FIDO Alliance、デバイス間の安全なパスキー交換仕様案を公開

Adrian Kingsley-Hughes (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 竹内杭 吉武稔夫 (ガリレオ)

2024-10-17 09:16

 パスキーが登場して約2年が経ち、パスワードのない世界の実現に向けて、同技術は大きな進展を遂げてきた。しかしこれまで、デバイス間でパスキーをインポートしたりエクスポートしたりする機能が欠けていた。

 だが、状況は変わろうとしている。パスキー技術を主導するFIDO Allianceは、「Credential Exchange Protocol」(CXP)および「Credential Exchange Format」(CXF)のドラフト仕様を公表した。このフォーマットは、パスキーの安全な転送だけでなく、他の認証形式にも対応する。

 同仕様によりパスキーが使いやすくなり、パスワードのセキュリティ向上にも寄与する可能性がある。パスワードをサービス間でインポートおよびエクスポートする際、今は暗号化されていないプレーンテキストのCSV形式を用いており、大きなリスクになっている。

 これまでずっと、パスキーをパスワードよりも使いやすくかつ安全なものにすることが目標とされてきた。人々に移行してもらうには、これが最善の方法だからだ。

 成果は現れている。

 FIDO Allianceによると、約120億のオンラインアカウントがパスキーで保護されており、パスワードに代えてパスキーを使うことでフィッシングが減少し、認証情報の使い回しがなくなったという。加えて、パスワードや2要素認証(SMS経由のワンタイムパスワードなど)と比べ、サインインに要する時間が最大75%削減され、成功率は20%向上したという。

 Googleは2024年9月、パスキーに関する大きな変更を実施し、同一のGoogleアカウントでログインしている全デバイス間で、パスキーを自動的に保存および同期できるようになった。

 Apple、Google、Microsoft、サムスンといった大手企業から、1Password、Dashlane、NordPassなどのパスワード管理ツールを提供する企業に至るまでパスキーを推進しているため、2年間でこれほどの急速な進展が見られたのは当然と言える。

提供:Peach_iStock/Getty Images
提供:Peach_iStock/Getty Images

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ対策で注目の「OSINT」、自組織の防御に役立つ基礎知識と活用方法を解説

  2. セキュリティ

    攻撃者は侵入ではなく“ログイン”する、エンドポイントとアイデンティティセキュリティを連携すべき理由

  3. モバイル

    目前の「Windows 10」サポート終了、「Windows 11」への移行負担を解消する最適解とは

  4. セキュリティ

    こんなにあった!従来型SIEMが抱える課題──次世代SIEMに必須の“8つの要件”とは?

  5. ビジネスアプリケーション

    データリーダーが知っておくべき、AI活用の投資対効果を高める「実効性のある戦略策定」の進め方

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]