サーバ向けLinux「MIRACLE LINUX」新版、CPUの脆弱性にも対応--RHEL 7.6で開発

藤代格 (編集部)

2019-03-08 07:15

 サイバートラスト(旧ミラクル・リナックス、港区)は3月7日、提供するサーバOSの最新版「Asianux Server 7 == MIRACLE LINUX V7 SP3」を発表した。個社ごとのニーズに対応できるようサポート体制を強化。MeltdownやSpectreといったCPUの脆弱性などに対応すべくセキュリティも強化し、最新のCPUに対応するという。同日から提供する。

 2017年に発表したSP2から引き続き、開発ベースには企業向けLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 7.6」を選択。RHEL 7.6向けに開発されるハードウェアやアプリケーションソフトはほぼそのまま動作するという。

 サポートサービスとセットで提供し、物理サーバ1台または1台に搭載される2インスタンスまでをインストールできる「Standard Pack」の税別価格は、1年の場合が7万8000円、3年は16万2000円、5年は22万2000円。追加は1年ごとで7万8000円。

 仮想サーバ向けに提供する「for VM Standard Pack」は、1台の物理マシンに複数の仮想環境を想定。購入は物理マシン1台ごととなり、動作する仮想環境のゲストOS数に制限はないという。税別価格は、1年の場合が19万8000円、3年が48万円、5年が69万円。追加は1年ごとで19万8000円。

 クラウド環境のラインアップも用意している。プライベートクラウド向けには、「OpenStack」などのプライベートクラウド環境で物理サーバ、仮想マシンが自動で増減する環境に対応する「for Private Cloud」を提供。価格は個別見積もり。

 「Microsoft Azure」でも利用できる。MIRACLE LINUXは、アジアでは中国や韓国、ベトナム、タイの企業などと合同で「Asianux」として展開しているため、「Azure Marketplace」上では「Asianux Server」という名称に統一している。価格は1時間あたり0.7円。

 サポートは別途となり、「Asianux for Cloud Standard Support」として1インスタントごとに年間4万8000円。上位レベルのサポートが受けられる60万円の「プラチナインシデントサポート」、価格は個別見積もりが必要な「プラチナサポート」も用意。サイバートラスト、販売パートナーから購入できるとしている。

各サポートメニューのサービスレベル(出典:サイバートラスト)
各サポートメニューのサービスレベル(出典:サイバートラスト)

技術サポートサービスの定義

  • Lv1.インストール方法案内:RPMコマンドを利用してソフトウェアのインストール、アップデートを行う方法を案内する。
  • Lv2.ソフトウェア機能案内:当該ソフトウェアの機能を案内する。
  • Lv3.操作設定案内:各ソフトウェアパッケージに収録されたmanと製品マニュアルに記載されている操作、設定に関して案内する。
  • Lv4.障害解析:発生した障害に対してソフトウェアの動作を確認、ログを調査して、調査結果を報告する。
  • Lv5.ソースコード解析:ソフトウェアのソース解析を通じて、仕様や障害を調査して、調査結果を報告する。
  • Lv6.dump解析:kernelダンプ、coreダンプを調査して、調査結果を報告する。
  • Lv7.修正提供:当社の裁量にてソフトウェアの修正版を提供することがあります。
  • Lv8.パフォーマンス分析:ソフトウェアの性能、高負荷時の挙動に関して調査を行い、調査結果を報告する。
  • Lv9.システム構築支援:ユーザー企業のシステムに特化した設計や構築、運用、移行、分析に関するソフトウェアの使用方法、設定を案内する。

 サーバのほか、産業用コンピュータ、アプライアンス機器などの特定業務用途機器のOSとしても最適になるという。「特定業務用機器向けライセンス」として15万円で提供する。1つにつき1インスタンス利用できるライセンスを10まで利用可能。

 国内で開発、提供してきたミラクル・リナックスは、2017年10月1日付けで電子証明書発行サービスなどを展開するサイバートラストと合併。存続会社はミラクル・リナックスだが、商号はサイバートラストに変更している。

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