ここで沼本氏から平井氏にバトンタッチし、DRサイトの構築と稼働監視のデモが行われた。DRサイトの構築は、SQL Serverのコンソールからわずか数分で完了。プライマリサイトがダウンした状態でもクラウド上のDRサイトから読み取りが行われる様子が示された。
このDRサイト構築では、マンパワーグループの事例も紹介された。同社からのコメントによると、マイクロソフトのソリューションを採用したことで想定していた10分の1のコストでDRサイトが実現できたそうだ。
Excel×Power BIで、すべてのビジネスパーソンにビッグデータの力を
最後のキーワード、「ビッグデータの民主化」では、ExcelとPower BIを組み合わせて、SQL Serverのフロントエンドとして活用する方法が紹介された。大多数の企業で使われ、社員が慣れ親しんでいるExcelのインターフェイスからビッグデータを操れることは、マイクロソフトならではのアドバンテージだ。
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デモでまず紹介されたのは、タクシーの稼働状況を可視化するというもの。タクシーのGPS情報をPower BIの「Power Map」を使って地図上にマッピングし、空車・実車といった状況を表示するというものだ。また、POSデータから売上分析をする例も紹介され、イートインとテイクアウトの比率や売れ筋商品を時間帯別に分析したり、多数の商品群の中からセットで注文される可能性が高い商品を見つけ出すといった操作が演じられた。
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このほかPower BIのデモでは、作成したクエリをSharePoint Serverのポータル画面に貼り付けて、手軽に再実行できることや、音声入力による自由検索でクエリを作成する様子などが披露された。
このSQL ServerとPower BIを活用した事例としては、日本テレビと通販事業を展開するわかさ生活の2つが紹介された。日本テレビでは、SQL Server(Azure上で稼働)とPower BIをコアに、番組に対する視聴者の反応をネットから収集するシステムを構築、番組の改善につなげているという。また、わかさ生活では電話注文を受け付けるコールセンターでPower BIを導入。かかってきた電話番号から過去の注文履歴などの顧客情報を瞬時に表示できるようにしている。受注処理が改善されるだけでなく、顧客とオペレーター間のコミュニケーションを円滑にすることで顧客満足度の向上にも貢献しているそうだ。
以上、本稿では「SQL Server 2014発売記念フォーラム」の基調講演の内容を紹介した。通常、新製品の発表イベントでは機能紹介が中心となるものだが、今回のイベントでは、先行導入プログラムを活用した事例がふんだんに織り込まれ、すぐに実戦投入できるほど完成度が高いこと、また、デモにより容易な操作で高度で有用な機能が利用できることが示されていた。
なお、SQL Server 2014を組み込んだデータベースアプライアンスが10社のパートナー企業からリリースされるほか、スタートアップや中小企業向けに、ビットアイルからバーチャルアプライアンスが提供される。これらのアプライアンスを利用すれば、SQL Server 2014の迅速な導入が可能だ。