2025年版 AIエージェント開発における業務シナリオ策定の実践レポート
調査設計/分析/執筆: 岩上由高
ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880 URL:www.norkresearch.co.jp)はベンダや販社/SIerがAIエージェントを開発する際の業務シナリオ策定を支援するセミカスタムレポートを発刊した。本リリースは「2025年版 AIエージェント開発における業務シナリオ策定の実践レポート」のサンプル/ダイジェストである。
<AIエージェント開発を円滑に進めるには調査データに基づいた業務シナリオ策定が有効>
■AIエージェントの業務シナリオは組み合わせが膨大であるため、試行錯誤では対応不可能
■まずはユーザの年商/業種を元に、起点とすべき生成AIの適用場面を把握することが大切
■適用場面の関係性を可視化した分析モデルを用いると、最適な業務シナリオを策定できる
■各々のAIエージェント業務シナリオに固有のユーザ課題&ニーズへの対処も準備しておく
■AIエージェントの業務シナリオは組み合わせが膨大であるため、試行錯誤では対応不可能
ユーザ企業の現場では「データを集める」その後に「メールで送る」など、業務の流れ(業務シナリオ、またはタスクフロー)をヒトが司っている場面が依然として多く、そこにミスや非効率性が内在している。それを解決する手段として注目を集めているのがAIエージェントだ。だが、「AIが自律的に業務シナリオを構築して実行する」という段階にはまだ至っておらず、実際は「生成AIを活用した具体的な業務シナリオをベンダや販社/SIer側が提示する」というアプローチがAIエージェントの現在地と言える。
とは言え、生成AIの適用場面は多岐に渡るため、複数の適用場面を組み合わせたAIエージェントの業務シナリオも膨大な数となる。 したがって、ベンダや販社/SIerが全てのケースに対応したAIエージェント開発を行うことは困難であり、また試行錯誤を繰り返すことも現実的ではない。
こうした状況を受けて、「2025年版 AIエージェント開発における業務シナリオ策定の実践レポート」ではセミカスタムレポートの形式を採用し、有効回答件数800社を対象とした生成AIに関する調査データを元に、下図のようにAIエージェントを訴求したいと考えるベンダや販社/SIerの要件に即した個別の分析/提言によって、最適なAIエージェントの業務シナリオ策定と留意すべきユーザの課題/ニーズの解説を提供している。
次頁以降では、年商50~100億円の小売業向けにAIエージェント活用を訴求しようと考えているSIer「A社」におけるレポート活用例を紹介していく。(以降では本リリースの元となる調査レポート(「2025年版 AIエージェント開発における業務シナリオ策定の実践レポート」)を「本調査レポート」と略記する)
■まずはユーザの年商/業種を元に、起点とすべき生成AIの適用場面を把握することが大切
AIエージェントの業務シナリオを作成するためには、まず起点となる生成AIの適用場面を的確に見極める必要がある。
本調査レポートでは有効回答件数800社(全年商帯/全業種)のユーザ企業に対して、生成AIを適用している/適用する予定の業務場面を以下の選択肢を列挙して尋ねている。
生成AIの適用場面(有効回答件数800のユーザ企業を対象に調査)
<<文書の作成/編集>>
・ メールなどの非定型文面の自動作成 例) 顧客のクレーム内容を踏まえて最適な返答文の下書きを自動作成する
・ 定型書類(届け出など)の自動作成 例) スマホに記録した計測データを元に現場作業の報告書を自動作成する
・ 文章/図版の混在資料の自動作成 例) 文章で与えた論旨と図版概要を反映したプレゼン資料を自動作成する
・ 文書内容の要約や複数文書の統合 例) 複数の従業員が出した日報を統合/要約して課の日報を自動作成する
・ 文書内容のチェックや校正 例) 契約書を自動でチェックし、自社に不利な条件がないかなどを確認する
・ 音声からの文字起こし 例) 会議の音声データを元に議事録のテキストを自動生成する
・ 文書内容の翻訳 例) 文書をある言語から他の言語に翻訳する
<<業務や学習の支援>>
・ 履歴データに基づく対応の判断 例) 過去の取引履歴を元に、個々の事案での値引き可否を自動で助言する
・ 問い合わせに対する自動応答 例) FAQページやヘルプデスクにおいて従業員や顧客への回答を自動化する
・ 従業員のセルフラーニング支援 例) 生成AIサービス利用を通じて従業員のスキル向上を図る(外国語学習など)
・ 熟練者が持つスキルの継承 例) 熟練者の作業手順をAIが学習することで暗黙知も含めた技能継承ができる
・ アイデアの創出や練り込み 例) 企画のアイデアについて生成AIサービスと対話することで更なる改善を図る
・ 自然言語による情報検索 例) 「引っ越し」などの平易な言葉で転居届などの社内申請文書を見つけられる
<<画像や音声の作成>>
・ 販促などに用いる文言の自動作成 例) 販促資料に掲載するキャッチコピーを生成AIサービスと対話しながら作成する
・ 資料などに含める画像の自動作成 例) 生成AIサービスに文章で概略を伝えて、カタログ内の画像を自動作成する
・ 広告などに用いる動画の自動作成 例) 生成AIサービスに文章で概略を伝えて、販促サイトの動画を自動作成する
