Juniper Networksは10月29日、ニューヨーク証券取引所で会見を開き、同社のネットワークOS「Junos」向けのアプリケーションプラットフォーム「Junos Space」と統合クライアント「Junos Pulse」を発表した。
Junos Spaceはサードパーティー製のアプリケーションが搭載できるアプライアンス製品。オープンデバイスAPIを公開し、パートナー企業がアプリケーションを開発できるようになっている。
「使いやすい機能を顧客自身が選び、ある程度料理できるようにした。一番重要なのはオープンデバイスAPIを公開していることだ」とJunos Space担当バイスプレジデントのMike Harding氏は述べる。
デベロッパーとの間でエコシステムを構築し、顧客に多様なサービスを提供するのが狙いだ。
すでにPacket DesignがJunos Space用のアプリケーション「ROUTE ANLYSER」を開発している。これはネットワーク上で何が起きているかを可視化するアプリケーションで、トラフィックの状況を顧客がモニターし、診断できるようにする。過去のログから将来予想を立てられるシミュレーションソフトでもある。
Juniper製のアプリケーションである「SERVICE NOW」は、ネットワーク機器の構成を顧客とJuniperの間で共有するためのもの。SERVICE NOWを使うとJuniperとの間で利用している製品についてどれだけの情報をシェアするかを顧客があらかじめ設定できる。サポート時にどの機器のどのバージョンを使っているかを毎回問う必要がないため、リカバリーまでの時間が短縮されるという。
Junos Spaceは年内に出荷される予定。上記のアプリケーションも同時期にリリースされる。顧客はJunos Spaceアプライアンス製品を購入し、あとは必要なアプリケーションを組み合わせて導入できる。SDKは2010年第2四半期までに公開される見込みだ。
一方のJunos Pulseは統合クライアントで、WXシリーズによるWAN高速化、リモートSSL VPN、アクセスコントロール、セキュリティ対策など、これまで複数のクライアントで提供してきた管理項目を1つのクライアントソフトに統合するもの。
「これらのネットワークサービスを提供する企業は多数いるが、われわれは1クライアントに統合した。クライアントがより簡単に、ストレスなく、ネットワークサービスにアクセスしやすくする。Pulseさえあればほかに何もいらないだろう」(Mike Harding氏)