経済産業省が発表した報告書「DXレポート」によって、ITの老朽化が社会問題化する「2025年の崖が」指摘されている。クラウド化のさらなる進展が期待される一方で、人材不足やクラウドへの移行ノウハウの欠如など、課題も露呈している状況だ。
ZDNet Japan Summitでは対応を検討する企業を対象に、オンラインセミナー「クラウド導入で迷わない!Cloud Adoption Framework」を提供する。企業がクラウド導入を成功させるために必要となるビジネスやテクノロジー戦略の作成や実装を支援するため、実証済みのガイダンスとしてマイクロソフトが提供する「Cloud Adoption Framework」について、Microsoft MVPを2014年から5年連続で受賞し、現在はMicrosoft Regional Directorとして活動するオルターブースの代表取締役、小島淳氏が解説する。
■ITの老朽化と人材不足という構造問題
小島氏は冒頭で、クラウドが求められる背景について時間を取って説明する。DXレポートでは、同じ基幹システムを21年以上運用しているという企業の割合が、2018年の2割から2025年には6割にも達すると予測されている。
解決策としてクラウド化が求められる状況であるが、実施に当たってはクラウド化するためのアセスメントがない、アジャイルやDevOpsを実施できない、セキュリティの変化に対応できないなど、さまざまな阻害要因が指摘されている。
それでも、2019年の国内パブリッククラウドの市場規模は前年比で22.9%増の8778億円となり、さらに2024年の市場規模は2兆644億円と成長が見込まれている。クラウド化が不可逆的な潮流であることが見えてくる。
■ビジネスポートフォリオの形成を支援するCloud Adoption Framework
クラウド化を成功に導くための方法論として、マイクロソフトは「Microsoft Cloud Adoption Framework for Azure」を提供している。小島氏は「クラウドに適した企業文化をつくり、クラウドとともに成長するビジネスポートフォリオをつくっていくこと」が重要であると話し、頭で考え、手を動かす仕組みであるとしてCloud Adoption Frameworkを説明している。
Cloud Adoption Frameworkに取り組む前に、前提として知っておかなくてはならないことは、クラウド技術者と意思決定者双方が共通の情報を扱うことだという。小島氏はCloud Adoption Framework実施の上での7つの共通知識をセミナーの中で紹介する。「チームのすべてのメンバーがAzureの機能を基本的に理解していること」をはじめ、基礎のように見えても見失うと大きな失敗につながる、実経験に裏打ちされた指摘である。
セミナーには、Cloud Adoption Frameworkで利用されるツールやテンプレート、戦略の定義から計画、準備、導入、ガバナンス、管理へと続くライフサイクルの策定など、さまざまな内容が盛り込まれている。クラウド化を検討する企業は、ぜひ視聴を検討したいセミナーとなっている。