2025年 中堅・中小向けERP市場の導入シェアと注目すべきニーズ動向

ノークリサーチは中堅・中小企業向けのERP市場における最新の導入社数シェアと今後注目すべきニーズ動向を調査した結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2025-10-06 12:30

<中堅・中小向けの国産ERPは大企業向けや外資系ベンダのERPとは異なる方向へ進化> ■ERPシェア上位10位以内の増減予想では国産ベンダがプラス、外資系ベンダがマイナス ■小規模企業ではSaaS形態の割合が今後減少、「クラウドERP≠SaaS」という視点が大切 ■「Fit to Company Standard」と「Fit to Product Standard」の選択基準は年商規模ではない
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2025年10月6日

2025年 中堅・中小向けERP市場の導入シェアと注目すべきニーズ動向

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業向けのERP市場における最新の導入社数シェアと今後注目すべきニーズ動向を調査した結果を発表した。 本リリースは「2025年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」のERP分野に関するサンプル/ダイジェストである。


<中堅・中小向けの国産ERPは大企業向けや外資系ベンダのERPとは異なる方向へ進化>
■ERPシェア上位10位以内の増減予想では国産ベンダがプラス、外資系ベンダがマイナス
■小規模企業ではSaaS形態の割合が今後減少、「クラウドERP≠SaaS」という視点が大切
■「Fit to Company Standard」と「Fit to Product Standard」の選択基準は年商規模ではない


調査時期: 2025年7月~8月
対象企業: 日本全国、全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(有効回答件数、1社1レコード)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決裁の権限を有する職責
詳細については右記の調査レポート案内を参照: (リンク »)


■ERPシェア上位10位以内の増減予想では国産ベンダがプラス、外資系ベンダがマイナス
以下のグラフは中堅・中小企業(年商500億円未満)におけるERP製品/サービスの導入済み社数シェア(最も主要なものを1つ選ぶ単一回答設問)の上位10位を集計した結果である。(本リリースの元となる調査レポートには導入済みと導入予定の双方の社数シェアを年商、業種、所在地などの様々な企業属性別に集計したデータが収録されている)
右側の数表は上位10製品/サービスのシェア増減予想(導入予定と導入済みの社数シェア差)である。+1.0超の増加は青字、-1.0超の減少は赤字で示している。上位10位以内の傾向を見ると、国産ベンダは増加/横ばい/微減、外資系ベンダは減少となっていることがわかる。大企業のDX推進においてはERPがレガシー資産と見なされることもあるが、国産の中堅・中小向けERPは後発であるが故に比較的モダンな設計/構成であるものも少なくない。 その結果、国産ERPは中堅・中小企業のためのDX/AI時代に向けた業務基盤として期待されている面があると捉えることができる。その際に注目すべき重要なニーズ動向が
・クラウドERP
・Fit to Company StandardとFit to Product Standard
・ワークフローとの関連
の3つである。次頁以降ではこれらについて順に述べていく。


■小規模企業ではSaaS形態の割合が今後減少、「クラウドERP≠SaaS」という視点が大切
前頁で述べた今後注目すべき3つのニーズ動向のうち、まずは「クラウドERP」について見ていくことにする。以下のグラフは年商5億円未満(小規模企業層)と年商50~100億円(中堅下位企業層)の2つの年商帯で、導入済み/導入予定(新規予定)のERPの運用形態としてSaaSを選択した割合を比較したものだ。
SaaS形態を採用したクラウドERPは一般的に規模の小さな企業に適しているとされている。実際に、クラウドERPを主力とするベンダは小規模企業向けのSaaSで実績を積んでいるケースが多い。だが、上記のグラフを見ると導入済みと比べた導入予定におけるSaaS形態の割合は逆に小規模企業層で減少、中堅下位企業層で増加となっている。つまり、クラウドERPを訴求するためには、小規模企業層にSaaS形態のERPを提案するだけでは十分とは言えない。そこで 本リリースとなる調査レポートでは以下に列挙した様々なニーズ項目を集計/分析し、ユーザ企業が求める「クラウドERP」とは何か?を明らかにしている。
P1-6C. ERP製品/サービスが今後持つべきと考える機能や特徴
<<個別要件への対応に関する項目>>
・ERPの機能を自社の要件に合わせて変更できる
・ERPの機能に合わせて自社の業務を改善できる
・業務に必要なデータをERP内で統合管理できる
・業種別のラインアップ/テンプレートが豊富である
<<AIによる経営支援や業務改善に関する項目>>
・複数システムからデータを自動で収集/要約できる
・業務の連携における問題点をAIが指摘してくれる
・市場動向や顧客ニーズをAIが精緻に予測できる
・ERPのデータを元にAIが経営判断を支援できる
・複数の業務をAIが自動で連結して実行できる
<<AIによる利便性や安全性に関する項目>>
・AIが不正な操作や人的ミスを自動検知できる
・AIチャットでシステムを対話的に利用できる
・セキュリティ上危険な操作をAIが検知できる
・AI人材を育成するeラーニングを利用できる
<<システム連携に関する項目>>
・外部システムとデータを連携する機能がある
・業務フローを管理するワークフロー機能がある
・スケジューラやWeb会議サービスを連携できる
・SaaSの組み合わせでERPを構築できる
<<システム形態に関する項目>>
・ノーコード開発ツールが包含されている
・ローコード開発ツールが包含されている
・AIエージェントが包含されている
・RPAツールが包含されている
・ブラウザのみで全ての機能を利用できる
・パッケージとSaaSを選択/併用できる
<<その他>>
・その他:
・欲しいと考える機能や特徴は全くない(排他)
上記のニーズ項目一覧内で赤字で示したように、ユーザ企業が考えるクラウドERPが「SaaSの組み合わせでERPを構築できる」を目指したものなのか、それとも「パッケージとSaaSを選択/併用できる」が理想なのか?によって、SaaS形態のERPをどのように位置付けるか?(全てをSaaSで実装すべきか?2層ERPにおけるクラウド側のような位置付けとすべきか?)などが決まってくる。
調査レポートでは小規模企業層と中堅下位企業層のニーズ傾向を分析し、上記のグラフが示すSaaS形態割合の増減との関連を明らかにした上で、ERPを開発/販売するベンダや販社/SIerが採るべき施策について提言している。


