Blue Coat Systemsは6月18日、今後の事業について説明会を開催した。その中でBlue Coat Systems ワールドワイドセールス担当シニアバイスプレジデントのKevin Biggs氏は、アプリケーションデリバリネットワーク(ADN)の重要性を訴えた。
「パケット配信用のネットワークは、データ内容もアプリケーションも判別することがない。そのためBlue Coatでは、新しいインフラのレイヤが必要だと考えている。それがアプリケーションデリバリネットワークだ。ADNによって、アプリケーションの配信を管理し、ネットワーク体験のレベルが確保できる」(Biggs氏)
Biggs氏によると、ADNには3つの要素があるという。それは、可視化、加速化、セキュリティだ。まずネットワークにどのようなアプリケーションが流れているのかを可視化することで、アプリケーションの重要度に応じた提供速度の優先順位がつけられる。そうすれば、優先度の高いアプリケーションから加速化できるというわけだ。また、ユーザーごとにアクセスが可能かどうか判断し、悪意のあるユーザーをシャットダウンするセキュリティ機能も重要な要素となる。
「これらADNに必要なテクノロジを包括的なソリューションと提供できるのがBlue Coatだ」とBiggs氏。ADNの概念そのものは新しくはないが、「これまで多くのベンダーが重要性を訴えてきたADNを、Blue Coatでは具体的なソリューションとして提供できるようになった。ネットワークトラフィックの加速化ソリューションを提供していベンダーはいるが、アプリケーションに焦点を置き、可視化機能やセキュリティ機能も持った包括的なソリューションを提供できるのはBlue Coatだけだ」とBiggs氏は説明する。
Biggs氏は「Blue Coatでは、業務系アプリケーションをいかに加速化するかが大切だと考えている」と話す。つまり、企業のネットワークトラフィックの中には、YouTubeのような外部のエンターテインメント系アプリケーションへのアクセスも業務アプリケーションへのアクセスも存在するが、企業側としては業務アプリケーションへのアクセスをより高速化させたいと考えるものだ。Biggs氏は、「業務アプリケーションにフォーカスして高速化させるのがわれわれの強みだ」と語る。
なお、Blue Coat Systemsは、2008年6月にPacketeerを買収している。今後Blue Coatの従来製品とPacketeerのネットワーク可視化製品『PacketShaper』が統合されるかどうかについてBiggs氏は、「PacketShaperの既存顧客の中には、そのまま同製品を使い続けたいという顧客も存在し、そういう顧客のためにはPacketShaperの機能強化を続ける。同時に、PacketShaperの持つ機能を使いたい新規顧客もいるため、その機能をBlue Coat製品に統合することも考えている」と述べた。