東京海上日動火災保険とNTTデータは11月1日、外航貨物海上保険における保険金請求へのブロックチェーン技術適用に向けた実証実験を完了したと発表した。
この実証は、事故報告書や貨物の損傷写真、Invoice(商業送り状)などの実際の保険金の支払い業務で利用したデータをブロックチェーンに流通させ、欧州・米州・アジアの計8拠点の海外クレーム代理店ならびに鑑定会社へ速やかに共有され、保険金の支払いプロセスに利用できるかを検証するもの。2017年11月から2018年8月にかけて実施された。
検証した海外の拠点は、欧州はドイツとオランダ、米州は米国とチリ、アジアは中国、台湾、韓国、タイ。
実証実験のイメージ(出典:東京海上日動、NTTデータ)
確認された効果として、被保険者(荷主など)側では、保険金請求に必要な書類の用意や提出にかかる業務の削減、保険会社側では海外クレーム代理店への情報共有業務の削減などがある。また、海外クレーム代理店は、保険金請求に必要な書類の案内、取り付けにかかる業務を削減でき、鑑定会社は、保険の契約内容の即時入手による鑑定作業の品質向上が確認された。
確認された期待効果の例
今後、両社は同実証実験を通して得られた課題への対応を継続して検討し、2019年度中に一部を実用化することを目指す。