Sun Microsystemsは、商用ソフトウェアを開発する企業に対し、Javaのライセンス条件の緩和を計画している。
このライセンス条件の変更は、ソフトウェア開発企業がJavaのソースコードをより柔軟に利用できるようにするためのものだと、同社の複数の幹部が述べている。ただし、Sunには一部のJava支持者から要望が出ているような、Javaのオープンソース化を進める意図はないという。
SunのJames Gosling(開発者向け製品部門CTO)は、米国時間16日に開かれる記者会見で、Javaのライセンス供与に関する同社のアプローチを説明することになっている。
Javaのライセンス条件が緩和されれば、LinuxをはじめとするオープンソースソフトウェアにJavaをバンドルしやすくなる、とRedMonkアナリストのStephen O'Gradyは述べている。
「商用目的と非商用目的の境界線はますます曖昧になっている。そのため、ライセンスを全面的に簡素化したいという考えがあっても特に驚くべきことではない」(O'Grady)
Sunは、Javaプログラミング言語およびJavaプログラムを動作させるのに必要なソフトウェアの使用条件を定めたライセンスをコントロールしている。IBMやOracleなどの商用ソフトウェアを開発する企業は、Sun Community Source License(SCSL)を利用している。一方、Sunは2003年にJava Research License(JRL)を導入したが、これは学術分野でJavaの研究を行う人々のためのものだ。
Sunはこのほか、同社の商用Javaライセンスを見直す取り組みも進めている。
「JRLは、SCSLを非商用目的向けに簡略化したものだ。われわれはいま、SCSLを商用向けに簡略化するにはどうすればよいかを検討している」と、同社のJean Elliott(Java 2 Standard Editionプロダクトマーケティング担当ディレクター)は言う。「われわれは、Java商用ライセンスが人の尾のようなもので、いずれは消えてなくなると考えている。このライセンスはあまりにも複雑すぎるからだ」(Elliott)
SunのJavaライセンスポリシーには、オープンソースソフトウェアの提唱者ばかりでなく、Javaベースの製品を販売する企業から大きな関心が集まっている。IBMは昨年、Javaソフトウェアにオープンソースライセンスを採用するよう求める公開書簡をSunに送っていた。これに対して、SunはJava標準の互換性を損なう可能性を挙げながら、IBMの提案に難色を示していた。
今回の商用ライセンスの条件緩和は、SunがJavaの次期メジャーアップグレードの発表準備を進めるなかで行われることになる。SunのMark Reinhold(J2SE担当アーキテクト兼チーフエンジニア)によると、Javaアプリケーションの開発/動作に使われているJ2SEの次期バージョン「Mustang」は、2006年なかばまでに完成すると見られているという。