W3C、「HTML Device」の草案作りを開始

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:緒方亮、高森郁哉

2009-12-16 13:16

 ウェブサイト構築に使用される言語の標準化を担うWorld Wide Web Consortium(W3C)は、ウェブカムに直接インターフェースを提供する技術への取り組みに着手した。

 W3Cは、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)の仕様に「HTML Device」を追加する作業を開始した。米国時間12月11日時点での仕様ドラフトによると、「このデバイス要素はデバイスセレクタを表し、ユーザーはこれを使って、ビデオカメラなどのデバイスに、ページへのアクセスを許可できる」という。

 この動きは、ウェブ標準の範囲がもう1段階拡大することを示すものだ。ウェブ標準の唱道者たちは、静的なウェブページだけでなく、インタラクティブなウェブアプリケーションについても、ウェブ標準を基盤にしようとしている。ウェブアプリの基盤をウェブ標準にすると、PC上でアプリケーションがネイティブに動作しているハードウェアに、直接アクセス可能になるという利点がある。

 HTMLは、W3Cと、やや非公式なWeb Hypertext Application Technology Working Group(WHATWG)という2団体が共同で監督している。WHATWGは、W3CがHTMLへの興味を失っていた長い合間に、枝分かれしてできた団体だ。開発中の新しいHTML5仕様は、Googleの従業員のIan Hickson氏が編集者を務めている。一方、HTML Device仕様は、より広範なHTMLの取り組みを通じて作られている。

 HTML Device仕様に関するWHATWGのドラフトは、より多くの選択肢を用意し、「USB接続されたメディアプレーヤー」やRS232ポートへのインターフェースなどを含む。RS232はシリアル通信方式の1つで、コンピュータ業界の歴史においては古代の規格だ。

 ただし、WHATWGの仕様ドラフトは次のように警告している。「RS232はただ、これを使ってできることについての考えを示すために、以下に含められている。あるいは、われわれはこの選択肢を、オーディオビジュアルのストリームにとって有用なものに限るべきだろうか? やむを得ない理由がない限り、われわれはおそらく、この一般化はするべきではない。今のところ、理由はやむを得ないものではない」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]