Intelに続いて、今度はIBMがソリッドステートドライブ(SSD)に乗り気になっている。IBMは、フラッシュメモリベースのストレージに進出し、エンタープライズ向けの4テラバイト高速SSDアレイをテストすると発表した。
何年もの間、初めて大量に出回ったSSDであるフラッシュメモリカードの用途は、デジタルカメラや「iPod」などのミュージックプレーヤーに限られていた。しかし、SSDは、小型のネットブックからエンタープライズ向けの大容量ストレージアレイまで、用途が広がるにつれて、記憶容量、速度、可用性の面で技術的に本格化しつつある。
IBMが参入するのは、エンタープライズ向け高性能ストレージだ。IBMによれば、イギリスにあるIBMハースリー研究所、カリフォルニア州にあるアルマデン研究所のエンジニア、研究者は、世界最速のディスクストレージソリューションの250%以上の性能を実証した。
「Project Quicksilver」の説明書きによれば、IBMはSSDを同社のストレージ仮想化テクノロジに組み合わせた。IBMは、4.1テラバイトのSSDストレージラックで応答時間1ミリ秒未満、100万IOPS(1秒間に実行可能な入出力処理数)の持続速度でデータを転送したと述べた。
一方、Intelは、1台のランダム読み取り速度が3万5000IOPS、ランダム書き込み速度が3300IOPSのSSD(「X25-E Extreme」)を商用に出荷している。Intelによれば、120台のSSDを使った3.8テラバイトストレージアレイの速度は420万IOPSだという。
IOPSは、クレジットカード情報を処理したり予約システムを運営したりする大企業にとって、非常に重要なベンチマークだ。
IBMは声明の中で、「IBMは、ソリッドステートテクノロジが企業、個人の情報の管理、アクセスのあり方を変える影響を及ぼす可能性があることを世界で初めて実証した」と述べた。
業界最速のハードディスクドライブシステムと比較して、Quicksilverは性能を250%向上させただけでなく、この性能向上を20分の1以下の応答時間、5分の1の設置面積、55%の電力、冷却要件で実現したと、IBMは述べた。
「このような大幅な性能の向上は、一定時間で標準的な作業を2〜3倍こなすことができるため、企業にとって大きな意味を持つだろう」
IBMが初めてSSDを実装したのは、2007年6月の「IBM BladeCenter」サーバだった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