・ 顧客対応などでの音声の自動作成 例) FAQやヘルプデスクの返答内容を元に、応答時の音声を自動作成する
リリースにおいて具体例として挙げているSIer「A社」が訴求したいと考える顧客層は「年商50~100億円の小売業」である。そこで、年商50~100億円のユーザ企業が生成AIを適用済み/適用予定の業務場面は何か?を分析した結果が左記のグラフだ。赤点線が示す通り、最も高い値を示している適用場面は「定型書類(届け出など)の自動作成」である。さらに、グラフは割愛するが、小売業における分析結果においても同じ適用場面の回答割合が最も高い。
したがって、A社の場合は「定型書類の自動作成」をAIエージェントにおける業務シナリオの起点とするのが最善策となる。
ただし、肝心なのは次に続く適用場面をどのように選び、一連の業務シナリオを構築していくか?である。この点について次頁で詳述していく。(「文書翻訳の生成AIサービスを訴求中」などのように、起点としたい適用場面が既に決まっている場合には、それを起点として次頁以降の分析を進めることも可能)
■適用場面の関係性を可視化した分析モデルを用いると、最適な業務シナリオを策定できる
前頁で列挙した生成AIの適用場面には「ある場面S1を適用したユーザ企業はS5も適用する傾向がある」などの関連性が見られる。それらを分析することで、起点となる適用場面から次に続きやすい適用場面を順に辿り、AIエージェントの業務シナリオを策定することができる。本調査レポートでは複数の事象間の関連性を可視化し、ある事象の発生が他の事象にどう影響するか?を推論(シミュレート)する手法としてベイジアンネットワーク分析を用いている。同手法を用いて、前頁に列挙した生成AIの適用場面間の関連性を可視化したものが下図である。
前頁に列挙された適用場面に対応するのが「I4_1」~「I4_17」の計17項目のノード(楕円)である。(赤いノードがA社での起点となっている「I4_2.定型書類(届け出など)の自動作成」)また、訴求したい顧客層の属性を指定するパラメータとしてA2(年商)とA3(業種)、生成AIの活用状況を詳細に指定する「I1. 生成AIの活用状況パラメータ」も設けられている。
さらに、I4_18~I4_20は実装方針パラメータとなっており、AIエージェントの実装レベル(広義 or 狭義)も指定できるようになっている。(広義/狭義のAIエージェントの違いなどについては右記を参照 (リンク ») )
A社の場合はA2に年商50~100億円、A3に小売業、I1は特に指定なし(詳細な活用状況には踏み込まない)、実装方針パラメータは「広義のAIエージェント」を設定している。(これらの設定は分析前の事前ヒアリングにて協議を行って決定)
隣接するノード同士は関連性が高いので、A社が起点とする「I4_2.定型書類の自動作成」に続く適用場面の候補は上図
で「I4_2」と隣接する以下の5つとなる。
I4_1.メールなどの非定型文面の自動作成
I4_3.文章/図版の混在資料の自動作成
I4_8.履歴データに基づく対応の判断
I4_9.問い合わせに対する自動応答
I4_13.自然言語による情報検索
次頁では上記5つの適用場面のうち、どれを選択すべきか?の分析について詳述する。
前頁で述べたように、ベイジアンネットワーク分析では「ある事象の発生が他の事象にどう影響するか?」をシミュレートできる。そこで、 起点となる「I4_2.定型書類の自動作成」が選ばれた時に通常の状態と比べて回答割合が最も高くなる隣接ノードを選べば、それが次に続く適用場面ということになる。実際に前頁に列挙した5つの隣接ノードの回答割合の増加幅を分析した結果が左記のグラフである。赤点線が示すように「I4_8.履歴データに基づく対応の判断」が最も高い値を示している。
つまり、A社によるAIエージェントの業務シナリオは「I4_2.定型書類の自動作成」を起点に「I4_8.履歴データに基づく対応の判断」へと展開する流れが最善となる。
同じように「I4_8」の次に続く適用場面は何か?を辿るという分析を続けていくと最終的に下図のような流れになる。
本調査レポートの分析/提言に際しては分析結果を解説するWeb会議での調査報告会も実施する。その際は上図の右上に記載されているように、分析によって得られたAIエージェントの業務シナリオをユーザ企業の業務視点で具体的に表現した説明も行う。
単に「高度な生成AI技術で差別化する」ことを考えると、起点となる「I4_2.定型書類の自動作成」から「I4_1.メールなどの非定型文面の自動作成」に直接辿る経路を選んでしまいやすい。一方、上記のようにユーザの実態を踏まえた分析を行えばIT企業とユーザ企業の双方にとって無理なく実現可能なAIエージェントの業務シナリオを策定することができる。
さらに、本調査レポートではAIエージェントの業務シナリオを訴求する上で留意すべきユーザ企業の課題やニーズについても分析/提言している。次頁ではその点について述べていく。
■各々のAIエージェント業務シナリオに固有のユーザ課題&ニーズへの対処も準備しておく
本調査レポートでは以下の項目を列挙して、生成AI適用においてユーザ企業が直面する課題は何か?も分析している。
生成AI適用における課題(有効回答件数800のユーザ企業を対象に調査)
