2024年 ブロードコムによるヴイエムウェア買収が日本国内のHCI市場に与える影響

ノークリサーチは米Broadcomによる米VMwareの買収が日本国内のHCI市場に与える影響について考察し、その結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2024-08-13 12:00

<コスト増に起因するネガティブな印象を回避し、導入が停滞していた企業層の活性化を図るべき> ■VMware製品の体系変更は中堅・中小企業向けHCI製品の今後にも少なからず影響する ■コスト増によるHCI導入予備軍の脱落を防ぐにはHCI基盤の選択肢を広めることも要検討 ■店舗/工場などでも導入可能な「コンパクトなHCI製品」は顧客層を拡大できる有効な施策
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2024年8月13日

2024年 ブロードコムによるヴイエムウェア買収が日本国内のHCI市場に与える影響

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は米Broadcomによる米VMwareの買収が日本国内のHCI(ハイパーコンバージドインフラ)市場に与える影響について考察し、その結果を発表した。本リリースは「2024年版 サーバ&エンドポイントにおけるITインフラ導入/運用の実態と展望レポート」に収録された集計データを元に新たな考察を行ったものである。


<コスト増に起因するネガティブな印象を回避し、導入が停滞していた企業層の活性化を図るべき>
■VMware製品の体系変更は中堅・中小企業向けHCI製品の今後にも少なからず影響する
■コスト増によるHCI導入予備軍の脱落を防ぐにはHCI基盤の選択肢を広めることも要検討
■店舗/工場などでも導入可能な「コンパクトなHCI製品」は顧客層を拡大できる有効な施策


調査件数: 700社(有効回答件数)
対象企業: 中堅・中小企業(年商500億円未満)および大企業(年商500億円以上)(日本全国、全業種)
対象職責: ITインフラ関連の決裁、計画立案、選定/導入、管理/運用のいずれかを担う職責
※調査対象の詳細などは右記の調査レポート案内を参照 (リンク »)


■VMware製品の体系変更は中堅・中小企業向けHCI製品の今後にも少なからず影響する
米Broadcomの米VMware買収に伴い、サーバ仮想化に関連する製品群は次の4つに集約される旨の発表があった。

今後も継続されるサーバ仮想化に関連するVMware製品
1. VMware Cloud Foundation(VCF)
2. VMware vSphere Foundation(VVF)
3. VMware vSphere Standard(VVS)
4. VMware vSphere Essentials Plus(VVEP)

これまで「VMware vSphere」単体でサーバ仮想化環境を構築してきたユーザ企業は1.や2.のスイート製品に切り替える必要が生じる。また、ライセンス体系も永続からサブスクリプション、CPU単位からコア単位へと変更となり、大企業を中心にコスト増が懸念されている。
一方、中堅・中小企業向けには3.や4.が提供されるため、 「VMware vSphere」を用いたサーバ仮想化におけるコスト増の影響は大企業と比べると小さい。だが、もう1つ留意すべき点が「VMware vSAN」を活用したHCI製品に与える影響だ。HCIは中堅・中小企業も拡張性の高いサーバ環境をオンプレミスで構築できる手段の1つであり、国内外の主要サーバベンダが「VMware vSphere」をバンドルしたHCI製品を展開している。 既に国産ベンダの中にはこうしたバンドル型のHCI製品の販売終了を発表しているケースもあり、サーバ機器とHCI基盤を別々に購入することが必須となればHCI製品の利点を損なう可能性もある。 米Broadcomの米VMware買収に伴うこうした一連の変化はHCI製品の導入を検討/予定しているユーザ企業やそれを支援する販社/SIerにも少なからず影響を及ぼす。最新の調査レポート「2024年版 サーバ&エンドポイントにおけるITインフラ導入/運用の実態と展望レポート」では、以下のようにHCIの導入状況や課題についても詳細なデータ集計/分析を行っている。
本リリースでは「未導入&検討」と「未導入&予定」において、ユーザ企業が抱える課題がどう異なるかを集計したデータを元に、VMware製品の体系変更が今後のHCI市場に与える影響および同市場を維持/活性化させるためにベンダ側が取り組むべきポイントを考察していく。
P1. HCIの導入状況
・未導入&検討 未導入だが、現在は検討を進めている
・未導入&予定 未導入だが、今後導入する計画がある
・未導入&停滞 未導入で、検討しているが進展がない
・導入済み&拡大 導入済みであり、今後は規模を拡大する
・導入済み&維持 導入済みであり、現在の規模を維持する
・導入済み&縮小 導入済みであり、今後は規模を縮小する
・導入あり&廃止 過去に導入していたが、やめてしまった
・不要 自社にはHCIは不要と考えている
・判断不可 未導入であり、何も判断できない


