UNIX
オペレーティングシステム(OS)の1種。1960年代後半にAT&T社ベル研究所で開発された。当初よりマルチユーザー・マルチタスク機能を特徴としている。C言語で記述されており、開発が容易で多様なプラットフォームへの移植性も高い。また、ネットワーク機能や安定性、セキュリティ強度などが評価されている。CUI(Character User Interface)がベースであり、コマンドで操作する。現在はミッションクリティカルなシステムで利用されている。
UNIXの商標管理団体The Open Groupによる標準規格「Single UNIX Specification(SUS)」を満たすOSが正式にUNIXの名称を使用できる。企業や非営利組織、学術機関などで利用、拡張されてきた過程で、多数の系統に分かれ進化し、さまざまな派生OS(「UNIX系」などと呼ばれる)が存在している。UNIXは、こうした派生OSも含めた総称を指すこともある。
UNIXには、ベル研究所が開発したものの系譜を受け継ぐ「SYSTEM V系」、カリフォルニア大学バークレー校で開発されたものを受け継ぐ「BSD系」の2つの系統がある。SYSTEM V系は、企業が製品として開発、販売する「商用UNIX」に多く採用されており、「AIX」(IBM)や「Solaris」(Oracle:旧Sun Microsystems、現在は無償)、「HP-UX」(HP)などがある。BSD系には「FreeBSD」「NetBSD」「OpenBSD」といった派生OSがある。また、UNIXをベースとするOSの仕様、規格であるPOSIXに準拠する「Linux」や「Mac OS X」は、UNIX系OSの1種である。