<<生成AIサービスが出力する結果に関する課題>>
・誤情報や架空の結果が出力される
・構造化されたデータは活用が難しい
・複雑なPDF文書は活用が難しい
・入力が同じ でも出力が変わる
・著作権を侵害する恐れがある
・結果の精度が期待よりも低い
・日本語への対応が不十分
<<他システムとの連携に関する課題>>
・Web検索による出力補完が難しい
・社内データによる出力補完が難しい
・既存の業務ツールと連携できない
<<生成AIサービスへの入力指示に関する課題>>
・適切な入力指示を与えることが難しい
・自社データを学習に利用される
<<生成AIサービスの導入/運用に関する課題>>
・自社に適したAIモデルを選べない
・投資対効果を示すことが難しい
・従業員が積極的に利用しない
・AIモデルの変更/刷新の影響
<<生成AIサービスの価格に関する課題>>
・サービスの利用価格が高すぎる
・従量課金では費用算出が難しい
ここで、前頁で得られたAIエージェントの業務シナリオを実践した場合(5つの適用場面の全てを選んだ場合)の回答割合が通常時と比べて高くなる課題項目の上位5つを示したものが以下のグラフだ。これらの項目がA社が前頁で得られたAIエージェントの業務シナリオを訴求する上で留意すべきユーザ課題ということになる。
本調査レポートの調査報告会では上記の右側のように前頁で得られたAIエージェントの業務シナリオに沿った形で留意すべき課題項目の解説と対策案を提言している。また、ここでは割愛するが、生成AI活用におけるニーズに関しても同様の分析/提言を行っている。
このようにAIエージェント開発を着実に進めるためには、訴求対象となるユーザ企業の実態に基づいた業務シナリオの策定が重要な役割を果たす。次頁では本調査レポートの提供内容や価格などの詳細について述べている。
本リリースの元となる調査レポートのご案内
2025年版 AIエージェント開発における業務シナリオ策定の実践レポート(セミカスタムレポート)
本調査レポートは購入いただいたIT企業様毎に個別の分析/提言を提供するセミカスタムレポート形式を採用しています。データ分析の元となる調査データの概要は以下の通りです。
調査実施時期: 2025年5月
調査対象件数: 有効回答件数800社
調査対象属性:
年商区分
5億円未満(241社) / 5億円以上~50億円未満(222社) / 50億円以上~100億円未満(127社) /100億円以上~300億円未満(85社) / 300億円以上~500億円未満(65社) / 500億円以上(60社)
業種区分
組立製造業(114社) / 加工製造業(106社) / 建設業(101社) / 卸売業(101社) / 小売業(74社) /運輸業(76社) / IT関連サービス業(103社) / 一般サービス業(125社)
調査レポートの提供内容
ステップ1: 事前ヒアリング
調査レポートを購入いただいたIT企業様とのWeb会議を開催し、訴求対象としたいユーザ企業の年商や業種、AIエージェントの業務シナリオで起点としたい適用場面(特に要望がない場合はノークリサーチから最も有望な起点を提示)などについてヒアリングを行う。
ステップ2: ノークリサーチによる個別の分析/提言
事前ヒアリングの結果を元にノークリサーチにて以下の3つの観点での個別の分析/提言を行い、調査報告書を作成する。
・最も有望なAIエージェントの業務シナリオに関する分析と提言 例) 本リリースの2~4ページ
・AIエージェント訴求において留意すべきユーザの課題/ニーズ 例) 本リリースの5ページ
ステップ3: Web会議による調査報告会の実施
調査報告書の内容を解説し、Q&Aに応じるWeb会議(60分、1回)を実施する。
価格/納期など
納品物: 調査報告書(Microsoft Powerpoint形式、5~10スライド)
上記のステップ2に関する分析と提言を記載したもの
納期: ご発注日から10営業日(2週間)(発注とほぼ同時にステップ1を実施したと想定した場合の日数)(納期は調査報告書の納品日を指し、調査報告会は納品後に日程調整の上で実施します)
価格: 48万円(税別)
発刊日: 2025年8月4日
ご好評いただいている既存の調査レポート
『2025年版 DX&AIソリューションの導入パターン類型化と訴求策の提言レポート』
【レポートの概要と案内】 (リンク »)
【リリース(ダイジェスト)】
業種別の導入実態と課題に基づく「失敗しないDX提案」
(リンク »)
IoTやロボットを活用したDXは「無理のない足元からの取り組み」が有効
(リンク »)
ユーザ企業の生成AI活用状況と生成AIサービスの導入社数シェア
(リンク »)
企業における生成AIサービス活用の市場規模と有望な適用場面
(リンク »)
生成AIサービスが解決すべき課題と重要度の高いニーズ傾向
(リンク »)
導入パターン類型が示すユーザ企業毎の最適なDX提案
(リンク »)
ユーザの「無自覚課題」を顕在化する営業シナリオの作成方法
(リンク »)
本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
引用・転載のポリシー: (リンク »)
当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

