マイクロソフトは3月22日、米Microsoftが開発したプログラミング言語「C#」が日本規格協会が発行するJIS(日本工業規格)として同日公示されたことを明らかにした。「JIS X 3015 プログラミング言語C#」である。
JIS化によるメリットとして、マイクロソフトのデベロッパーマーケティング本部プロダクトマーケティング部の北川裕康部長は、「C#の利用が促進される。まずは学術分野や政府関係でC#が広まる」とコメント。利用者が広まることで結果的にC#の稼動環境や開発ツールを出荷する同社の販売促進になるという考えだ。
マイクロソフト デベロッパーマーケティング本部 プロダクトマーケティング部の北川裕康部長 |
C#は、異なるシステム同士がXMLを使って連携する形態であるウェブサービスを開発する用途で作られたプログラミング言語である。言語仕様、実行環境、適用用途ともにJava言語に位置付けが似ている。
マイクロソフトのウェブサービス稼働環境である「.NET Framework」では、C#などのプログラミング言語で書かれたアプリケーションをIL(Intermediate Language)と呼ぶ中間コードにコンパイルし、CLI (Common Language Infrastructure)と呼ぶ実行環境上で稼動させる。中間コードであるILにコンパイル可能なプログラミング言語はC#のほか、Visual BasicやC++、JScriptなど多岐に渡るが、C#は最初からウェブサービス用に作られている点が特徴だ。
中間コードであるILを動作させる実行環境のCLIは、ガベージコレクションなどJava仮想マシン相当の機能を持つ。今回C#のJIS原案を作成した「C#言語仕様JIS原案作成専門委員会」の中心メンバーから成る「共通言語基盤JIS原案作成委員会」がCLIのJIS化を狙っている。