サン、ハードウェアもオープンソースに--Sparcチップの仕様を公開

文:Stephen Shankland(CNET News.com)
編集校正:坂和敏(編集部) 2006年02月15日 12時29分

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 サンフランシスコ発--Sun Microsystemsは米国時間14日、自社システムへのLinuxやBSD UNIXの移植を容易にするための取り組みとして、約束通りUltraSparcチップの詳細を明らかにした。

 さらに、同社社長のJonathan Schwartzは、Sunがチップの設計自体をGeneral Public License(GPL)でリリースすることも発表した。

 Schwartzは当地で開催中の「Open Source Business Conference」で講演し、「オープンソースはソフトウェアだけに適用されるものではない。自由はソフトウェアのためだけにあるものではない。オープンソースはハードウェアにも適用されるようになり、またわれわれがその動きを牽引していく」と語った。

 IDCのアナリストJean Bozmanは、Sparc技術の公開には非常に重要な意味があると語り、「これを活用できる思わぬ人材が中国やインドにいるかもしれない」とした。

 Sunは、同カンファレンスに合わせてUltraSparcの仕様(「UltraSparc Architecture 2005」)を公開した。これらの仕様は、Sunだけでなく、社外の人々にとっても有用なものになるとみられている。OSとSparcがデータのやりとりに使用しているインターフェースはこれまで変更が繰り返されてきたが、今回公表された仕様は、このインターフェースの安定化を意図したものだからだ。

 SunのDavid Yen(Sparcサーバグループ担当エグゼクティブバイスプレジデント)によると、同社は「UltraSparc Architecture 2005」を公開し、Sparcシステム上で各種のオープンソースOSを動かすことを容易にすることや、とくに同システム上で複数のOSを同時に稼働させることを可能にしたいと考えているという。競合他社のプロセッサではすでにこうした機能が実装されている。

 Sunは、自社サーバ製品、なかでも新しいUltraSparc T1プロセッサを搭載するサーバの魅力を高め、すでにハイエンドサーバでLinuxをサポートするIBMやHewlett-Packard(HP)に新たに挑戦するための試みとして、他社製OSの支持を取り付けようとしている。

 「LinuxやBSDをUltraSparc T1プロセッサに移植すれば、Sparc市場が大幅に拡大するだろう」と、Schwartzは声明のなかで述べている。

 しかし、Sparc版Linuxマシン用にソフトウェアを開発するのはかなり難しい作業になると、複数のアナリストが指摘している。

 Linuxはすでに多くのSparcシステム上で動作しているが、ただし商用システムには少ない。Sunによると、独立系の「Sparc Linux」プロジェクトを管理しているDavid Millerが、Linux OSをUltraSparc T1に対応させる作業に取り組んでいるという。

 ただし、Red Hatは2月初め、Sparcシステムを新たにサポートする計画はないことを明らかにしていた。

 技術を無償で提供すればその技術の幅広い普及につながると、Schwartzは述べた。同氏は、あるミーティングのなかで複数の企業のCIOと話をしたことに触れたが、それによるとSunの提供するオープンソース版Solarisに関心を示したCIOは1人もいなかったという。ただし、同氏はこの動きでCIOの注意をひこうとしているのではないと説明した。

 ほぼ半数のCIOが、自社のデータセンターでLinuxを採用していると述べたが、しかし自分でLinuxを選んだのは半数に過ぎないという。「私が狙っているのは、あなた方(CIO)ではなく、あなた方の会社で働く開発者だ。彼らが無償の製品に移行するケースが増えつつあるが、これは無償なら購買部門を通さずに製品を入手できるからだ」と、SchwartzはCIOらに語ったと述べた。

 チップのオープンソース化

 Sunは「UltraSparc T1」チップをオープンソース化しようとしている。これにより、チップ関連のエンジニアリング標準「Register Transfer Libarary (RTL)」で記述されたチップの論理記述をだれでも閲覧/変更可能になる。

 同チップのRTLにGPLバージョン2を適用するのは、とくに驚くべきことではない。Schwartzは1月に自身のブログで、オープンソースのUltraSparc T1プロジェクトに採用するライセンスの候補として、GPLを筆頭に挙げていた。

 2005年の同カンファレンスでは、Schwartz自身がGPLを批判する発言を行っていたが、Sunは他のプロジェクトに同ライセンスを採用したほか、他のGPLを採用するソフトウェアプロジェクトへのコード提供も行っている。「GPLコミュニティとわれわれは愛憎関係にある」(Schwartz)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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