“ 次の10年 ” のためにNotesをSm@rtDBに移行したコクヨ
ITソリューション部 システムインフラグループ
兼 ユーザサポートグループ
グループリーダー
土山宏邦氏
コクヨは、1905年に帳簿の表紙作りを生業とする「黒田表紙店」として創業。1917年には創業者の「故郷 富山の誉れになる」という誓いから、屋号を「国誉(コクヨ)」に変更した。「世の中の人が進んでやろうと思わない仕事にこそ、自ら進んで徹底して取り組む」という創業の精神は、現在のコクヨグループ共通の理念にもなっている。
現在では、ステーショナリー関連事業とファニチャー関連事業という2つの事業を中核に、機動的な経営、顧客起点での付加価値型商品・サービスを提供。また日本市場で培った知識と経験を生かし、中国、ベトナム、インドなどのアジア市場へも事業を拡大。日本企業から「アジア企業」への変革に挑戦している。
さらにコクヨでは、時代の変化とともに自らも進化。「社会の役に立つ」という企業理念に基づき、顧客に「ひらめき(創造性)、はかどり(効率性)、ここちよさ(快適性)」を提供することを目指している。その一環として2006年に、10年以上利用してきたLotus Notesによる業務基盤をドリーム・アーツのBPM型Webデータベース「Sm@rtDB(スマートデービー)」へと移行させた。
ITの普段使いが “ いざ ” というときの武器に
Sm@rtDB(スマートデービー)を導入して既に5年以上、「現場の担当者は、業務基盤上に当たり前のように仕組み(DB)を構築し、そこを起点に業務連携して動く事がすでに習慣となっている」と話すのは、コクヨビジネスサービス株式会社 ITソリューション部 システムインフラグループ 兼 ユーザサポートグループ グループリーダーである土山宏邦氏だ。
「たとえば人事評価や各種申請管理をはじめ、ほとんどの業務がSm@rtDB(スマートデービー)上で仕組化されている。逆にSm@rtDB(スマートデービー)のような仕組みがない会社は、どうやって現場同士で連携しているのか想像がつかない」と土山氏。
このITの普段使いが“いざ”というときに最強の武器となることを証明した1つの出来事が、2011年3月11日に東北から関東までの広い地域に大きな被害をもたらした東日本大震災への対応だった。
震災翌日には顧客オフィスの復旧対応のシステムを利用開始
コクヨのファニチャー関連事業では、建物や什器などファシリティ全般のサポートやオフィス家具の販売、空間デザインやコンサルテーションにいたるまで、オフィス作りを総合的に支援している。そのため「東日本大震災による顧客への影響を把握し、復旧対応を迅速かつスムーズに行いたい」という現場からの要望があり、翌日の3月12日には被害状況を共有するDBが立ち上がった。
コクヨビジネスサービス株式会社 ITソリューション部 システムインフラグループの土江快知氏は、次のように語る。「DBの中には、たとえば間仕切りが傾いたとか、キャビネットが壊れたなどお客様のオフィスの被害状況が共有されている。また、災害対応用品の在庫状況や納期、物流の遅延情報なども共有されている」
ITソリューション部 システムインフラグループ
土江快知氏
実はこうした情報を共有するDBは、普段からお客様サポート用に運用されていて、その仕組みを“いざ”という時にさっと転用しただけだった。
土江氏は、「緊急対応が必要な情報を普段運用のDBに書き込むと、内容が埋もれてしまい対応が漏れたり、遅れたりしてしまう。また、緊急時は通常とは異なる次元での対応や判断が求められるので、敢えて別の仕組みを用意する必要があった。ただ、現場は習慣的にそうした工夫をしているので、とりわけ特別な事をしたとは思っていない」と話す。
現場の迅速な判断で、普段使いのIT(Sm@rtDB(スマートデービー))を有効に活用することで、柔軟かつ迅速な状況把握と保守対応を可能にした。土江氏は、「震災後1カ月程度で、すべての対応を終えて通常フローに戻したようです。普通ならシステムを用意するだけで1カ月以上かかるところを短期間でDBを構築し、非常に迅速な対応ができたことは、お客様からも高く評価されたと思う」と話している。