2018年 中堅・中小向け「文書管理・オンラインストレージサービス」の市場動向

ノークリサーチは中堅・中小企業における「文書管理・オンラインストレージサービス」の市場動向に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2018-10-26 12:00

<「オンプレミスか、クラウドか?」とは異なる新たな視点からの課題/ニーズ対応が重要> ■過去数年間の「オンプレミスが減少し、クラウドが増加する」という傾向とは異なる状態へ ■「保守/サポート」や「価格」など、自社の現状を踏まえた差別化要因を見出すことが大切 ■「アクセス権限」や「データ保護」への細かな対応力が機能面における今後の有望ニーズ
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2018年10月26日

2018年 中堅・中小向け「文書管理・オンラインストレージサービス」の市場動向

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業における「文書管理・オンラインストレージサービス」の市場動向に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。 本リリースは「2018年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「文書管理・オンラインストレージサービス」カテゴリにおけるサンプル/ダイジェストである。


<「オンプレミスか、クラウドか?」とは異なる新たな視点からの課題/ニーズ対応が重要>
■過去数年間の「オンプレミスが減少し、クラウドが増加する」という傾向とは異なる状態へ
■「保守/サポート」や「価格」など、自社の現状を踏まえた差別化要因を見出すことが大切
■「アクセス権限」や「データ保護」への細かな対応力が機能面における今後の有望ニーズ

対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照
(リンク »)


<「オンプレミスか、クラウドか?」とは異なる新たな視点からの課題/ニーズ対応が重要>
■過去数年間の「オンプレミスが減少し、クラウドが増加する」という傾向とは異なる状態へ
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体における主要な「文書管理・オンラインストレージサービス」の導入社数シェアを2017年と2018年で比較したものだ。(調査対象となった全ての製品/サービスの一覧は本リリース末尾を参照)
直近の数年における中堅・中小企業の導入社数シェアでは、オンプレミスを主体とした「文書管理」が減少し、ASP/SaaS形態の「オンラインストレージサービス」が増加する傾向が見られた。だが、2017~2018年の経年変化を見ると、 「Docuworks」のように導入社数シェアを維持した「文書管理」もあれば、 「Dropbox Business」のように導入社数シェアが減少した「オンラインストレージサービス」も存在する。そのため、中堅・中小企業における「文書管理・オンラインストレージサービス」の最新動向は単に「オンプレミスが減って、クラウドが増える」という状態とは異なる状態へと変化しつつあると考えられる。本リリースの元となる調査レポートではその点に関する詳細な集計/分析を行っている。次頁以降ではその一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。


■「保守/サポート」や「価格」など、自社の現状を踏まえた差別化要因を見出すことが大切
前頁で見たように、2017年から2018年にかけての導入社数シェアの経年変化を見ると、「シェア増減」と「オンプレミス/クラウドの違い」は必ずしも合致しない。また、「グループウェアの文書管理機能を利用」が減少する一方、「独自開発システム(完全なスクラッチ開発)」が増加している。ここでは割愛しているが、本リリースの元となる調査レポートでは「どの製品/サービスの導入社数シェアがどの年商帯で多いか?」についても集計/分析を行い、最新の動向を読み解いている。(例えば、独自開発が多い年商規模はどこなのか?など)
さらに、導入社数シェアの変動要因を知る手がかりとなるのが、「導入背景」である。調査レポートでは「文書管理・オンラインストレージサービス」の導入背景を以下のような選択肢で尋ね、「機能」「価格」「保守/サポート」「提案力/開発力」などの観点から、ユーザ企業が肯定的または否定的に評価している点は何か?に関する分析を行っている。

<<肯定的/積極的な導入経緯>>
機能がニーズに合致している
価格がニーズに合致している
開発元(ベンダ)の保守/サポートが優れている
販売元(販社/SIer)の保守/サポートが優れている
開発元(ベンダ)の提案力/開発力が優れている
販売元(販社/SIer)の提案力/開発力が優れている
<<否定的/消極的な導入経緯>>
機能がニーズに合致していないが、継続利用している
価格がニーズに合致していないが、継続利用している
開発元(ベンダ)の保守/サポートに不満があるが、継続利用している
販売元(販社/SIer)の保守/サポートに不満があるが、継続利用している
開発元(ベンダ)の提案力/開発力に不満があるが、継続利用している
販売元(販社/SIer)の提案力/開発力に不満があるが、継続利用している

