.cmで終わるウェブサイトを訪問しようとしているならば、よく考えたほうがよいかもしれない。このドメインはカメルーンに属しており、McAfeeの最新調査結果によれば、世界で最も危険なドメインである。
McAfeeが米国時間12月2日に発表した「Mapping the Mal Web」リポート(PDFファイル)は、今回が3年目の調査となっており、世界中で最も危険なドメインおよび最も安全なドメインが公表されている。アフリカ西海岸のこの小さな国が、2009年中の最も危険なトップレベルドメインとされており、同ドメインを有するサイトの36.7%がセキュリティ上の危険を抱えているという。McAfeeは、しばしば.cmが.comのタイプミスで使用されるため、サイバー上の詐欺師らがマルウェアを仕掛ける目的で、同ドメインにてタイプミスを狙ったサイトを立ち上げていると指摘した。
また、幅広く用いられている.comドメインも決して安全ではなく、危険度で見るならば、2008年の調査時には9位であったものの、今回の調査では2位に浮上しており、同ドメインのサイトの32.2%がセキュリティ上の危険を有していると、McAfeeは警告を発した。
アドウェア、スパイウェア、ウイルスなどの悪意のあるソフトウェアを配布するサイト危険度が最も高かったのは、ルーマニア(.ro)のドメインで、同ドメインの21%にマルウェア感染の危険があるとされている。.infoドメインは最も「スパムにまみれている」とされ、同ドメインを有するサイトの17.2%がジャンクメールの発信に関わっていると、McAfeeは明らかにした。
ポジティブな面に目を向けるならば、最も安全な汎用トップレベルドメインは.govで、政府機関のドメイン内に危険性のあるウェブサイトは見つからなかった。国別ドメインでは、日本(.jp)のドメインが世界で最も安全であり、危険性のあるウェブサイトの確率は0.1%にとどまった。2008年中の最も危険なトップレベルドメインに指定されていた香港(.hk)は、今回の調査では危険性のあるウェブサイトの確率をわずか1.1%にまで低下させ、危険度ランキングでは34位まで後退している。McAfeeは、香港が詐欺関連のドメイン登録の停止に積極的に取り組んできたことを評価している。
McAfee Labsの最高技術責任者(CTO)であるMike Gallagher氏は声明で、「本調査によって、どれほど素早くサイバー犯罪者が戦術を変え、多くの犠牲者を食い物にしつつも、逮捕されるのを避けようとしているのかが明確に示されている。2008年中は香港が最も危険なドメインとして挙がっていたにもかかわらず、2009年には驚くほど安全なドメインに成長を遂げつつある。サイバー犯罪者は、サイト登録が安くて便利であり、逮捕される危険が最も少ない地域を狙っているのだ」と語った。
McAfeeは、全体で2700万に上るウェブサイトと104のトップレベルドメインをテストし、その5.8%となる約150万のサイトが危険であるとの判定を下した。この割合は、過去2年間に記録していた4.1%から上昇しているものの、McAfeeによれば、当時から評価手法が変更されてきたため、一概に比較することはできないという。
McAfeeは、人々を欺くドメインの作成を試みるサイバー犯罪者の傾向として、低価格で購入割引が提供され、大きなキャッシュバックポリシーを掲げるレジストラーが好まれると警告している。さらに、登録時に「何ら質問調査をしない」ポリシーのレジストラーや、悪意のあるドメインであるとの通報を受けたとしても、特に措置を講じなかったり、対応が遅かったりするレジストラーも好まれる傾向にあるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