2022年中堅・中小企業におけるRPA製品/サービスの導入社数シェアと価格重視志向の関連

ノークリサーチは中堅・中小企業におけるRPA製品/サービスの導入社数シェアおよび同市場に見られる価格重視志向の関連を分析し、その結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2022-12-06 12:30

<中堅・中小企業向けのRPA導入提案は転換期、価格体系や提案の切り口での工夫が必要> ■今後は導入社数シェアが分散、業務システム/ソリューションの一部としての自動化が進展 ■導入費用が安価である方が、「導入済み」と比較した時の「導入予定」のプラス幅が大きい ■「ヒトの代わり」ではなく、「ミスを減らして業務品質を改善する自動化」という切り口が大切
PRESSRELEASE(報道関係者各位) 2022年12月6日

2022年中堅・中小企業におけるRPA製品/サービスの導入社数シェアと価格重視志向の関連

調査設計/分析/執筆:岩上由高

ノークリサーチ(本社〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニTEL:03-5361-7880 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業におけるRPA製品/サービスの導入社数シェアおよび同市場に見られる価格重視志向の関連を分析し、その結果を発表した。 本リリースは「2022年版中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」のサンプル/ダイジェストである。

<中堅・中小企業向けのRPA導入提案は転換期、価格体系や提案の切り口での工夫が必要>
■今後は導入社数シェアが分散、業務システム/ソリューションの一部としての自動化が進展
■導入費用が安価である方が、「導入済み」と比較した時の「導入予定」のプラス幅が大きい
■「ヒトの代わり」ではなく、「ミスを減らして業務品質を改善する自動化」という切り口が大切

対象企業:年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責:情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 (リンク »)


■今後は導入社数シェアが分散、業務システム/ソリューションの一部としての自動化が進展
本リリースの元となる調査レポート「2022年版中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」ではRPAを「ヒトによる手作業を自動化するシステム」と定義し、有効回答件数1300社の中堅・中小企業を対象として、RPAの用途、活用の基本方針、直面する課題、必須と考える支援や仕組みなどを尋ねた結果を集計/分析している。また、この調査レポートでは国内ベンダ、外資系ベンダ、RPA専用ツール以外の様々なソリューションなど、計42項目に渡る選択肢を列挙して、導入済み/導入予定の製品/サービスを尋ねている。(全ての選択肢一覧は次頁を参照)以下のグラフはその中から代表的なものを抜粋し、導入済み/導入予定の回答割合をプロットしたものだ。 「導入済み」の社数シェアでは「WinActor」「BizRobo!」「Auto名人シリーズ」といったRPAの黎明期から豊富な実績を持つ国内ベンダが優勢だ。だが、「導入予定」の値が示すように今後は様々な製品/サービスが社数シェアを分け合う状況が予想される。
その中で着目すべきなのが、「Robo-Pat」や「アシロボRPA」などのようにサポート費用やライセンス体系などの面でユーザ企業の負担軽減に注力している国産ベンダの製品/サービスだ。社数シェアの割合はまだ僅かではあるが、後述するユーザ企業の価格重視志向を踏まえると、今後の動向を注視する必要がある。また、外資系ベンダ(「UiPath」、「BluePrism」など)は2021年と比べて導入済み社数シェアを伸ばした製品/サービスや大企業を中心とした売上シェアで存在感を示すものもある一方、中堅・中小企業の社数シェアでは大きな伸びを示す兆候はまだ見られない。さらに留意すべきなのが、「ワークフロー・ビジネスプロセス管理の一機能として利用」や「ペーパレス化のソリューションの一部として利用」のように、業務システムやソリューションの一部として自動化を実現しようとするケースが今後増加する点だ。 次頁以降ではこうした傾向の背景を分析した結果の一部を調査レポートのサンプル/ダイジェストとして紹介している。


