市場調査会社Gartnerによれば、2006年は技術に遅れず付いていくことが企業IT戦略の中核となり、新たなコンソールやヘッドセット型ディスプレイなどに予算が割かれるという。
Gartnerは、経理部門との連携といった通常の提言とともに、2006年にIT管理者が取り組まねばならない10の項目を発表した。また同社は、ゲーム機などの新技術を開拓することも推奨している。
Gartnerが米国時間8日に発表した「CIO Resolutions for 2006」では、IT管理者が今後1年間の戦略を立てるのに有用なガイドラインが10項目にわたって示されている。同社は、技術革新の波がやってくるにもかかわらず景気の見通しは立たないことから、2006年は「矛盾をはらんだ年」になると述べている。
GartnerのリサーチフェローMark Raskinoは、「2006年、企業とそのIT部門は2つの相反する力の板挟みになる。市場に新技術が浸透し始める中、予測不可能な経済概況および景況感の低下が、技術革新の興隆と一体化するのだ」と話す。「こうした複雑かつ不安定な時期を乗り切るためには、IT部門のリーダーが、前に進むことを意識しながらも新技術の検討に時間を費やして、組織を牽引していかねばならない」(Raskino)
GartnerのCIO Resolutions for 2006に含まれる10項目は、次の通りだ。
- 第2のインターネット革命について、(他社に先駆けて)自社内の啓発を図る
- 「移行禁止」の指示をあらかじめ設定しておく
- 大幅な技術革新に対応する時期を2008年に見据える
- 次の仕事に対して、自分とチームの準備を整える
- 「サービスとしてのソフトウェア(software as a service)」を試験的に導入し、その利用訓練を行う
- 企業の合併および買収能力を組織立てる
- CFO(最高財務責任者)とともに、収益体系を見直す
- 自分のチームとブランドを確立する
- CEOとの会議の進め方を刷新する
- 10.2006年に「旬」となるテクノロジーを確認しておく
Gartnerの提言の中で目新しかったのは、これまでビジネスとは無関係だと考えていたテクノロジーを新規に開拓して、技術的な視野を広げるようIT管理者に勧めている点だ。2006年には、以下の最新技術のうち少なくとも3つを試しに利用してみるべきだと、Gartnerは述べている。
- 「Writely.com」や「Num Sum」といった、ウェブベースのマイクロアプリケーション
- 「Flickr」
- 「Nintendo Revolution」および「Xbox 360」などの次世代ゲーム機
- 頭部に装着するタイプのディスプレイ
- 「Google Earth」
- コンシューマ向け技術であるポッドキャスティングなど(社内コミュニケーションの手段として試用する)
Gartnerのリサーチ部門責任者John Mahoneyは、「こうしたソリューションを活用して、自分と自社の向上を図れなければ、2007年に冷や汗をかくことになるだろう」と指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