2022年 ユーザ企業(利用側)とIT企業(提案側)が抱えるDXソリューション導入の共通課題

ノークリサーチはDXソリューション導入において利用側であるユーザ企業と提案側であるIT企業の双方に共通する課題に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2022-05-23 12:30

<中堅・中小企業におけるDXの取り組みは、従来とは異なる新たなラウンドに入ってきている> ■コロナ禍の影響が薄らぎ、「DXとは何か?」に関するユーザ企業の認識も変化している ■文化/慣習の障壁は減少、IT企業は「ダメ出し症候群」や「アーリアダプタ症候群」に注意 ■クラウドサービスの組み合わせ、DX人材の内製、ジョブ型雇用は慎重な取り組みが大切
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2022年5月23日

2022年 ユーザ企業(利用側)とIT企業(提案側)が抱えるDXソリューション導入の共通課題

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社: 〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)はDXソリューション導入において利用側であるユーザ企業と提案側であるIT企業の双方に共通する課題に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。 本リリースは「2022年版 中堅・中小企業のDXソリューション導入実態と展望レポート」のサンプル/ダイジェストである。

<中堅・中小企業におけるDXの取り組みは、従来とは異なる新たなラウンドに入ってきている>
■コロナ禍の影響が薄らぎ、「DXとは何か?」に関するユーザ企業の認識も変化している
■文化/慣習の障壁は減少、IT企業は「ダメ出し症候群」や「アーリアダプタ症候群」に注意
■クラウドサービスの組み合わせ、DX人材の内製、ジョブ型雇用は慎重な取り組みが大切


調査対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業700社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
調査対象職責: 経営層およびIT活用の導入/選定/運用に関わる立場
調査実施時期: 2022年5月
※詳細は右記の調査レポート案内を参照 (リンク »)


■コロナ禍の影響が薄らぎ、「DXとは何か?」に関するユーザ企業の認識も変化している
「DXとは何か?」に対する答えはユーザ企業のみならず、IT企業においても千差万別だ。その中でも、テレワークやそれに伴うペーパレス化はコロナ禍におけるDXの取り組みとして注目を集めてきた。 だが、2022年以降はコロナ禍の影響も薄らぎ、経済環境も大きく変化している。つまり、今後のDXソリューション導入を成功に導くためには、「DXとは何か?」に関する認識の変化を把握しておく必要がある。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、「DXとは何か?」を尋ねた結果のうち、業務に関連する項目とシステムに関連する項目を抜粋したものだ。青帯がDXに既に取り組んでいる企業、橙帯が今後取り組む予定の企業の値を示している。(全ての項目一覧は右記の調査レポート案内を参照 (リンク ») )
上記のグラフが示すように、今後DXに取り組む予定の企業は既に取り組み中の企業とは異なる傾向を示している。本リリースの元となる「2022年版 中堅・中小企業のDXソリューション導入実態と展望レポート」では、こうした変化に着目し、コロナ禍以降の新たな局面に即したDXソリューション提案に求められる施策とは何か?を提言している。次頁以降ではその分析結果の一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。

■文化/慣習の障壁は減少、IT企業は「ダメ出し症候群」や「アーリアダプタ症候群」に注意
前頁のグラフが示すように、ユーザ企業が考える従来のDXでは「ペーパレス化を進める」 「システムをクラウド化する」 「業務
の自動化を推進する」といった認識が上位に挙げられていた。これらの項目は今後も引き続き上位に位置しているが、それに加えて「顧客との関係性を深める」や「社内の慣習を改革する」の割合も相対的に高まっていることがわかる。 IT企業としてはDXとは何か?に関する認識の広がりを踏まえたDXソリューション提案が求められてくる。
だが、そこには多くの課題が山積している。以下のグラフはIT企業に対して、「DXソリューション提案における課題」を尋ねた結果の中から、「ユーザ企業に起因する課題」を抜粋したものである。 (全ての課題項目は下記の調査レポート案内を参照 (リンク ») ) 「ユーザ企業にニーズを尋ねても答えが得られない」や「ユーザ企業の文化や慣習がDX提案を阻んでいる」の回答割合が高くなっていることが確認できる。だが、ユーザ企業側に原因があるからと言ってDX提案を躊躇するわけにもいかない。実は以下のグラフが示唆するようにIT企業側の姿勢にも改善すべき点があることがわかる。以下のグラフは中堅・中小のユーザ企業に対して「DXに取り組む際の課題」を尋ねた結果から、「経営や社風に関連する項目」と「IT企業に起因する項目」の結果を抜粋したものだ。(全ての課題項目は右記の調査レポート案内を参照 (リンク ») )
現状(取り組み中)と今後(取り組む予定)を比較すると、IT企業が課題と考える「ユーザ企業の文化/慣習による障壁」は今後減少していくと予想される。一方、IT企業が留意すべき点が下段グラフの※1や※2といった項目だ。実際にベンダや販社/SIerからは「センサ/ドローン/ロボットなど未経験の技術が出ると、ユーザ企業にビジネス面の課題を指摘して提案を避けてしまう」(※1)、「初期の導入事例は好調だったが、その後はユーザ企業のDX理解度が低くて上手く行かない」(※2)といった悩みを聴くことも多い。※1は「ダメ出し症候群」、※2は「アーリアダプタ症候群」とも呼ぶべき状況だが、DXソリューション提案を成功させるにはIT企業側のこうした姿勢の改善も重要だ。次頁では提案時に留意すべき具体的なポイントについて述べていく。