■「Fit to Company Standard」と「Fit to Product Standard」の選択基準は年商規模ではない
続いて、今後注目すべきニーズ動向の2点目について触れる。昨今では、以下の2つの用語を見かける機会が増えてきた。
Fit to Company Standard: 業務システムをユーザ企業の要件に合わせることを重視する考え方。前頁に列挙したニーズ項目では、青字で示した以下の選択肢が該当する
「ERPの機能を自社の要件に合わせて変更できる」
Fit to Product Standard: ユーザ企業の要件を業務システムに合わせることを重視する考え方。前頁に列挙したニーズ項目では、青字で示した以下の選択肢が該当する
「ERPの機能に合わせて自社の業務を改善できる」(※)
今後、どちらの考え方がより多く受け入れられていくか?はERP製品/サービスの開発を進める上で非常に重要だ。「年商規模が大きくなると、個別要件も増えるのでFit to Company Standardになりやすい」と捉えることもできるが、「年商規模が大きくなると、業務やIT管理/運用の統制も効くのでFit to Product Standardが実現しやすい」という見方もある。そこで、導入済みのERPのニーズ項目として※を回答したユーザ企業の割合を年商別に集計したものが以下のグラフだ。
上記のグラフが示すように、Fit to Product Standardのニーズ傾向と年商規模の間には明確な相関は見られない。グラフは割愛するが、これはFit to Company Standardについても同様だ。さらに、業種、従業員数、所在地といった企業属性との間にも明確な関連性は見られない。つまり、Fit to Company StandardとFit to Product Standardのどちらを適用すべきか?を年商規模などで判断することは難しいということになる。
だが、ユーザ企業におけるERP導入実態を様々な視点から分析してみると、「Fit to Company Standardを提案/推進すべき箇所または場面」と「 Fit to Product Standardを提案/推進すべき箇所または場面」がそれぞれ見えてくる。本リリースの元となる調査レポートでは、その点に関する詳細な分析を述べた上で、ERPを開発/販売するベンダや販社/SIerが「Fit to Company/Product Standard」の施策を成功させるためのポイントを提言している。
さらに、今後注目すべきニーズ動向の3点目となる「ワークフローとの関連」は実はAI活用と深く関連している。前頁に列挙した「ERP製品/サービスが今後持つべきと考える機能や特徴」にAI関連の項目が多数含まれていることから分かるように、AI活用は中堅・中小向けERPにおいても今後の重要な差別化ポイントとなる。こうしたERP、AI活用、ワークフローの3者の関係性から導かれる3点目の重要なニーズ動向については、また別の機会に詳述する。
次頁では本リリースの元となる調査レポートの分析対象となっているERP製品/サービスの一覧、次々頁では調査レポートの詳細について記載している。


補記:社数シェア集計/分析の対象となっているERP製品/サービスの一覧

本調査において選択肢に記載したERP製品/サービスの一覧は以下の通りである。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況などを踏まえた上で選定される。自由回答の中で多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった方針で年毎に調整を行っている。製品/サービス毎の評価や導入費用の集計/分析はサンプル件数が一定以上の条件(件数が少ない場合は参考値扱いとなるケースもある)を満たした(※)のみが対象となる。

