日立情報システムズ(日立情報)とパワード プロセス コンサルティング(PPC)は3月31日、BPM製品「jCOM1」を活用したBPMサービス事業において戦略的パートナーシップ契約を締結したことを発表した。PPCは独jCOM1の国内総販売代理店として、2009年2月より同製品を国内に提供している。
日立情報とPPCは、今回の契約を機に、マーケティング活動やコンサルティングでも協力してBPMコンサルティングサービス(BPMサービス)を展開する。日立情報では、本契約に先立ちjCOM1を自社で導入し、同製品を活用したBPMサービスを開始すると共に、さまざまな企業にjCOM1を活用したBPMサービスを提供していく。PPCは今回の提携により、日立情報のBPMサービスの実績とノウハウ、jCOM1の社内導入の経験、営業力をベースに、jCOM1拡販の加速を図る計画だ。
jCOM1は、業務ユーザー間のコミュニケーションフローを中心に据え、人や組織を基点にプロセスを描く手法である「サブジェクト指向」のBPM(S-BPM:Subject-oriented BPM)製品だ。業務ユーザー自らプロセスモデルの作成と最適化が可能で、モデリングからビジネスプロセスの実行まで、技術部門やIT部門とシームレスに統合できるという。これは、作成したプロセスモデルと実業務との隔たりや、高額な外部コンサルティング料金がしばしば課題となる従来型のBPMとは一線を画すアプローチだとしている。現在、製造、金融をはじめとする多くのグローバル企業がこのアプローチに着目し、jCOM1を採用しているという。
日立情報では、最適なビジネスプロセスの提供を通じて顧客企業の継続的なビジネスを支援することを目的に、2008年よりBPMサービスを提供している。その強化を目的に「BPMサービス本部」を2009年10月に設立し、これまで培ったBPMの手法を顧客だけでなく自社内にも教育などを通じて展開しているという。
昨今のM&Aによる組織変革などの外的要因のほか、コンプライアンスの強化や継続的な業務改善など社内的観点からもBPMのニーズは高まっており、日立情報ではBPMサービスのさらなる拡大を図るためにコンサルティングの効率性向上が重要だと考えたという。そのためには、簡単なモデリングで業務プロセスを実行環境に即時変換できるBPM製品が有効であり、これを実現する製品としてjCOM1を選択したとしている。
また、日立情報はjCOM1を採用したもうひとつの要因として、開発元である独jCOM1の日本市場に向けた取り組みを挙げている。具体的には、日本企業のニーズが製品開発にも反映されることや、PPCを介してさまざまなサービスや支援が提供されることが決め手となったとしている。