北京発--Intelは、次世代のコンシューマエレクトロニクス機器とテレコミュニケーションサーバの動力となることが期待されている新しいチップの開発に取り組んでいる。
Intel支持層が集まる北京のIntel Developer Forum(IDF)で、Intel幹部が現地時間4月17日朝、新チップの計画について発表する見込みだ。このチップは、x86命令セットアーキテクチャ採用の「システムオンチップ」と呼ばれる製品である。システムオンチップとは、多数の主要コンポーネントをプロセッサ上に直接配置する設計である。
このコンシューマエレクトロニクス用チップは、セットトップボックスやテレビなどの機器での使用を目的としている。Intelはすでにこの分野向けのチップを製造しているが、今までの製品は基本的にノートPC向けプロセッサをスケールダウンしたものになっていた。2008年に発表予定の新チップは、コンシューマエレクトロニクス分野に特化した設計になると見られている。
Intelはまた、コンシューマエレクトロニクス向けアプリケーションに、ハンドヘルド向けの「XScale」チップ(現在はMarvellが所有)を利用している。しかし、同社はこの分野にx86チップを投入することで成功が見込めると考えている。ライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)は、「x86 Everywhere」と呼ばれる同様の戦略に数年取り組んできたが、世界中で膨大な量のPCを動かしているx86命令セットは、今のところコンシューマエレクトロニクス分野で同様の成功を収めるには至っていない。
しかし、x86命令セットには膨大な対応ソフトウェアがある。Intelには、新プロセッサをコンシューマエレクトロニクスやテレコミュニケーション分野に「Tolapai」を導入するための足場作りに役立てようという考えがあるようだ。Tolapaiは、通信デバイスを念頭に置いたプロセッサを、主にキャリアレベルで開発するプロジェクトである。
どちらの戦略にも、従来のプロセッサ設計の取り込み、プロセッサと外部ストレージを接続するI/Oコントローラの統合、特定アプリケーション向けの専用ハードウェアの追加などが盛り込まれている。たとえば、コンシューマエレクトロニクス用チップはビデオアクセラレーション用ハードウェアなどを備える予定である。
2007年内の発表が予定されている次期プロセッサ「Penryn」に関しても、Intel幹部による発表が計画されている。基調講演に先立って配布されたプログラムによると、さらに、4プロセッサ以上のサーバ向けに、新しい4コアとデュアルコアのサーバ用プロセッサに関する計画も発表されることが予定されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