<<主要なパッケージ(クラウドを選択できる場合も含む)>>
SAP ERP:SAPジャパン ※
SAP Business One:SAPジャパン ※
SMILEシリーズ(V/BS/Air):OSK(大塚商会) ※
GLOVIA smart / iZ / SUMMIT:富士通 ※
EXPLANNER/Z:NEC ※
OBIC7:オービック ※
奉行 V ERP:OBC ※
GRANDIT:インフォコム(GRANDIT)※
スーパーカクテルシリーズ:内田洋行
MJSLINK/Galileopt(NX-Plus/DXを含む):ミロク情報サービス ※
Microsoft Dynamics 365(Business Centralを含む):日本マイクロソフト ※
Future Stage(GEMPLANET):日立製作所 ※
MA-EYES(MA-EYESncを含む):ビーブレイクシステムズ ※
InfiniOne ERP:FutureOne(フューチャーアーキテクト)
Plaza-i/Plaza-s:ビジネス・アソシエイツ
EAST2:キューキエンジニアリング
DS-mart ERP:電算システム
Exact Globe:Exact
大臣エンタープライズ(大臣 ERPは除く):応研
アラジンオフィス:アイル
SAP S/4 HANA:SAPジャパン ※
E-Business Suite/PeopleSoft/JD Edwards:日本オラクル ※
ビズインテグラル(SCAWを含む):NTTデータ・ビズインテグラル ※
Inforシリーズ:インフォアジャパン
IFS Cloud(IFS Applications):IFSジャパン
HUEシリーズ:ワークスアプリケーションズ
ProActive(Proactive C4を含む):SCSK
SuperStream-NX:キヤノンITソリューションズ(スーパーストリーム) ※
ROSS ERP:アプティアン・ジャパン
mcframeシリーズ:ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)
<<クラウドERP(SaaSとして提供されているもの)>>
SAP Business ByDesign:SAPジャパン ※
GROW with SAP:SAPジャパン
GRANDIT miraimil:インフォコム(GRANDIT)
Oracle Fusion Cloud ERP:日本オラクル ※
NetSuite:日本オラクル
Workday:ワークデイ
GLASIAOUS(グラシアス):ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)
SmileWorks:スマイルワークス
Clovernet ERPクラウド:NECネクサソリューションズ ※
ZAC/Reforma PSA:オロ
マネーフォワード クラウドERP:マネーフォワード ※
クラウドERP freee:フリー ※
multibook:マルチブック
GEN(ジェン):GEN(ジェン)
ツバイソERP(RobotERPツバイソ):ツバイソ
キャムマックス:キャム
SystemEver:Everジャパン
AirAdmin8:AirAdmin8
<<その他(オープンソース提供を含む場合など)>>
Compiere系ERP(iDempiere/ADempiere/OpenBravo/JPiereなど):製品毎に開発元は異なる ※
Odoo:Odoo
その他の製品/サービス:
独自開発システム


本リリースの元となる調査レポート

『2025年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
【調査時期】 2025年7月~8月
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社、1社1レコード)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他:
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)、「職責」(2区分)
【対象分野】
P1. ERP
P2. 生産管理
P3. 会計管理
P4. 販売・仕入・在庫管理
P5. 給与・人事・勤怠・就業管理
P6. ワークフロー・ビジネスプロセス管理
P7. コラボレーション(グループウェア/Web会議/ビジネスチャット/プロジェクト管理/タスク管理)
P8. CRM(SFA、メール配信/共有、MA、名刺管理)
P9. BI (ビジネスインテリジェンス、帳票)
P10. 文書管理・オンラインストレージサービス
【設問構成】
有効回答件数1300社の中堅・中小企業に対して、まず最初に上記に列挙した10分野の業務アプリケーションのうちで 導入済み/導入予定の分野を尋ねる。その後、「導入済み/導入予定」と回答した分野について、製品/サービス名称を列挙した社数シェア、運用形態、端末形態、導入年、導入費用、課題とニーズ(分野によって選択肢は異なる)など、計30問(数値回答設問は除く)の結果を集計/分析している。また、上記の10分野とは別に、業務アプリケーションの導入/更新に関する全般的な方針についても尋ねている。
【集計データ】
10分野のそれぞれについて、計32問に渡る設問を年商/業種/地域といった計7区分の属性別に集計したMicrosoft Excel形式の集計データが収録されている。数値回答設問を除いたシート数は10分野 × 30設問 × 7属性 = 2100に達し、これに設問同士を掛け合わせた幾つかのシート(質問間クロス集計データ)ならびに数値回答設問(導入費用など)の結果を収録したシート(数値回答設問集計データ)が加わる。
【分析サマリ】
10分野のそれぞれについて、以下の章構成からなる分析サマリ(PDF形式、 15~30ページ)が収録されている。
第0章:主要集計データと固有集計データについて
第1章:製品/サービスの導入状況とシェア動向
第2章:導入アプリ数と導入費用
第3章:製品/サービスの評価、課題、ニーズ
第4章:各分野に固有の傾向や動向
付表:選択肢として記載した製品/サービス一覧
【発刊日】 2025年10月17日 【価格】 225,000円(税別) 特定分野のみの個別販売は行っておりません
更に詳細な調査レポート案内(サンプル属性、設問項目一覧、集計データ例、試読版など)を以下にてご覧いただけます
調査レポート案内: (リンク »)

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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
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Web: www.norkresearch.co.jp
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