■クラウドサービスの組み合わせ、DX人材の内製、ジョブ型雇用は慎重な取り組みが大切
ユーザ企業における「文化/慣習の障壁」が減少し、IT企業が「ダメ出し症候群」や「アーリアダプタ症候群」を克服したとしても、「どのようなDXソリューションが最適なのか?がユーザ企業もIT企業も判断できない」という課題は依然として残ってしまう。 そこで、本リリースの元となる「2022年版 中堅・中小企業のDXソリューション導入実態と展望レポート」では、最新のDX事例を踏まえた上で、DXに取り組み中の企業における成果や取り組み予定の企業におけるニーズなどを元に、10カテゴリ計35項目に渡る具体的なDXソリューションを具体例と共に列挙し、業種別導入意向などを分析している。 (詳細は右記の調査レポート案内を参照 (リンク ») )下記では上記の詳細な分析に至る前段階として、全ての業種に共通するDXソリューション提案における留意点に関する分析結果の一部を調査レポートから抜粋して掲載している。
以下のグラフはDXに既に取り組んでいる中堅・中小のユーザ企業に対して、DXで得られたプラス/マイナスの成果毎に分けて業務システムと人材/人事に関する基本方針を尋ねた結果を集計したものの一部抜粋である。(全ての項目の詳細については右記の調査レポート案内を参照 (リンク ») )
上段のグラフを見ると、「費用が予想/計画を上回る」というマイナス効果を経験したユーザ企業は取り組み中・全体と比較して「クラウドサービスを組み合わせて構築する」という方針を採った割合が高いことがわかる。したがって、中堅・中小企業のDXではクラウドサービスで無理に全てをカバーしようとせずに、段階的に改善していくことが有効と考えられる。「既存の業務システムを徐々に改善していく」という方針を採った場合でも「期待した成果が得られない」の割合が高くなっていることから、改善が現状維持に偏ってしまわないように注意する必要がある。
一方、下段のグラフを見ると、「必要な人材を自社内で育成/教育する」という方針を採った場合は「費用が予想/計画を上回る」の割合がやや高くなっていることがわかる。DXではユーザ企業が内製を通じて「DX人材」を育成することも重要だが、内製を単なるコスト抑制の手段と捉えないことが大切だ。さらに、ジョブ型雇用についても、DXで期待した成果を得るためには十分な準備と時間が必要となる可能性もあることを上記のグラフは示唆している。

本リリースの元となる調査レポート

『2022年版 中堅・中小企業のDXソリューション導入実態と展望レポート』

DXソリューション導入を「一部の先進企業」から「中堅・中小の幅広い裾野」に広げるために必要な施策とは何か?


【対象企業属性】(有効回答件数:700社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~50億円未満 / 50億円以上~100億円未満 /100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 / 100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満 /500人以上~1000人未満/ 1000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 運輸業 / IT関連サービス業 / 一般サービス業
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 / 四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)

【分析サマリの章構成】
第1章.DXに対する取り組み状況とその主導者
DXの取り組みがどこまで進んでおり、誰が主導しているのか?(経営層、業務部門、IT関連部門など)などの現状を解説。
第2章.導入済み/導入予定のDXソリューション
最新のDXソリューション事例を踏まえて、10カテゴリ、35項目に渡る具体的なDXソリューションを列挙した上で、IT企業が今後注力すべきDXソリューションを業種別に分析。
第3章.DXの成果とユーザ企業の方針/体制の関連
IT企業がユーザ企業に対して文化/慣習の変化を促す際に有効なアプローチを明らかにするため、DXで成果を出しているユーザ企業はどのような基本方針や組織体制で取り組んでいるかを分析。
第4章.DXを阻む課題とIT企業が提供すべき支援策
ユーザ企業がDXソリューション導入で直面している課題とIT企業側がDXソリューション提案で抱えている課題を照合し、課題を克服するためにIT企業が取り組むべきポイントを解説。
第5章.DXソリューションに対する支出額と市場規模
ユーザ企業がDXソリューションに拠出可能な費用を尋ねた結果を分析し、導入意向と単価の双方が高いカテゴリは何か?を明らかにすると共に、年商別/業種別/地域別のDXソリューション市場規模を算出。
第6章.DX関連の技術ならびにトレンドの展望
メタバース、ブロックチェーン応用、量子コンピュータ、ニューロマーケティングなど、13項目に渡る最新の技術やトレンドを中堅・中小企業がどのように捉えているのか?今後の普及が見込めるのはどれなのか?に関する展望を解説。
【価格】 180,000円(税別) 【発刊日】 2022年6月13日
詳細は右記の調査レポート案内をご参照ください (リンク »)

ご好評いただいている既刊の調査レポート 各冊180,000円(税別)

2021年版 中堅・中小企業のセキュリティ・運用管理・バックアップに関する今後のニーズとベンダ別導入意向レポート
(リンク »)
2021年版中堅・中小向け5G/ネットワーク関連サービスの展望レポート
(リンク »)
2021年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート
(リンク »)

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当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp
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