ガートナージャパンは4月13日、最高情報責任者(CIO)を対象とする「エグゼクティブ・プログラム(EXP)」において実施した、2006年における課題についてのEXP CIOサーベイの調査結果を発表した。
ガートナーのEXPでは毎年、3500人に上るCIOメンバーを中心に、CIOが抱える次年度の課題を調査している。2005年10月から11月に実施れた今回の調査では、2006年のCIOの課題について全世界で約1400人、日本ではEXPのメンバーを含む29社のCIOから回答を得た。
調査によれば、2006年にCIOがビジネス面で重視する項目は、次のような順位になった。
日本におけるCIOの回答をグローバルな回答と比較すると、次のような特徴が見られる。
- ITコストの削減に関する項目の優先順位は、グローバルも日本も共通して下がっており、先進企業のCIOは、コスト削減から企業成長への貢献にギアを切り替えている。
- 日本のCIOは、内部統制やセキュリティの優先順位を高くしているが、グローバルな企業はすでにこの段階を卒業しているため、これらの優先順位は下がっている。
- グローバルでは、2005年からビジネスプロセスの改善が第1位となっているが、日本のCIOでは第7位にとどまっている。これは今後、社内のビジネスプロセスの可視化において、大きな格差につながる可能性がある。
ガートナージャパンは、以上の分析から、今後の日本のCIOが取るべき施策として、以下の3項目を提言している。
- 今後の実施プロジェクトの選択など、IT資源の投入においては、企業成長への貢献のウエイトを高く評価し、貢献度の高いプロジェクトを優先的に実施できる仕組みを確立する。
- 社内のビジネスプロセス、特にこれまで手が付けられていなかったホワイトカラーのビジネスプロセスに着目し、その合理化に着手する。
- 内部統制やセキュリティについては、社内体制の整備および必要なツールの導入等を迅速に完了して、グローバル企業がすでに実現しているように、これらを定常的な運用の一部に組み込む。