西日本シティ銀行、クラウドAI基盤を業務活用--ローン商品の問い合わせなど

大場みのり (編集部)

2019-11-29 17:31

 人工知能(AI)ベンチャーのグルーヴノーツは、西日本シティ銀行のテクノロジーアドバイザーとして同社のクラウドAI基盤「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」を活用した実証実験を実施している。実証期間は2019年10~12月まで。

 プロジェクトの第1弾では、西日本シティ銀行営業店の業務の効率化と高度化に取り組み、社内の問い合わせ対応と来店客数の予測にAIを活用する。加えて、ともに本拠を置く九州の地域経済の発展を目指し、共同で企業におけるAI利用の加速、経営課題の解決を支援していく。

 MAGELLAN BLOCKSは、機械学習・深層学習と量子コンピューターを活用して、高精度な未来予測や組み合せ最適化といった計算処理を可能にするクラウドサービス。サービス開始から2019年9月時点で、約3800社が利用しており1万2500以上のAI学習モデルを構築してきた。

 西日本シティ銀行では、ローン商品に関する問い合わせは質問内容が複雑かつ専門的で最も頻度の高い業務だという。これにAIを活用し、本部の業務省力化や営業店における顧客対応の迅速化を目指す。

(出典:グルーヴノーツ)
(出典:グルーヴノーツ)

 来店客数の予測では、気象予測データなどの外部データを活用しながら、過去の来店客数実績を基にAIで日々の来店者数を予測。窓口の待ち時間短縮に向けて、営業店の適切な受け入れ態勢の構築や営業時間の見直しなどに取り組む。

(出典:グルーヴノーツ)
(出典:グルーヴノーツ)

 グルーヴノーツは金融業向けに、以下のサービスも提供している。

  • ATMの利用頻度予測
    各店舗のATMがどれくらいの頻度で利用されているかを予測し、ATMへの現金の補充時期を効率化する
  • 成約率の高い見込み顧客の予測
    顧客へ無作為にダイレクトメール(DM)を送るのではなく、AIを使って対象の商材サービスに興味を持ちそうな見込み顧客を分類予測。DM発送にかかるコスト削減や、機会損失を防止し、効果的なダイレクトマーケティングを実現するという
  • ローン審査モデルの構築
    ローン契約締結に至るパターンや確度を解析し、審査プロセスの自動化を推進する

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