中堅・中小のユーザ企業から見たノーコード/ローコード開発の現在地

ノークリサーチは中堅・中小企業におけるノーコード/ローコード開発ツールの認識/理解、適用する場面/用途、課題/ニーズなどに関する調査を実施し、その結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2025-04-02 12:00

<システムを作る側だけでなく、利用する側から見たノーコード/ローコードの現状理解が大切> ■「ノーコード/ローコード開発=クラウドサービス」という誤解が広まらないように留意が必要 ■「クラウド間の連携」だけでなく「既存システムの機能追加」などの場面/用途も訴求すべき ■「コーディングが意外と多い」よりも「実現できる画面仕様や処理内容の制限」が重要課題 ■「場面や用途に応じた複数ツールの使い分け」や「生成AI機能の取り込み」が今後の焦点
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2025年4月2日

中堅・中小のユーザ企業から見たノーコード/ローコード開発の現在地

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業におけるノーコード/ローコード開発ツールの認識/理解、適用する場面/用途、課題/ニーズなどに関する調査を実施し、その結果を発表した。本リリースは「2024年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<システムを作る側だけでなく、利用する側から見たノーコード/ローコードの現状理解が大切>
■「ノーコード/ローコード開発=クラウドサービス」という誤解が広まらないように留意が必要
■「クラウド間の連携」だけでなく「既存システムの機能追加」などの場面/用途も訴求すべき
■「コーディングが意外と多い」よりも「実現できる画面仕様や処理内容の制限」が重要課題
■「場面や用途に応じた複数ツールの使い分け」や「生成AI機能の取り込み」が今後の焦点


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については本リリース5ページを参照


■「ノーコード/ローコード開発=クラウドサービス」という誤解が広まらないように留意が必要
IT企業が中堅・中小企業向けのノーコード/ローコード開発ツール(NLDツール)の拡販を図る際にはノーコードとローコードをどのように区別して伝えるべきか?に着目しがちだ。その点も重要だが、ユーザ企業側はNLDツールをどのように理解・認識しているのか?も把握しておく必要がある。本リリースの元となる調査レポートでは年商500億円未満の中堅・中小企業(有効回答件数1300社)に対し、NLDツールの活用に該当するケースはどれか?を尋ねている。以下のグラフは、その一部をNLDツールの活用状況別に尋ねた結果を調査レポートから抜粋したものだ。 クラウド上の構築/運用を前提としたNLDツールが引き続き注目を集めており、上記のグラフにおいても 「全体」と「導入済み&拡大」 (NLDツール活用を拡大すると回答したユーザ企業) の双方で「ツール上で画面や処理を定義して、ソースコードを出力する」(※1)と比べて「ツール上で画面や処理を定義して、クラウド上などで動かす」(※2)が高い値を示している。ただし 「導入済み&縮小」も※1と比べて※2の値が高くなっている点に注意が必要だ。もし「NLDツール=クラウドサービス」という刷り込みが広まると、「クラウド移行が難しい業務システムにはNLDツールは適用できない」という誤解を生み、それがNLDツール活用の縮小要因にもなりかねない。ノーコード/ローコード開発による効率化とインフラ形態の選択(オンプレ/クラウド)は本来別々に検討されるべきものだ。IT企業がNLDツール活用を提案する際にはこの点についてユーザ企業を適切に支援・啓蒙することが重要となってくる。以降のページではNLDツールを適用する場面/用途やツール活用における課題/ニーズに関する分析結果の一部を調査レポートのサンプル/ダイジェストとして紹介している。

■「クラウド間の連携」だけでなく「既存システムの機能追加」などの場面/用途も訴求すべき
本リリースの元となる調査レポートでは以下の選択肢を列挙して、ノーコード/ローコード開発ツール(NLDツール)を適用する場面や用途を尋ねた結果を集計/分析している。
F5-2 ノーコード/ローコード開発ツール(NLDツール)を適用する場面や用途(複数回答可)
・新規の業務システム開発 例) OutSystemsで自社向けの独自CRMを開発する
・既存システムの機能追加 例) 既存システムにLightning Platformでスマートフォン向け画面を追加する
・既存システムの再構築 例) Lotus Notes/Dominoの独自データベースをHCL Domino Leapで作り直す
・レガシーマイグレーション 例) COBOLで構築されたシステムと同じ仕様のものをGeneXusで再構築する
・クラウドサービス間の連携 例) Power AutomateでDropboxとSlackを連携させる
・オンプレミス/クラウド連携 例) Boomiで社内システムとクラウドを連携する
・オンプレミス同士の連携 例) ASTERIA Warpで異なるデータベースを連携する
・簡易な業務ツールの作成 例) 部署内の工程管理ツールをFile Makerで作成する
・Excel代替のシステム開発 例) Excelのマクロで作成したシステムをkintoneに移行する
・ヒトによる手作業の自動化 例) AppSuiteで週次の売上計算処理を自動化する
・その他:
以下のグラフは上記の中から、「既存システムの機能追加」(※1)と「クラウドサービス間の連携」(※2)の回答割合を抜粋し、 NLDツールの活用状況別に集計したものだ。
「導入済み&拡大」では※1と※2が共に「全体」と比べて高い値を示しており、これら2つの場面/用途がNLDツール活用の拡大を図る上でも有効であることが確認できる。実際、下記の前回調査(*)においても、※2は今後の伸びを示す兆候が見られた。
* (リンク »)
だが、「導入あり&廃止」(NLDツールを導入したが、現在は活用していない)では※1が「全体」を下回る一方、※2が「全体」を大きく上回っている。クラウドサービス間の連携には迅速さが求められるため、NLDツールを適用できれば導入効果は高い。しかし、個々のクラウドサービスの仕様変更などに対応できなければ、逆にトラブルシューティングが複雑になる可能性もある。
「導入予定」において※1の値が高くなっている点も踏まえると、※2だけに偏らずにバランスの取れた場面や用途の訴求を行うことが大切だ。調査レポートでは他の場面/用途も含めた分析とそれらを踏まえた提言を詳しく述べている。 次頁と次々頁ではノーコード/ローコード開発ツール活用における課題や今後の方針(ニーズ)について述べていく。


