調査は、主要11カ国(オーストラリア、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、オランダ、スペイン、英国、米国)および11業界(投資運用、自動車、銀行、小売/消費材、エネルギー、インフラ、保険、ヘルスケア、製造、テクノロジー、通信)において業務収入が100億ドル以上の企業のCEOの1300人による回答に基づいている。調査期間は2019年1~2月。

 さらに、グローバルではCEOの67%が「以前より在任期間が短くなっており、機動性を持った行動がより一層求められている」と答えている。日本のCEOについても70%と同水準の値となったが、「長期的に持続可能な成功を遂げるためには、単なる財務的成長の先を見据えなければならない」と考えている割合は、グローバル全体で半数以上(55%)に対し、日本におけるその割合は半数以下(44%)にとどまった。

 業界の破壊者になるための取り組みについては、「競合会社に破壊される前に自らが業界の破壊者になるように積極的に取り組んでいる」と回答したCEOは、グローバル全体で前年の54%に対して今回は63%と9ポイント増加している。日本のCEOにおいても、昨年から11ポイント増加し、59%となったが、他国と比較すると、業界の破壊者になるための取り組み割合は11か国中7番目となった。

「競合会社に破壊される前に自らが業界の破壊者になるように積極的に取り組んでいる」に同意した割合
「競合会社に破壊される前に自らが業界の破壊者になるように積極的に取り組んでいる」に同意した割合

 AI(人工知能)の導入については、実際に自社のプロセスの一部をAIで自動化済みと回答したCEOは、グローバル全体でわずか16%。31%はいまだパイロット段階であり、53%はAIの導入は限定的であると回答している。日本でも、自社のプロセスの一部をAIで自動化済みと回答した企業は12%とまだまだ少ない結果となった。これに対し、デジタル先進国の米国では31%となっている。

 デジタル人材への投資については、4割以上の既存人員に対して、新たなデジタルスキルの習得を予定しているCEOの割合は80%に上る。日本のCEOにおいても同水準の82%がそのように回答している。

 CEOの検討課題として、グローバル全体で2018年度は第2位だったサイバーセキュリティーが、今回も第4位と高い結果となった。日本においても、前年度2位で今年度5位と、引き続き懸念されるリスクとして上位に挙げられている。CEOが強固なサイバーセキュリティー戦略の策定が優先課題であると回答したCEOは、グローバル全体で69%となっており、前年の55%に比べて14ポイント増加した。日本においても同様で、2018年の65%から10ポイント増加し、今回は75%のCEOがサイバーセキュリティー戦略の策定が優先課題であると回答している。

 また、今後3年間で優先する成長戦略については、世界のCEOは「第三者との戦略的提携」(34%)、イノベーション、R&D、投資、人材採用など、既存事業の拡大による成長を意味する「有機的成長(オーガニックグロース)」(25%)と回答している。日本のCEOは、「有機的成長」(29%)を1位に挙げており、次いで「第三者との戦略的提携」(28%)とグローバル全体とは順位が逆になっている。「第三者との戦略的提携」の回答割合は2018年の約4割から減少し、代わってM&A(2019年は18%、2018年は10%)とアウトソーシング(2019年は11%、2018年は4%)が伸びた。また、日本のCEOの今後3年のM&Aに対する意欲は、2018年と比較して、組織全体に重要な影響を及ぼすM&A(19%)よりも、適度な程度のM&A(64%)にシフトしている。

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