以下のグラフは上記に列挙した「導入背景」から、「機能がニーズに合致している」、「価格がニーズに合致している」、「開発元(ベンダ)の保守/サポートが優れている」、「販売元(販社/SIer)の保守/サポートが優れている」の4項目を抜粋し、2017年から2018年にかけて導入社数シェアを維持もしくは拡大した「Docuworks」および「Office365/SharePoint Online」の結果を集計したものだ。
「DocuWorks」は「機能がニーズに合致している」の割合が全体平均より高い一方、「価格がニーズに合致している」の割合は全体平均より低い。ただし、「販売元(販社/SIer)の保守/サポートが優れている」の割合が全体平均よりも高く、以前から利用するユーザ企業にとって安心感が得られやすい状態といえる。逆に、「Office365/SharePoint Online」は「機能がニーズに合致している」の割合が全体平均と比べて低いが、「価格がニーズに合致している」の割合が高い。
このように導入社数シェアを維持/拡大する製品/サービスの間でも、販売元の保守/サポートの評価が強みとなっているケースもあれば、価格が競争力となっているケースもある。「文書管理・オンラインストレージサービス」を開発/販売するベンダや販社/SIerとしては、「競合他社と比べて差別化要因となっているのは機能や価格なのか?それともパートナを含む保守/サポートの評価なのか?」などの自己分析を行い、自社が目指すべき位置付けを明確にすることが重要となってくる。


■「アクセス権限」や「データ保護」への細かな対応力が機能面における今後の有望ニーズ さらに、本リリースの元となる調査レポートでは導入済みの最も主要な「文書管理・オンラインストレージサービス」に関して「今後持つべき機能や特徴」を様々な観点から尋ね、「文書管理・オンラインストレージサービス」を開発/販売するベンダや販社/SIerが今後どのような機能を充実させていくべきか?に関する分析と提言を行っている。

「今後持つべき機能や特徴」を尋ねた設問における選択肢
<<データの共有や連携に関する項目>>
既存の情報系システム(グループウェアなど)と連携できる※1
既存の基幹系システム(ERP/会計/販売など)と連携できる※2
取引先や顧客に一時的なアクセスURLを提示できる
フォルダ/ファイル単位で共有設定が行える※3
業種別/業態別のラインアップが豊富である
属性検索や全文検索など、多彩な検索方法が提供されている
<<セキュリティに関する項目>>
個人向けファイル共有サービスの利用を禁止できる
ファイルの持ち出しや印刷を禁止することができる※4
ActiveDirectoryやLDAPと認証/権限を連携できる
従業員によるファイルの読み書きを監視できる
ファイル操作の権限を従業員毎に設定できる
多数のアカウントを一括で管理できる
ワークフロー連携等で、ファイル登録の正当性を担保できる
<<クラウドに関連する項目>>
パッケージとクラウドを選択/併用できる
様々なクラウドサービスと連携できる
<<クライアント環境に関連する項目>>
スマートデバイスに適した画面が用意されている
Webブラウザで大半の機能が利用できる
<<ベンダや販社/SIerに関する項目>>
開発元の企業がなくなってしまう心配がない
質問に対する販社/SIerからの回答が早い
<<その他>>
導入や保守サポートの費用が安価である
バージョンアップの費用が安価である

バージョンアップが適切に継続している 以下のグラフは上記に列挙された今後の機能ニーズの中から、※1、※2、※3、※4に関する中堅・中小企業全体の経年変化を集計したものだ。 「既存の情報系システム(グループウェアなど)と連携できる」や「既存の基幹系システム(ERP/会計/販売など)と連携できる」といったシステム連携に関するニーズの回答割合には大きな変化は見られない。一方、「フォルダ/ファイル単位で共有設定が行える」や「ファイルの持ち出しや印刷を禁止することができる」のようにアクセス権限やデータ保護に関する細かな対応に関するニーズの回答割合は2017年から2018年にかけて高くなっている。したがって、今後は「システム連携」に加えて、「アクセス権限」や「データ保護」へのきめ細かな対応力が差別化要因となってくる可能性がある。
ここでは一部のニーズ項目に関する結果を抜粋したが、調査レポートでは上記に列挙された全ての項目に関する経年変化や年商別の集計結果を詳しく分析している。


補記:「製品/サービスの選択肢一覧」と「課題に関する設問項目」

以下に列挙したものは、本リリースの元となる調査レポートで選択肢に記載した「文書管理・オンラインストレージサービス」の一覧である。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況に基づいて選定され、前年の調査で自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がない場合は割愛するといった形で年毎に調整を行っている。

