MM総研の調べで、DRAMの価格が上昇局面に転じていることが分かった。2月からの円安により、輸入に頼る傾向にあるDRAMの価格が上昇しているとの指摘がある。3月8日時点で1週間前に比べ平均50円上昇。急激な価格変動で仕入れを見合わせる店舗も出てきているようだ。エルピーダメモリの経営破たんを原因の1つに挙げる声もある。
3月8日現在、東京・秋葉原のPCパーツショップのDRAMの店頭平均価格は約2750円。1月から2月にかけて価格が下がり続けていたものの、3月に入り8日までの1週間で平均50円上昇した。
2012年1月~3月までのDRAM価格推移(秋葉原の量販店とPCパーツショップの店頭平均価格をもとにMM総研が調べた)
円相場を見ると、3月7日の終値が1ドル80円86銭。円安への反転が始まった2月2日の1ドル76円11銭から約5円も円安に振れた。秋葉原のPCパーツショップでは「最近1、2週間で500円上がった商品もあった」という。
流通関係者の間ではこの傾向はしばらく続くとの見方が多い。店頭の価格表には「品切れ」の表示が目立ち始め、ある量販店スタッフは「価格の上昇で仕入れられなくなった商品もある」と話しているようだ。
品切れの表示が目立つDRAM価格表
DRAM専業のエルピーダメモリの経営破たんの影響について、流通業界での意見は分かれた。「製造を停止したわけではないので供給に影響はない」とする店舗がある一方で、「強く影響を受けた」とする店舗もあったとする。エルピーダ破たんを受け、供給不安から市場では一部品薄感がでてきており「小さいパーツショップまで商品が回ってこなくなった」と不安を訴える声もあるという。