■導入費用が安価である方が、「導入済み」と比較した時の「導入予定」のプラス幅が大きい
本リリースの元となる調査レポートで社数シェアの集計対象となっている製品/サービスは以下の通りである。その中から一部を抜粋してプロットしたものが冒頭のグラフだ。「ヒトによる手作業の自動化」の手段はRPA専用ツールだけでなく、ERPなどの基幹系システムやワークフローといった業務アプリケーション、さらにペーパレス化やテレワークなどのソリューションなど多岐に渡る。RPA製品/サービスの導入社数シェアを俯瞰する際にはそうした広い視点を持つことが大切だ。
<<国内ベンダ>>
・WinActor: NTTアドバンステクノロジ
・BizRobo!: RPAテクノロジーズ
・Auto名人シリーズ: ユーザックシステム
・SynchRoid: ソフトバンク、RPAホールディングス
・OCEVISTAS: 大崎コンピュータエンヂニアリング、RPAテクノロジーズ
・パトロールロボコン/ロボシュタイン:コムスクエア
・ipaS: デリバリーコンサルティング
・NECSoftwareRobot Solution(BizRobo!は除く):NEC
・GENEST/EntreQue/ Axelute: 富士通
・NaUDSP: なうデータ研究所
・Robo-Pat: FCEプロセス&テクノロジー
・OwlgardenRPA: エクス
・batton: batton
・RoboticCrowd: チュートリアル
・BizteXcobit: BizteX
・アシロボRPA: ディヴォートソリューション/ドヴァ
・RoboTANGO: スターティアレイズ
・JobAuto: シジャム・ビーティービー
・EzRobot: RPAソリューションズ
・クラウドBOT: C-RISE
・EzAvater: テリロジーサービスウェア
・コボットPlatform: ディップ
・ziggxaflow: ジグザ
・マクロマン: コクー
<<外資系ベンダ>>
・UiPath: UiPath
・Blue Prism: Blue Prism
・NICE APAシリーズ: NICE
・Power Automate Desktop: 日本マイクロソフト
・Automation 360/Anywhere Enterprise: オートメーション・エニウェア
・Pega Robotic Automation: Pegasystems
・WorkFusion(RPA Expressを含む): WorkFusion
・Kofax RPA: Kofax Japan
・Verint RPA: ベリントシステムズジャパン
・AutoMate: HelpSystems
<<その他>>
・その他の製品/サービス
・Webサービス連携ツールの一機能として利用 例)Workato「Workato」
・ERP/基幹系システムの一機能として利用 例)OSK(大塚商会)「SMILE V」
・コラボレーションの一機能として利用 例)ネオジャパン「App Suite」
・ワークフロー・ビジネスプロセス管理の一機能として利用 例)Nintex「Nintex Workflow Cloud」
・ペーパレス化のソリューションの一部として利用 例)丸紅情報システムズ「ペーパーレスソリューション」
・テレワークのソリューションの一部として利用 例)三和コムテック「テレワーク・リモート自動化ソリューション」
・独自開発システム

本リリースの元となる調査レポートでは、RPAの導入費用についても導入済みと導入予定のそれぞれの場合について尋ねている。(「導入費用」の詳細な定義は右記のレポート案内を参照 (リンク ») )
左記のグラフは上記に列挙した42項目の製品/サービスについて、導入費用を横軸、社数シェアの増減率(「導入済み」と比べて「導入予定」では何割の増減があったか)を縦軸として散布図として表したものだ。
横軸/縦軸いずれも幅広い値を示しているが、赤点線が示すように全体としては導入費用が安価になるにつれて、社数シェアの増減率が僅かにプラスとなる傾向が見受けられる。前頁で述べたように今後は安価なRPA製品/サービスの動向を注視する必要があるが、ペーパレス化などのソリューションの一部として自動化に取り組む場合も自動化ツールに割かれる費用は低くなりやすい。RPAベンダとしては、この点にも注意が必要だ。(次頁へ続く)


■「ヒトの代わり」ではなく、「ミスを減らして業務品質を改善する自動化」という切り口が大切
前頁までに述べたRPA製品/サービスの社数シェアや導入費用の動向はユーザ企業がどのような方針で「ヒトによる手作業の自動化」に取り組もうとしているか?と深く関連している。そこで、本リリースの元となる調査レポートでは以下の選択肢を列挙してRPA活用の基本方針を尋ねている。
<<RPAシステムの選定/導入に関する項目>>
・機能がシンプルで価格を抑えたRPAシステムを選ぶ(※)
・価格が高くても機能が充実したRPAシステムを選ぶ(※)
・複数のRPAシステムを目的/用途に応じて併用する
・PC台数ではなく同時実行数に基づく費用体系を選ぶ
・RPAの代わりにノーコード/ローコードで自動化を行う
・RPAの代わりにERPなどの業務システムを改善する
・RPAの代わりにワークフローを自動化の基盤とする
・クラウドサービス間の連携にもRPAを適用していく
<<RPA活用の相談相手に関する項目>>
・幅広い業務システムに精通したIT企業に相談する
・特定の業種や地域に強みを持つ業者に相談する
・IT企業には相談せず、自力でRPA活用を推進する
<<RPAを適用する業務や導入の目的に関する項目>>
・個々のPC内で完結する処理に対してRPAを適用する
・複数の業務システムを跨いだ処理にRPAを適用する
・ヒトによるミスを減らすことを目的としてRPAを適用する(※)
・在宅勤務やペーパレスを目的としてRPAを適用する
・人手不足や人口減少の対策としてRPAを適用する
・働き方改革に対応する手段としてRPAを適用する(※)
・RPAを適用する業務や部署の範囲を拡大する
・RPAを適用する業務や部署の範囲を限定する
<<その他>>
・その他:
・現時点では判断できない(排他)