■コスト増によるHCI導入予備軍の脱落を防ぐにはHCI基盤の選択肢を広めることも要検討
「2024年版 サーバ&エンドポイントにおけるITインフラ導入/運用の実態と展望レポート」では、以下のような選択肢を列挙してユーザ企業がHCI製品を導入/運用する際の課題は何か?を集計/分析している。
P3. HCIに関する課題
<<選定や導入における課題>>
・自社に適したHCI製品が見つからない※1
・価格に見合う効果があるか分からない※2
・店舗/工場などには狭くて導入できない※5
・小さなシステム規模には適していない
・高性能かつ高価なサーバ機器が必要
・IaaS/ホスティングへの移行が困難
・メリット/デメリットが良く分からない
<<運用や保守における課題>>
・トラブル発生時の原因切り分けが困難
・HCI基盤ソフトウェアの更新作業が負担
・データ容量と比べてCPUやメモリが余る
・CPUやメモリと比べてデータ容量が余る
・サポート窓口が複数に分かれてしまう※3
・特定のサーバベンダに依存してしまう※4
・システムバックアップの方法が不明
・データバックアップの方法が不明
<<その他>>
・その他:
・課題は全くない(排他)
・判断できない(排他)
以下のグラフは※1と※2の課題の回答割合を「未導入&検討」(検討段階)と「未導入&予定」(計画段階)に分けて集計したものだ。つまり、HCI製品を検討する段階から導入を計画する段階へ遷移する際に、ユーザ企業の課題意識がどう変化するか?を示したデータと言える。
「自社に適したHCI製品が見つからない」の値は検討段階から計画段階に進むにつれて低くなるが、「価格に見合う効果があるか分からない」の値は計画段階では検討段階よりも更に高い値となっている。つまり、HCI導入を具体的に計画する段階になると、費用対効果がより重要な判断基準となることが読み取れる。以下のリリースでも述べた通り、日本国内のHCI市場には多くの導入予備軍が存在する。
「2024年 中堅・中小企業におけるHCIの社数シェアと導入障壁」 (リンク »)
だが、VMware製品の体系変更によって、現在検討段階にあるユーザ企業が想定よりも多くのコストを負担する必要が生じると認識すれば、HCI導入自体を見送ってしまう可能性も出てくる。
HCI製品を展開しているベンダや販社/SIerとしては提案できるHCI基盤の選択肢を広めるなど、HCI導入予備軍の脱落を防止するための施策を早めに打つことが重要となる。次頁では、更なる課題の分析とHCI市場の活性化に向けた提言を述べていく。


■店舗/工場などでも導入可能な「コンパクトなHCI製品」は顧客層を拡大できる有効な施策
また、今後は「サーバ機器とHCI基盤を別々に購入する必要が生じ、サポート窓口が複数に分かれる」、「バンドル型のHCIを提供できるベンダが限られることで、サーバ機器の選択肢が狭まる」といった課題が生じる可能性も考えられる。そこで、前頁の中から「サポート窓口が複数に分かれてしまう」(※3)と「特定のサーバベンダに依存してしまう」(※4)について、前頁と同様の集計を行った結果が以下のグラフである。
検討段階では※3よりも※4の回答割合が高くなっているが、計画段階では逆の状態となっている。
つまり、検討段階では「外資系よりも国産のベンダを選びたい」(またはその逆)などベンダの違いが重視されるが、 計画段階では、サポート窓口が一本化されているかといった具体的な管理/運用の場面が重視されるようになる。
計画段階まで進んだユーザ企業の脱落を防ぐためにはバンドル型でないHCI製品においてもサポート窓口を一本化するなどの施策も検討することが大切だ。
HCIの実現手段は多岐に渡るため、今回の要因によって必ずしもHCI市場全体の成長が著しく妨げられるわけではない。だが、こうした局面では「従来とは異なる顧客層を新たに開拓する」など、何らかのプラス材料も必要となる。そのための1つのヒントとなるのが以下のグラフだ。
右記は前頁に列挙したHCIの課題から、「店舗/工場などには狭くて導入できない」(※5)の値を「未導入&検討」、「未導入/予定」に加えて「未導入&停滞」も集計軸として含めた集計結果である。
「未導入&停滞」では「店舗/工場などには狭くて導入できない」の値が突出して高いことがわかる。
つまり、「HCI製品を活用したいが、店舗/工場といった狭い場所には導入が困難であるため、検討が進まず停滞している」というユーザ企業が少なからず存在することを右記のグラフは示している。 昨今では業務現場(エッジ)でのデータ活用にも注目が集まっている。一方、中堅・中小企業では全てのデータを集約して分析する大規模な仕組みを構築することは難しい。 したがって、エッジでのデータ活用はDXに取り組む際の現実解であり、堅実な最初の一歩と言える。そのためにはコンパクトでありながら、データや計算量の増加にも対応できるオンプレミスのサーバ環境が必要となる。
したがって、HCI製品を展開するベンダとしては今回の体系変更で生じる可能性のあるネガティブな印象を払拭し、HCIの顧客層を広げる施策として、店舗/工場などでも導入できるコンパクトなHCI製品の訴求を検討する価値がある。


