SUSEが「Raspberry Pi」向けに「SUSE Linux Enterprise Server(SLES)12 SP3」を公開している。エンタープライズ顧客向けの商用サポートがついたものだ。
SLES 12 SP3は、2016年の「SUSECON」でリリースされたサポートのないSLES SP2 Raspberry Piイメージのアップグレードとなる。Arm向けSUSE Linux Enterpriseカーネルを利用したOSで、企業にRaspbian OSに代わる選択肢を提供するものだ。
SLES SP2 Raspberry Piイメージは、Raspberry Piの無線ネットワーク及びBluetoothをサポートする初の主要な64ビットOSとなることから、当時Raspberry Piを率いるEben Upton氏はSUSEの実験的なリリースを歓迎していた。
SLES 12 SP3は、Raspberry Piイメージをフルで商用サポートする初の主要なベンダーのディストリビューションとなることから、Upton氏はこれを喜び次のようにコメントしている。「2年前はダウンロードできるイメージをコミュニティのサポートのある状態で提供するだけだったが、今回SUSEは12×5または24×7のサポートを提供するようになった。すべて同じSUSE Linuxをベースとし、Raspberry Piからメインフレームまですべてで利用できるものとなっている」
新しいSUSE Raspberry Piのイメージは、「Raspberry Pi 3 Model B」をターゲットにしている。SUSEは新しい「Raspberry Pi 3 Model B+」のサポートを計画しているという。
新版では、いくつかのアップデートや修正も含まれている。SUSEによると、コンパイラやデバッグツールの調整などによりイメージのサイズを約630MBと小さくした一方で、このArm OSをIoTタスク向けに整えたという。
このイメージは、Raspberry PiのWi-Fi、HDMI、Ethernet、GPIOなどの組み込みのI/Oをサポートする。だが、オーディオ、Raspberry Piタッチスクリーン、カメラなどの機能は使用できない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。