日本オラクルは9月11日、垂直統合型システム製品「Oracle Virtual Compute Appliance(VCA)」の提供を開始した。最小構成の税別価格は2880万4361円。ハードウェアとソフトウェアを作り込む、同社のEngineered System製品の一環になる。
VCAはサーバやストレージなどのハードウェアの上にOSやハイパーバイザなどのソフトウェアを作り込んでおり、仮想化環境の基盤となる。企業内でIaaSの環境を提供する。同様の製品としてはVCEの「Vblock」 やEMCの「VSPEX」、デルの「vStart」、 IBMの「PureFlex System」などがある。
完全に組み立てられた状態で出荷され、ソフトウェア定義による最小限の構成作業で本番環境を実行できると説明。作業時間を節約し、物理的なソフトウェア構成エラーのリスクを軽減でき、電源を入れてから約1時間で本番環境を準備し、仮想マシンを数分で提供できるという。
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Oracle Virtual Compute Appliance
VCAは、Xeonを搭載したIAサーバ「Sun Server X3-2」、ハイパーバイザ「Oracle VM」、NASストレージ「Sun ZFS Storage Appliance」で構成。仮想環境に対応したネットワークには「Oracle Virtual Networking」と仮想化コントローラ「Oracle Fabric Interconnect」、管理ソフトウェア「Oracle SDN」という構成となっている。
内部接続にはInfiniBandを使用。すべての仮想マシンから利用できる内部接続モジュールを経由し、既存のEthernetとFibre Channelに接続できる。
既存のネットワークとストレージに対応しているため、アプリケーションの移行と既存データにアクセスするアプリケーションの新規構築が容易とメリットを強調している
耐障害設計を採用したVCAは、障害発生時の被害を最小限度に抑えることが可能という。ハードウェアやソフトウェアに障害が起きた時には、仮想マシンが自動的に再起動すると説明している。
VCAで利用できるOSは「Oracle Solaris」と「Oracle Linux」。加えて、そのほかのLinuxディストリビューションやWindowsでも動作する。さまざまなOSとアプリケーションが混在する環境にも対応できるとメリットを説明している。
新しいサーバを追加する場合はラックに挿入し、配線済みの4本のケーブルを接続する。サーバの電源を入れると新しいサーバを自動的に検出、構成し、使用できるという。