Sprint Nextelは米国時間7月28日、Virgin Mobile USAを1株あたり5.50ドルで買収すると発表した。買収総額は4億8300万ドルになるという。
Sprintは、すでにプリペイド式移動体通信事業者Virgin Mobileの株式13.1%を保有している。Virgin Mobileは仮想移動体通信事業者(MVNO)で、他の通信事業者のネットワークを使用して自社サービスを提供することを意味する。Virgin Mobileは、SprintのCDMAネットワークを使用している。
2009年第4四半期または2010年初めに手続きが完了するとみられるこの取引では、Virgin Mobileの7月27日の終値4.21ドルに31%のプレミアムを上乗せする。
Sprintはまた、買収完了時にはVirginによる未払いの負債を償還することで合意した。Sprintは、9月30日までの時点でVirgin Mobile USAの負債が現金および現金同等物で2億500万ドル相当を超えることはないと予想している。
Sprintは、Verizon WirelessとAT&Tに次ぐ米国第3位の全米規模の無線通信事業者だが、Nextel Communicationsを買収して以来ここ数年は苦境に陥っている。Sprintはサービスの評価の低さに悩まされ、多くの顧客が同社のサービスから離れていった。最高経営責任者(CEO)のDan Hesse氏が率いるSprintの新経営陣は、同社を立て直して良い印象を取り戻そうと努力してきた。Sprintは2009年6月、期待の高いスマートフォン「Palm Pre」を同社のネットワークに投入した。
Sprintは、7月29日午前に2009年第2四半期の決算を発表する予定だ。
Virgin Mobileの買収は、Sprintが自社のプリペイド事業を強化するのに役立つだろう。Sprintはすでに、全米規模のプリペイドブランドであるBoost Mobileを保有している。
Boost Mobileは2009年1月、50ドルで音声やデータを無制限にやり取りできるプランを導入して話題となった。プリペイド市場においてBoostの主要な競合企業の1社と考えられているVirgin Mobileは、自らも無制限のサービスを同年4月に投入して追随した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