予測不能なブラックアウトを回避するためのサーバ節電--迫る電力の総量規制

田中好伸 (編集部)

2011-04-29 09:00

 経産相の海江田万里氏が4月28日、東京電力と東北電力の管内で今夏の最大使用電力の削減目標を前年比15%減とすることを正式に発表した。大口需要家で25%減というこれまでの目標よりは軽くなっている。しかし、電力の総量規制という状況そのものはは変わっていない。

 そこで重要となってくるのが、サーバの節電対策だ。もちろん、時間が許すのであれば、サーバルームやデータセンターを電力供給が安定している西日本に移設するという対策も一手だ。

 しかし、西日本への移設というのは、時間もコストもかかってしまう。今夏の電力総量規制までの時間はほんの1~2カ月しかないのだ。できる限り手早く、できるだけコストをかけずにサーバの節電対策を進める必要がある。

節電対策、まずは棚卸しから始めよう

 節電対策でまず進めるべきなのは、サーバの“棚卸し”だ。どのサーバがどんな目的で使われているのか、使われていないサーバがどこにあるのか、使っていたとしても、業務にどこまで必要とされているのか、を明らかにすべきだ。これまでは稼働させていたサーバだが、実はそれほど使われていなかったということも往々にしてあることだ。あるいは、集約できるサーバもあるかもしれない。資産の効率的活用という点からも、今回を契機にシステムの棚卸しを是非とも行ってもらいたい。

 棚卸しを終えたら、具体的な節電対策だ。節電対策では主にハードウェアとソフトウェアの両面から考えてほしい。ハードウェアの面からは、電力見積もりの見直し、サーバ内部の電源、CPUのクロック数、冷却装置、サーバの集約化などの対策があろう。

 ソフトウェア的なアプローチについては、ヤフーの研究開発部門がブログで説明している。この方法は、CPUの使用率に応じて、CPUの電源やクロック周波数を動的に変更することで、必要最低限の電力消費量にするというものだ。FreeBSDでは「powerd」、Linuxでは「cpufreq」を利用できる。

 活用できる手段はさまざまあるが、それぞれできることはすべて利用してほしい。時間はあまり残されていない。

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