以下のグラフは上記の中から(※)を付けた項目の回答割合をRPAを「導入済み」と「導入予定」の場合で比較した結果である。 「導入済み」と比較した時の「導入予定」の増減を見ると、※1は増加、※2は減少している。つまり、今後は高価だが機能が豊富な製品/サービスよりも、機能がシンプルで安価なRPA製品/サービスが求められると予想される。これは前頁までに述べた社数シェアの動向とも符合している。また※3や※4も増加していることから、RPAの導入提案においては「ヒトの代わりになる自動化」ではなく、「業務品質を改善する自動化」(※3)や「従業員の負担を軽減する自動化」(※4)という切り口が重要となってくる。
さらに※1、※3、※4を年商規模別に集計したものが左記のグラフだ。年商規模が小さくなるほど、手軽で安価なRPAを求める傾向にあることが確認できる。
また、※3は※4と比べて小規模企業層の回答割合も高い。小規模企業の経営層には「自動化=ヒトを削減する手段」という認識も未だあるため、より広い切り口という観点では※3の「ミスを減らして業務品質を改善する自動化」が堅実といえる。 ここでは「RPA活用に関する基本方針」の一部の項目に関する分析結果を抜粋したが、調査レポートではその他の項目やRPAの課題や必須と考える支援策や仕組みなど、RPA活用提案を成功させるための様々な分析や提言について述べている。

本リリースの元となる調査レポート

『2022年版中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート』
「RPAは機能重視と価格重視のどちらの方向に進むのか?」、「ノーコード/ローコードが適したシステム開発の用途は?」など、IT企業が直面する様々な疑問に1300社のユーザ企業を対象とした調査データに基づく分析で答えを示した一冊
【本調査レポートの背景】
中堅・中小企業においても基幹系、情報系、運用管理系、顧客管理系、分析など既に多種多様な業務アプリケーションが導入されており、その運用形態もパッケージの社内設置からSaaSに至るまで多岐に渡っている。だが、その一方で、
・紙面からの転記やシステム間のデータ加工/統合など、ヒトによる手作業が残っている
・プロジェクト単位の情報管理など、既存システムでカバーできない隙間の業務がある
・レガシー化した資産や過去に構築した業務システムを素早く刷新/再構築できない
といった課題を抱えるユーザ企業も少なくない。こうした課題を解決する手段として、中堅・中小企業においても注目を集めているのが、RPAとノーコード/ローコード開発ツールである。そこで、本調査レポートではこれら2つに関する導入状況、課題とニーズ、導入済み/導入予定の製品/サービスを尋ねた調査結果を元に、IT企業がRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用提案を成功させるためのポイントを分析/解説している。
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商:5億円未満/5億円以上~10億円未満/10億円以上~20億円未満/20億円以上~50億円未満/50億円以上~100億円未満/100億円以上~300億円未満/300億円以上~500億円未満
従業員数:10人未満/10人以上~20人未満/20人以上~50人未満/50人以上~100人未満/100人以上~300人未満/300人以上~500人未満/500人以上~1,000人未満/1,000人以上~3,000人未満/3,000人以上~5,000人未満/5,000人以上
業種:組立製造業/加工製造業/建設業/卸売業/小売業/流通業(運輸業)/IT関連サービス業/一般サービス業/その他(公共/自治体など)
地域:北海道地方/東北地方/関東地方/北陸地方/中部地方/近畿地方/中国地方/四国地方/九州・沖縄地方
その他の属性:「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)

【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の章構成】
第1章.RPAの導入割合と用途
RPAの導入状況を経年変化で確認した上で、14項目に渡るRPAの用途から今後有望なものはどれなのか?を提言
第2章.RPAの課題とニーズ
23項目に渡るRPAの「課題」、19項目に渡るRPA活用の「基本方針」、21項目に渡る「必須となる支援や仕組み」を分析
第3章.RPA製品/サービスのシェア
国内ベンダ、外資系ベンダ、各種の自動化ソリューションなど、42項目に渡る製品/サービスの社数シェアを集計/分析
第4章.ノーコード/ローコード開発ツールの導入割合と用途
ノーコード/ローコード開発ツールの導入状況を確認した上で、10項目に渡る用途から今後有望なものはどれか?を提言
第5章.ノーコード/ローコード開発ツールの利点と課題
ノーコード/ローコード開発ツールの活用における利点(16項目)および課題(13項目)を分析し、提案時のポイントを解説
第6章.ノーコード/ローコード開発ツールのシェア
ノーコード/ノーコード開発ツールを6分野に整理した上で、計33項目に渡る製品/サービスの社数シェアを集計/分析
第7章.ノーコード/ローコード開発ツールの分野別動向
ノーコード/ローコード開発ツールの6つの分野によって、用途/利点/課題の傾向がどのように異なるか?について分析
【レポート案内(設問項目、試読版など)】 (リンク »)
【発刊日】2022年12月15日(予定)
【価格】180,000円(税別)RPAのみ、またはノーコード/ローコード開発ツールのみの個別販売は行っておりません

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株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室
TEL03-5361-7880FAX03-5361-7881
Mail:inform@norkresearch.co.jp
Web:www.norkresearch.co.jp
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