日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2月20日、同社のソフトウェア事業を強化することを発表した。この発表は、2007年2月1日付けでマーキュリー・インタラクティブ・ジャパンを日本HPのソフトウェア統括本部に統合したことに基づくもの。米国では2006年11月に、両社の統合が完了している。
この発表に伴い日本HPでは、マーキュリーのアプリケーション品質、性能管理ソフトウェア製品群およびIT/SOA統制ソフトウェア技術と、日本HPの運用管理ソフトウェア製品群「HP OpenView」を統合し、新たなソフトウェア製品ブランド「HP Software」として再編成した。
HP Softwareは、ビジネスの視点でITを最適化する統合ITマネジメント戦略「Business Technology Optimization(BTO:ビジネステクノロジの最適化)」に基づき実現されている。BTOは、企業や組織が、これまで個別最適化していたIT環境を、ビジネスの視点で最適化する新戦略。横断的なIT管理環境とITシステムの戦略立案、構築から運用、廃棄まで、「IT戦略」「IT開発」「IT運用」の3つの領域を包括的に管理するためのライフサイクル管理が定義されている。
BTOを実現するためにHP Softwareでは、9つの管理ソリューションが提供される。HP Software製品群の構成は、次のとおり。
●IT戦略
・HP Project and Portfolio Management Center:デマンド/ポートフォリオ管理 (*)
・HP SOA Center:SOAトランスフォーメーション (*)
●IT開発
・HP Performance Center:品質保証
・HP Quality Center:パフォーマンス検証
●IT運用
・HP Business Availability Center:ビジネスサービス管理
・HP Service Management Center:ITIL/ITサービス管理(ITILプロセス支援、資産管理)
・HP Change and Configuration Center:ITIL/ITサービス管理(変更・構成管理) (*)
・HP Operations Center:統合オペレーション(システム・アプリケーション管理)
・HP Network Management Center:統合オペレーション(ネットワーク管理)
(*)は、日本未発売。2007年中にリリース予定。
各製品群は、製品の連携環境や共通の管理環境(ダッシュボード)、共通化されたデータベースを提供。モジュラー化された各HP Software製品群や標準化/オープン化された他社製品など、必要な機能を連携することで、企業システムに最適化されたシステム運用管理環境を実現できる。
日本HPのソフトウェア統括本部 ソフトウェアマーケティング部 部長、河口雄一郎氏は、「マーキュリーのアプリケーション品質管理ソフトウェアとIT/SOAガバナンスソフトウェアを、日本HPの運用管理ソフトウェアであるHP OpenViewと組み合わせることでシステムの開発から運用管理まで、すべての領域でコンプライアンスを強化できる」と話す。
また同社の代表取締役社長執行役員である小田晋吾氏は、「日本HPとマーキュリーの統合によるシナジー効果により、ITがビジネスにもたらす価値を最大化できる。市場成長率の3倍(年間20〜30%成長)の勢いでソフトウェア事業を拡大していきたい」とソフトウェア事業強化の意気込みを話している。