製品/サービス名 開発元
<<文書管理>>
intra-mart Accel Documents NTTデータイントラマート
楽々Document 住友電工情報システム
eValue NS/ Visual Finder OSK(大塚商会)
ドキュメント管理システム サピエンス
SharePoint Server 日本マイクロソフト
Cyber Finder サイバーソリューションズ
Ridocシリーズ リコー
DocuWorks 富士ゼロックス
imageWARE Document Manager キヤノン
DocumentBroker 日立製作所
活文 Contents Lifecycle Manager 日立ソリューションズ
楽2ライブラリ PFU
活文 File Server Optimizer 日立ソリューションズ
GDMS ジャストシステム
<<オンラインストレージサービス>>
Dropbox Business Dropbox
Google Drive for Work グーグル
Office365/SharePoint Online 日本マイクロソフト
OneDrive for Business 日本マイクロソフト
Box Box
フレッツ・あずけ~るPROプラン NTT東日本
Bizストレージ ファイルシェア NTTコミュニケーションズ
KDDIファイルストレージ KDDI
PrimeDrive ソフトバンクテレコム
たよれーる どこでもキャビネット 大塚商会
クラウドファイルサーバー 富士通
AZCLOUD ファイルサーバ 富士通マーケティング
BIGLOBEクラウドストレージ ビッグローブ
Citrix ShareFile シトリックスシステムズ
InternetDisk ASP ジャストシステム
GigaCC ワムネット
<<その他>>
専用のアプライアンス機器を利用
グループウェアの文書管理機能を利用
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(完全なスクラッチ開発)

冒頭のグラフでは上記の中から一部の「文書管理・オンラインストレージサービス」の中堅・中小企業全体における導入社数シェアを掲載している。調査レポートには上記に列挙した全ての製品/サービスのシェアを年商別や業種別に集計したデータが含まれる。
さらに、本リリースの元となる調査レポートでは、導入済みの最も主要な「文書管理・オンラインストレージサービス」に関して「現時点で抱えている課題」を様々な観点で尋ね、「文書管理・オンラインストレージサービス」を開発/販売するベンダや販社/SIerがどのような改善策を講じていくべきか?に関する分析と提言も行っている。

「現状で抱えている課題」を尋ねた設問における選択肢
<<データの共有や連携に関する項目>>
既存の情報系システム(グループウェアなど)と連携できない
既存の基幹系システム(ERP/会計/販売など)と連携できない
取引先や顧客とのデータ共有が手軽にできない
フォルダ/ファイル単位の共有設定ができない
業種別/業態別のラインアップが十分でない
<<セキュリティに関する項目>>
個人向けファイル共有サービスの利用を禁止できない
ファイルの持ち出しや印刷を禁止することができない
ActiveDirectoryやLDAPと認証/権限を連携できない
従業員によるファイルの読み書きを監視できない
ファイル操作の権限を従業員毎に設定できない
多数のアカウントを一括で管理できない
<<クラウドに関連する項目>>
パッケージとクラウドを選択/併用できない
クラウドサービスと連携することができない
<<クライアント環境に関連する項目>>
スマートデバイスに適した画面が備わっていない
Webブラウザでは限られた機能しか利用できない
<<ベンダや販社/SIerに関する項目>>
開発元の企業がなくなってしまう心配がある
質問に対する販社/SIerからの回答が遅い
<<その他>>
導入や保守サポートの費用が高価である
バージョンアップの費用が高価である

本リリースの元となる調査レポート
『2018年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
10分野の業務アプリケーション(ERP、会計管理、生産管理、販売・仕入・在庫管理、給与・人事・勤怠・就業管理、ワークフロー、グループウェア、CRM、BI・帳票、文書管理・オンラインストレージサービス)のシェアと評価を網羅
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリの概要】
各分野について、以下の章構成からなる分析サマリ(各30ページ前後)で重要ポイントと今後に向けた提言を詳説
第1章:製品/サービスのシェア動向
「導入率」「製品/サービスの導入社数シェア」「製品/サービスの導入年」「製品/サービスの導入背景」といった設問項目の集計結果から重要ポイントをピックアップし、製品/サービスのシェア動向に関する分析を行っている。
第2章:運用形態と端末環境
導入済みの最も主要な製品/サービスにおける「運用形態」「端末環境」「導入費用」といった設問項目の集計結果から重要ポイントをピックアップし、製品/サービスのシステム環境に関する分析を行っている。
第3章:現状の評価/課題と今後のニーズ
導入済みの最も主要な製品/サービスに関して「評価/満足している機能や特徴」「現時点で抱えている課題」「今後持つべき機能や特徴」を尋ねた設問項目の集計結果から重要ポイントをピックアップし、今後どのような機能を充実させていくべきか?などに関する分析と提言を行っている。
【レポート案内(設問項目、試読版など)】
(リンク »)
【価格】 180,000円(税別)


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担当:岩上 由高
〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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