2014年中堅・中小企業における「会計管理システム」の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2014年の国内中堅・中小市場における「会計管理システム」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2014-09-29 14:00

<「個人事業主向け/企業向け」や「年商規模」による違いを認識した戦略立案が必要> ■小規模企業層では「弥生会計」、中小および中堅企業層では「勘定奉行」のシェアが優勢 ■クラウド会計サービスは「個人事業主向け」と「企業向け」の市場を混同しないことが大切 ■中小企業層では「機能面」の課題、中堅企業層では「費用面」の課題が多く挙げられている
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2014年9月29日

2014年中堅・中小企業における「会計管理システム」の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2014年の国内中堅・中小市場における「会計管理システム」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2014年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「会計管理システム」カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストである。


<「個人事業主向け/企業向け」や「年商規模」による違いを認識した戦略立案が必要>
■小規模企業層では「弥生会計」、中小および中堅企業層では「勘定奉行」のシェアが優勢
■クラウド会計サービスは「個人事業主向け」と「企業向け」の市場を混同しないことが大切
■中小企業層では「機能面」の課題、中堅企業層では「費用面」の課題が多く挙げられている


対象企業: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2014年7月~8月
有効回答件数: 1300社(有効回答件数) ※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 (リンク »)


■小規模企業層では「弥生会計」、中小および中堅企業層では「勘定奉行」のシェアが優勢
本リリースの元となる調査レポートでは年商500億円未満のユーザ企業1300社を対象としている。以下のグラフは導入済みの製品/サービス(複数回答可)を尋ねた結果のうち、「年商5億円未満」(小規模企業層)、「年商10億円以上~20億円未満」(中小企業層) 、「年商50億円以上~100億円未満」( 中堅企業層)の各年商帯において上位に挙げられた製品/サービスをプロットしたものだ。会計管理システムは年商規模などによって店頭販売、会計士による推奨、IT系販社/SIer、開発元によるSIを含む直販などの多様な販売経路が存在し、それに応じて製品/サービスのシェアも変化する。
全体シェアでは小規模企業層では「弥生会計」、中小および中堅企業層では「勘定奉行i/i8/21シリーズ」が比較的多いが、小規模企業層での「会計王」や中堅企業層での「 OBIC7会計情報システム」のように、各年商帯で存在感を示す製品/サービスも少なからず存在する。また、年商帯が100億円以上になるとERPとしての導入も増えてくるため、市場実態を把握する際には本リリースの元になる調査レポートの「ERP」と「会計管理システム」の両カテゴリのデータに目を通すことが重要となってくる。


■クラウド会計サービスは「個人事業主向け」と「企業向け」の市場を混同しないことが大切
会計管理システムは業務アプリケーションの中でも導入率が高い分野である。そのため、「今後さらにシステム導入/刷新を訴求すべき企業セグメントはどこか?」の判断はなかなか難しい。そこで、有望なセグメントを判断する上で重要になってくるのが導入年との兼ね合いである。以下のグラフは製品/サービスの導入年を尋ねた結果を年商別に集計したものだ。
2012年以降の導入割合については、年商10億円以上~20億円未満および年商100億円以上~300億円未満において比較的高くなっている。あくまで1つの指標ではあるが、「最近になって動きが見られる年商帯はどこか?」といった観点では中小企業向けの会計管理システムを開発/販売している場合には年商10億円以上~20億円未満、中堅企業向けの会計管理システムを開発/販売している場合には年商100億円以上~300億円未満が比較的有望な企業セグメントとなってくると考えられる。
また、上記の2つの企業セグメント以外に注目を集めているのが個人商店やフリーランスといった個人事業主を主な対象として機能を必要最小限に絞り、青色申告などに必要な簡易な会計処理をカバーすることに重点を置いたクラウドサービスである。
しかし、以下のグラフが示すように従業員数が10人未満の小規模企業における「ASP/SaaS利用」の割合はまだ数パーセントに留まっている。個人向けの会計サービスと企業としての会計管理システムでは求められる仕様や機能も異なる。「個人商店/フリーランス向け」の市場と「小規模企業」向けの市場を混同しないようにすることが重要だ。
さらに、従業員数20人以上(年商では5億円以上に相当)の中小企業層ではまた状況が異なり、ASP/SaaS形態の会計管理システムや社内設置の会計管理システムを補完するクラウドサービス活用などに対するニーズも生じてくる。こうしたクラウド関連のトピックについては本リリースの元となる調査レポートと併せて、以下のクラウド関連調査レポートで詳細なデータ集計と分析を行っている。
【2014年版中堅・中小ユーザ企業におけるクラウド活用の実態と展望レポート】
レポート案内と試読版: (リンク »)
サンプル/ダイジェスト: (リンク »)