本リリースの元となる調査レポート

本リリースでは以下の調査レポートに基づいた考察を述べていますが、掲載したデータは下記レポートに全て収録されています。

『2024年版 サーバ&エンドポイントにおけるITインフラ導入/運用の実態と展望レポート』
【レポート案内】 (リンク »)
【対象企業属性】(有効回答件数:700社、調査実施期間:2024年3月)
職責: ITインフラ関連支出の決裁を下す立場である(215件) / ITインフラに関わる計画立案を担っている(155件) /ITインフラの選定や導入を担っている(171件) / ITインフラの管理/運用を担っている(159件)
年商: 5億円未満 (157件)/ 5億円以上~50億円未満(151件) / 50億円以上~100億円未満(120件) /100億円以上~300億円未満(103件) / 300億円以上~500億円未満(89件) / 500億円以上(80件)
業種: 組立製造業(89件) / 加工製造業(89件) / 建設業(87件) / 卸売業(87件) / 小売業(87件) /運輸業(86件)/ IT関連サービス業(87件) / 一般サービス業(88件)
従業員数: 20人未満(132件) / 20人以上~50人未満(65件) / 50人以上~100人未満(58件) /100人以上~300人未満(126件) /300人以上~500人未満(79件) / 500人以上~1,000人未満(81件) / 1,000人以上~3,000人未満(76件) /3,000人以上~5,000人未満(26件) / 5,000人以上(57件)
IT管理/運用の人員規模: 兼任1名(123件) / 兼任2~5名(148件) / 兼任6~9名(43件) / 兼任10名以上(44件) / 専任1名(42件) /専任2~5名(68件) /専任6~9名(43件) /専任10名以上(61件) / 社内常駐の外部人材に委託(17件) / 非常駐の外部人材に委託(20件) /IT管理/運用は全く行っていない(46件) / 都度適切な社員が対応(42件) / その他:(3件)
ビジネス拠点の状況: 拠点は1ヶ所のみ(199件) / 2~5ヶ所、インフラは全拠点で統一管理(199件) / 2~5ヶ所、インフラは各拠点で個別管理(104件)/ 6ヶ所以上、インフラは全拠点で統一管理(121件) / 6ヶ所以上、インフラは各拠点で個別管理(76件)、その他:(1件)
本社所在地: 北海道地方(25件) / 東北地方(33件) / 関東地方(311件) / 北陸地方(20件) / 中部地方(96件) / 近畿地方(132件) /中国地方 (23件) / 四国地方(19件) / 九州・沖縄地方(41件)
【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の概要】
第1章: サーバ形態の推移(現状と今後)
業務システムのサーバ形態がオンプレミス(オフィス内設置、サーバルーム設置、ハウジング)とクラウド(IaaS/ホスティング、PaaS、FaaS(サーバレス/マイクロサービス))およびSaaSへとどのように推移したか?を以前から現状、現状から今後のそれぞれで分析し、クラウド移行の加速状況やオンプレ回帰の動向などを明らかにしている
第2章: 導入済み/導入予定のサーバOSとベンダ/サービス事業者
オンプレミスとクラウドの双方に渡る導入済み/導入予定のサーバOSおよびサーバのベンダ(オンプレミスの場合)/サービス事業者(クラウドの場合)を集計/分析している。
第3章: サーバ環境における現状の課題と今後の方針
サーバの管理/運用などにおいてユーザ企業が現状で抱える課題および今後の方針を集計/分析している。
第4章: ハイブリッドクラウドの動向
ハイブリッドクラウドの適用状況を「未適用&検討」「未適用&計画」「未適用&停滞」「適用済み&拡大」「適用済み&維持」「適用済み&縮小」「適用済み&廃止」などの多様な選択肢によって尋ね、さらに用途についても確認することでハイブリッドクラウド導入の障壁は何か?更なる拡大を図るためにIT企業が取り組むべきことは何か?を分析している。
第5章: HCI(ハイバーコンバージドインフラ)の動向
HCIの導入状況を「未導入&検討」「未導入&予定」「未導入&停滞」「導入済み&拡大」「導入済み&維持」「導入済み&縮小」「導入あり&廃止」などの多様な選択肢によって尋ね、HCI導入の障壁は何か?を明らかにすると共に導入済み/導入予定のベンダ社数シェアを集計/分析している。
第6章: ストレージの動向
オンプレミス/クラウド双方の業務システムにおける導入済み/導入予定のストレージ形態とその課題を集計/分析している。
第7章: エンドポイント環境のOSとベンダ
PCやスマートデバイスで利用するエンドポイント環境における導入済み/導入予定のOSおよびベンダの社数シェア(オンプレミス/クラウドのVDIや1to1リモートデスクトップ、データレスPC、データ分散PCなども含む)を集計/分析している。
第8章: Windows 11導入の動向と対策
Windows 11の導入状況を確認した上で、Windows 11への移行が進まない要因は何か?IT企業が取るべき施策は何か?を分析している。
【発刊日】 2024年4月17日 【価格】 225,000円(税別)

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当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp
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