生産財、住設建材、家庭機器を専門事業分野とする流通商社の山善が、主力ビジネスである家庭機器部門のデータ分析基盤システムにサイベースのDWHデータベース「Sybase IQ」を導入した。
1998年に構築された山善のデータ分析基盤システムは、ビジネス規模拡大への対応や戦略的なデータ活用を目的として、2007年に新システムへの刷新が計画された。刷新にあたってのシステム要件としては、分析対象データの範囲拡大、データ抽出のユーザー側での実施などがあげられた。また、既存システムの課題であったパフォーマンスの劣化への対策も、大きな課題のひとつだったという。
山善は、データベースのパフォーマンスを改善するため、それまで使用していたRDBMS製品をDWH専用データベースに切り替えることを検討。大容量データを使用した内部テストの結果、検索処理における高いパフォーマンスが確認できたことから、2008年9月にSybase IQの採用を決定したという。Sybase IQをDWHのコアに据えた家庭機器部内の新たなデータ分析基盤は、2009年8月に本稼動を開始している。
Sybase IQを使用することで、データ格納時のバッチ処理時間が大幅に短縮されたという。また、従来7〜8分かかっていた家庭機器部門の1年分の売上集計を新システムでは約5秒で行えるようになったほか、格納データの圧縮やOLAPサーバへの集計処理の高速化も実現した。山善では、今回の導入効果を高く評価し、今後は他の事業部についてもDWHの導入を予定しているという。