■中小企業層では「機能面」の課題、中堅企業層では「費用面」の課題が多く挙げられている
本リリースの元となる調査レポートでは13種類の業務アプリケーションのそれぞれについて、「ユーザ企業が満足している機能は何であり、今後求めている機能は何であるか?」や「ユーザ企業が抱えている課題は何であり、その解決策としてどのような機能が求められるか?」を詳しく尋ねている。その際の設問内容は当然ながら13種類の業務アプリケーションですべて異なる。
以下のグラフは会計管理システムを導入済みのユーザ企業に対し、「製品/サービスに関して評価/満足している機能や特徴」を尋ねた結果のうち、比較的シェアの高い「弥生会計」および「勘定奉行」と「その他の製品/サービス」について集計したものだ。
評価項目は20以上に及ぶが、ここではそのうちの4つのみをプロットしている。
「導入時の初期費用が安価である」においてはシェア上位の製品/サービスの評価が高いが、「導入後の保守/サポート費用が安価である」や「バージョンアップ時の費用負担が安価である」についてはその他の製品/サービスと比べた時の差異が少ない。 一方で、「経費を迅速に把握し、予実管理の精度を向上できる」についてはシェア上位の製品/サービスによる評価はその他の製品/サービスと比べて高くなっている。このことから、シェア獲得に際しては「導入時の敷居を下げつつも、経費の把握と節減などといった導入効果を実感できる機能を充実させる」ことが重要であると考えられる。
本リリースの元となる調査レポートでは、今後求められる機能や特徴として
「決算の早期化/短期化により経営判断を迅速化できる」
「管理会計における売掛/買掛の管理を精緻化することができる」
「一部の仕訳作業を自動化できる」
「収益の予測やシミュレーションによる予実管理ができる」
「連結会計やグループ決算に対応できる」
「予算の超過が発生したことを自動的に通知してくれる」
など、20以上に渡る選択肢を網羅し、どの年商規模でどのような機能や特徴が求められるのか?を詳しく集計/分析している。


■調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービス一覧
本調査においては、会計管理を「財務会計や管理会計を担うアプリケーション」と定義している。この定義に基づいて、アンケート回答者は会計管理を含む13種類のアプリケーションカテゴリから導入済みのものを選び、さらに選ばれたカテゴリの中から導入済みの製品/サービス名を選択する。
会計管理の製品/サービスはERPを構成するラインアップの1つとして提供されているものと、単体の会計管理システムとして提供されているものがある。個々の製品/サービスがこのどちらに該当するか?の認識は開発元/販売元とユーザ企業の間で必ずしも一致しない。そのため、仮に製品/サービスは同じであっても、それを「ERPの一部」と見なしているのか、「個別の基幹系システム」と見なしているのかによって本調査における回答状況は変わってくる。本調査においてはこうした違いそのものが「中堅・中小企業における基幹系システム活用の実態」を反映する重要な傾向と捉え、回答企業の認識をそのまま結果に反映している。そのため、開発元が「自社の製品は会計管理である」と考えていても、ユーザ企業の認識が「ERP」であれば、ERPカテゴリでのシェアは高く、会計管理でのシェアが低いといった結果になる可能性もある。「自社の製品/サービスは単体の会計管理というだけでなく、ERPとしての性格も持ち合わせている」という場合はERPに関する調査結果も併せて参照することでより広い情報を得ることができる。
また、以下の選択肢は過去の調査結果に基づいて、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。また、企業向けだけでなく個人事業主向けの製品/サービスを意図的に選択肢に加える場合もある。個人事業主向けが主な市場であるにも関わらず、小規模企業での導入が進んでしまうケースなどがないかどうかを確認するなどの意味合いがある。

COMPANY会計 ワークスアプリケーションズ
ProActive E2会計 SCSK
ビズインテグラル会計 NTTデータビズインテグラル
SCAW財務管理システム NTTデータビジネスシステムズ
SuperStream NX/CORE スーパーストリーム
OBIC7会計情報システム オービック
GLOVIA SUMMIT/smart 会計/smartきらら会計 富士通
EXPLANNER/Ai NEC
スーパーカクテルデュオ会計 内田洋行
SMILEシリーズ OSK(大塚商会)
勘定奉行i/i8/21シリーズ OBC
MJSLINK 財務大将/Galileopt 財務大将/ACELINK NX-CE会計 ミロク情報サービス
弥生会計 弥生
PCA会計 ピー・シー・エー
大蔵大臣NX/NX Super/NX ERP 応研
会計王 ソリマチ
ZeeM会計 クレオマーケティング
GUI-PACK/経理(iSeries Siteを含む) 日本IBM
NC経くん,GrowOne Cube会計 ニッセイコム
記帳くん、経費くん、ミロクのかんたんシリーズ ミロク情報サービス
TKC FX2/FX4, e21まいスター TKC
JDLIBEX財務 JDL
INPACT OPEN21、OPEN21de2 ICSパートナーズ
財務応援Ai セイコーエプソン
MONEY ワークスプロダクツ
レーザー グレープシティ
達人シリーズ NTTデータ
Concur コンカー
freee freee
A-SaaS アカウンティング・サース・ジャパン
奉行J Personal OBC
ネットde会計 パイプドビッツ
ERPを構成する機能モジュールの一つとして利用
その他のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(完全なスクラッチ開発)

本リリースの元となっている「2014年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
(リンク »)
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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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