■「コーディングが意外と多い」よりも「実現できる画面仕様や処理内容の制限」が重要課題
本リリースの元となる調査レポートではノーコード/ローコード開発ツール(NLDツール)活用の課題についても、以下の選択肢
を列挙して集計/分析を行っている。 (補記: 当該レポートではノーコード/ローコード開発ツール(NLDツール)とRPAの双方をテーマとしているため、<<>>で記載した設問グループ名称にはNLDツールに固有のものと両者に共通するものの2通りがある)
F3.ノーコード/ローコード開発ツール(NLDツール)活用における課題(複数回答可)
<<NLDツールに固有の項目>>
・コーディングが必要となる場面が意外と多い※1
・実現できる画面仕様や処理内容が限られる※2
・業務上の仕様やルールが曖昧になりやすい
<<共通:ツール自体に関連する課題>>
・ツール固有のノウハウやスキルが必要になる
・従来通りに業務システムを構築した方が確実
・他システムとの連携が困難または煩雑である
・既存の開発ツールや運用/保守と合致しない
・処理性能やセキュリティ対策を強化できない
・ツール自体が将来的になくなる恐れがある
<<共通:ツールの導入/運用に関連する課題>>
・経営層がツールを用いた省力化に反対している
・ツール活用にはIT企業の支援が不可欠である
・ツールの機能が豊富であるため使いこなせない
・ツールの機能が不足していて要件を満たせない
・部門単位での勝手なツール活用が乱立する
・生成AIと比べると柔軟性が低く、扱いづらい
<<共通:費用やシステム形態に関連する課題>>
・有償コンサルティングを受けないと導入できない
・運用形態(クラウド/オンプレミス)が限定される
・RPAツールとNLDツールの使い分けが難しい
・ツールのライセンス費用が高価である
・ツールの導入/運用に手間がかかる
<<共通:その他>>
・その他:
以下のグラフは上記の中から「コーディングが必要となる場面が意外と多い」(※1)および「実現できる画面仕様や処理内容が限られる」(※2)といった課題を抜粋し、NLDツールの活用状況別に集計したものである。いずれの活用状況においても※2が※1を上回っていることがわかる。コーディングの作業量が削減できたとしても、ユーザ企業が求めるユーザインターフェースやビジネスロジックを実現できなければ本末転倒となってしまう。昨今のノーコード/ローコード開発ツールのアピールでは「素早さ」や「手軽さ」が強調されがちだが、「ツールがユーザ企業の要求レベルを満たせるか?」という視点も大切だ。IT企業側としてはユーザ企業の規模やIT活用レベルに応じて複数のツールを使い分けるなどの工夫も必要となってくる。
次頁ではノーコード/ローコード開発ツール活用において、ユーザ企業が考える取り組みや方針(ニーズ)について述べていく。


