日立製作所は4月28日、ミッドレンジクラスのストレージ新製品「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)」5機種を発売。同日4機種の出荷を開始した。「Hitachi Unified Storage(HUS) 100シリーズ」の後継製品に当たり、これまでハイエンドクラス向けに提供していた独自OS「Hitachi Storage Virtualization Operating System(SVOS)」を搭載する。
「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)」の2U筐体(VSP G100/G200)
「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)」の4U筐体(VSP G400/G600/G800)
SVOSは、同社が2014年4月に発売したハイエンドクラスのストレージ製品「VSP G1000」に実装されていた独自OS。異機種のストレージを1つのストレージシステムとして統合する仮想化機能「Hitachi Universal Volume Manager」を提供する。
Hitachi Universal Volume Managerを使用すると、ストレージ間でのデータコピー中に、移行先ストレージ上に仮想ボリュームが生成され、コピーが完了するまで代替システムとして稼動する。そのため、ストレージのリプレイスなどに際するデータ移行時のシステム停止時間が大幅に短縮される。日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 企画本部 本部長の山本康友氏によれば、「データコピー時の業務停止時間が、19時間から20分に短縮される」という。
ミッドレンジクラスのVSPファミリーに搭載された独自技術に「active flash」がある。VSPが実装するフラッシュメモリを効率的に活用する機能であり、データへのアクセス頻度の変動を自動検知し、高頻度データをフラッシュ媒体に自動再配置する。将来的にハイエンドクラス製品にもバックポートされる予定だ。
同日発売したのは、(1)最大物理容量(ディスクアレイ内部ストレージ)が775Tバイト、キャッシュメモリ最大容量32Gバイトの「VSP G100」(税別価格165万6000円から)、(2)最大物理容量1480Tバイト、キャッシュメモリ最大容量64Gバイトの「VSP G200」(同430万円から)、(3)最大物理容量2819Tバイト、キャッシュメモリ最大容量128Gバイトの「VSP G400」(同896万4000円から)、(4)最大物理容量4229Tバイト、キャッシュメモリ最大容量256Gバイトの「VSP G600」(同1158万4000円から)、(5)最大物理容量8458Tバイト、キャッシュメモリ最大容量512Gバイトの「VSP G800」(同2429万4000万円から)。
G800の出荷開始は8月17日、そのほかは同日から出荷を開始した。VSP G600では、HUS 150と比較してCPUコア数を4倍、キャッシュメモリを8倍に拡張し、ランダムリード性能3.2倍を達成している。
データ移行時に移行先に仮想ボリュームを作成する機構(資料提供:日立製作所)