先日、SybaseのCEOであるJohn Chenと話をする機会があった。話は、「ワイヤレスエンタプライズ」と同氏が呼ぶものや、オープンソース、RFID、アジアでのビジネス展開、最近報告されたセキュリティ脆弱性などさまざまな話題に及んだ。そのなかでChenは、Sybaseが「オープンソースのビジネスモデルを少しだけ変えようとしている」ことを教えてくれた。Sybaseは、自社のソフトウェアをオープンソース化するのではなく、ハイエンド向けに開発したデータベースを無償で提供する道を選んだ。ただし、このデータベースは、Linuxを搭載したシングルプロセッサマシン--RAMとディスク容量がそれぞれ2GBと5GBに制限されている--だけで動作する。無償でデータベースを提供することは、中小規模の顧客を取り込むうえで魅力的な戦略である。中小規模顧客は、いずれ何かの機会で、データベースを制約のないフルバージョンにアップグレードする可能性があり、Sybaseはそこから利益を得る構えだ。同データベースをオープンソース化するつもりは、同社にはない。
しかしChenは、5年後にはSybaseのデータベースやミドルウェアの一部がオープンソース化されているだろうと述べる。同氏の描くビジネスモデルの下では、同社は、サポートや保守のほか、非構造化データの管理や、検索、EII、フェデレーテッドデータベース、分析、システム監視などの付加価値の高いオプションをユーザーに提供することで、収益を上げていくことになるという。「オープンソースを取り巻く動きは始まったばかりだ。オープンソースは誰にとってもメリットがある。知識さえあれば誰でも、コミュニティを構築したり、標準化作業を行ったりして、この動きに価値を付け加えることができる」とChenは述べた。また同氏はアジアでのビジネスについて、「正しくビジネスを行えば、そこには大きな市場が存在し、株主にもたくさんの利益を還元できる。逆に、間違ったビジネスを行うと、自分自身の首を絞めることになる」と述べた。