■「場面や用途に応じた複数ツールの使い分け」や「生成AI機能の取り込み」が今後の焦点
前頁で述べたNLD活用における課題に加えて、調査レポートでは以下の選択肢を列挙してNLD活用における取り組み/方針(ニーズ)についても詳しく尋ねている。(<<>>で記載した設問グループ名称に関する補記は前頁の課題項目と同様)
F4.ノーコード/ローコード開発ツール(NLDツール)活用における取り組みや方針(複数回答可)
<<NLDツールに固有の項目>>
・汎用のNLDツールで様々な用途をカバーする※3
・用途別の専用開発ツールを適材適所で選ぶ※4
・要件に合ったSaaSがあればそれを優先する
・内製による開発範囲はExcel代替に絞る
<<共通:ツールの導入/運用に関連する取り組みや方針>>
・まずは既存システム自体の改善を検討する
・既存システムをRPA/NLDツールで代替する
・RPA/NLDツールの代わりに生成AIを活用する※5
・IT企業に頼らず、自力でツールを活用する
・IT企業の支援を受けてツールを活用する
・反復的なアジャイル開発手法を採用する
<<共通:ツールの活用目的に関連する取り組みや方針>>
・デジタル化する業務を拡大するために活用する
・システム開発を短期化する手段として活用する
・システム改変を容易にする手段として活用する
・性能やセキュリティの確保手段として活用する
・IT担当/部門の負担軽減のために活用する
・IT支出を削減する手段として活用する
<<共通:費用やシステム形態に関連する取り組みや方針>>
・有償でも導入支援コンサルティングを利用する
・機能が限られても、無償/安価なツールを選ぶ
・処理量やデータ量に基づく従量性課金を選ぶ
・RPA/NLDツールの成果物はクラウドで運用する
<<共通:その他>>
・その他:
上記の中から、「汎用のNLDツールで様々な用途をカバーする」(※3)、「用途別の専用開発ツールを適材適所で選ぶ」(※4)、「RPA/NLDツールの代わりに生成AIを活用する」(※5)を抜粋し、NLDツールの活用状況別に集計した結果が以下のグラフだ。
いずれの活用状況においても※4が※3を上回っていることが確認できる。前頁ではIT企業が複数のNLDツールを使い分けることの重要性に触れたが、ユーザ企業側も場面や用途に応じてNLDツールを適材適所で選択したいと考えていることを上記の結果は示している。また、※5が示すように、「導入済み&拡大」では生成AIによるNLDツールの代替を念頭に置く傾向が垣間見える。 こうした企業層はIT活用全般のレベルも高いため、生成AIを活用したコード補完/生成などが現行のNLDツールよりも有効と考える割合が高くなりやすいと推測される。だが、生成AIはNLDツールと対立するものではなく、同ツールをさらに強化する手段と捉えるべきだ。NLDツールを開発/販売するIT企業としては、生成AIの機能を上手く取り入れていく取り組みも今後重要になっていくと予想される。


本リリースの元となる調査レポート

『2024年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート』
ユーザ企業における認識、適用される場面や用途、課題/ニーズ、ツールの導入済み/導入予定シェア、支出額といった多角的な視点からAI活用と歩調を合わせた業務の自動化や迅速なシステム開発を実践するための成功パターンを提言
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社、調査実施期間:2024年7月~8月)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他:
所在地: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の概要】
本調査レポートは中堅・中小企業における「RPA」および「ノーコード/ローコード開発」の2つのツール活用をテーマとしている。
そのため、調査結果の重要ポイントをまとめた分析サマリ(PDF形式)の章構成も以下のように2部構成となっている。
第1部: RPA
1-1. RPAツールの活用状況
「導入済み&拡大」「導入済み&維持」「導入済み&縮小」「導入あり&廃止」「導入予定」「導入無&予定無」「判断不可」といった詳細な選択肢を設けて、RPAツールの活用状況を2023年と2024年で比べた集計/分析を行っている。
1-2. RPAツールに対するユーザ企業の認識
そもそもユーザ企業はRPAツールをどのように認識しているのか(Excelのマクロ機能などと区別できているのか?など)を確認している。
1-3. RPAツールを適用する場面や用途
Webサイトや紙面の転記/照合などの基本的な自動化から、資料/レポートの作成やワークフローの自動分岐などの高度な自動化まで、計14項目の選択肢を列挙して、RPAツール活用を拡大するためにはどのような場面/用途の訴求が有効か?を分析/提言している。
1-4. RPAツール活用における課題やニーズ
RPAツール活用における課題(計21項目)およびRPAツール活用における取り組みや方針(計20項目)を集計/分析している。
1-5. RPAツールの社数シェアと導入費用
計38項目に渡る具体的な製品/サービス名を列挙した上で導入済み/導入予定のRPAツール社数シェアを集計/分析、さらにRPAツールの導入費用の傾向についても明らかにしている。

第2部: ノーコード/ローコード開発ツール(NLDツール)
2-1. NLDツールの活用状況
「導入済み&拡大」「導入済み&維持」「導入済み&縮小」「導入あり&廃止」「導入予定」「導入無&予定無」「判断不可」といった詳細な選択肢を設けて、NLDツールの活用状況を2023年と2024年で比べた集計/分析を行っている。
2-2. NLDツールに対するユーザ企業の認識
そもそもユーザ企業はNLDツールをどのように認識しているのか(HP作成やモバイルサイトに特化したものもNLDツールに含めているのか?など)を確認している。
2-3. NLDツールを適用する場面や用途
新規の業務システム開発、レガシーマイグレーション、クラウドサービス間の連携、Excel代替など、計10項目の選択肢を列挙して、NLDツール活用を拡大するためにはどのような場面/用途の訴求が有効か?を分析/提言している。
2-4. NLDツール活用における課題やニーズ
NLDツール活用における課題(計20項目)およびNLDツール活用における取り組みや方針(計20項目)を集計/分析している。
2-5. NLDツールの社数シェアと導入費用
6カテゴリ計43項目に渡る具体的な製品/サービス名を列挙して導入済み/導入予定のNLDツール社数シェアを集計/分析、さらにNLDツールの導入費用の傾向についても明らかにしている。

【発刊日】 2025年4月21日(予定)
【価格】 225,000円(税別) RPAツールとNLDツールのどちらか一方のみの販売は行っておりません

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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
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Web: www.norkresearch.co.jp
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