サーバ仮想化のメリットを最大化したければ「バックアップ」環境の再検討を - (page 2)

2014-11-17 13:00

[PR]サーバ仮想化は、企業が情報システムを構築するための要素技術として一般的なものになった。サーバ集約やプライベートクラウドといった形で、システム基盤の再構成を進めている企業も多いことだろう。そうした環境から得られるメリットを最大化したいと考えているなら、改めて「バックアップ」の環境についても再検討してみるべきだ。その理由を、EMCジャパン、DPA事業本部システムズエンジニアリング部シニアシステムズエンジニアの吉田慎次氏に聞いた。

仮想化製品標準のバックアップ機能が抱える「課題」

 そうした状況の中で、バックアップの技術やプロセスが旧来のままであるなら、そこに多くの「ムダ」が生まれている可能性が高い。サーバ仮想化によるメリットを最大限に享受したいのであれば、バックアップ環境も、仮想化環境に最適化されたものへと進化させていくことを視野に入れるべきなのだ。

 アンケートの結果を見ると、約20%の回答者が「仮想化製品標準のバックアップ機能」を利用していると答えている。では、こうした機能を利用していれば、仮想化環境でのバックアップは「万全」と言えるのだろうか。

 例えば、サーバ仮想化製品としてトップクラスのシェアを持つ「VMware vSphere」には、「vSphere Data Protection(VDP)」および「vSphere Data Protection Advanced(VDPA)」と呼ばれるバックアップ機能が標準で用意されている。

 VDPでは最大2テラバイト、VDPAでは最大8テラバイトまでのバックアップ容量をサポートする。これらはvSphere上においてエージェントレスでバックアップが行えるLinuxベースの仮想アプライアンスとなっており、バックアップの際に必要となるネットワーク帯域や時間を大幅に削減する「データ重複排除機能」、24までの対象に対するバックアップを並列処理できる「並列バックアップ機能」などを備える。仮想化製品「標準」の機能として、仮想マシン単位での柔軟なバックアップ/リストアなど、仮想化環境上で効率的にデータ保護を行えるよう考慮されたものだ。

 しかしながら、VDP/VDPA単体でのバックアップには、「いくつかの課題がある」と吉田氏は指摘する。

 「VDP/VDPA単体では、バックアップ先がプライマリストレージのデータストアに限られてしまいます。さらに、バックアップ対象のデータが大規模で分散している場合には、複数の仮想アプライアンスが必要になりますが、この環境ではVDP/VDPA間でのグローバルな重複排除ができません。ネットワーク帯域やバックアップストレージ容量を削減する点で不利になってしまいます」(吉田氏)

 さらに、VDP/VDPAはあくまでも「仮想環境向け」のバックアップソリューションであり、仮想環境と物理環境が混在している場合には物理環境向けのバックアップ環境を別途用意しておく必要がある。また一部のアプリケーションに対応できないケースがあるといった問題もあるという。

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