セキュリティ対策企業のWebroot Softwareは米国時間7日、1億800万ドルにものぼるベンチャーキャピタル資金を獲得したことを発表する計画だ。これは、ベンチャーキャピタル(VC)がセキュリティ技術分野に大型の投資を行っていることを示す兆候と見ることもできる。
スパイウェア対策ソフトを開発するWebrootは今回、Accel Partners、Mayfield、Technology Crossover Venture Partnersの3社から資金を調達した。調達額は、電子メールセキュリティのアプライアンスを提供するIronPortが昨年獲得した4500万ドルをはるかに上回る額となった。IronPortは、昨年行われたVC投資のなかで、最も大きな額を集めた企業の1つと言われている。
「Webrootは今回の投資ラウンドで、今日の平均的な額と比較して巨大な資金を集めることができた」とVentureOneでリサーチディレクターを務めるJohn Gabbertは述べる。「企業が情報をできるだけ保護しようとするなか、セキュリティはここ数年、注目分野となっている」(Gabbert)
Webrootは、スパイウェア対策アプリケーションの「Spy Sweeper」を提供するソフトウェアベンダー。スパイウェアはここ1、2年で急増しており、米国では家庭用PCの9割がスパイウェアに感染していると報告されたこともある。
スパイウェアとは、ユーザーの気付かないうちに、コンピュータの動作を密かに監視し、キーボードから入力された情報(パスワードなど)を収集するソフトウェアのこと。スパイウェアは通常、フリーウェアやシェアウェアにバンドルされてインストールされたり、電子メールやインスタントメッセージ経由で送られたりするため、自分のPCがスパイウェアに感染していることに気付くユーザーは少ない。
WebrootのCEO、David Mollによると、同社は今回獲得した資金を大企業への販売強化に充てる計画だ。同社の売上の3分の1は現在、大企業顧客によってもたらされている。同氏は今後1年半の間に、法人顧客と個人顧客の割合を半々にしたいと述べる。
Mollはこの他にも、スパイウェア対策製品市場における自社の地位を守ることにも資金を利用する計画だ。同社は今後、MicrosoftやSymantecとも激しく競合することが予想されている。
Webrootは1997年の創業以来、 手元資金の範囲内で業務を行ってきたと、Mollは説明する。同氏は今回、株式公開ではなくVCを通じて資金調達する道をあえて選択したと述べる。
Mollは「転がっているチャンスを生かすためには、資金不足だと感じた」と述べ、VCは資金以上のものを供給してくれるだろう、と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。