IBMは米国時間5日、同社が実施するリストラにより、今年度に最大で5億ドルを、そして2006年にはその2倍のコストを削減できると想定していることを明らかにした。
同社は4日、全従業員の約4%に相当する1万〜1万3000人の人員削減と、欧州事業を合理化する計画を発表した。これに伴い、同社は13億〜17億ドルの損失を計上する。
同社最高財務責任者(CFO)のMark Loughridgeは、5日に行われた電話会議のなかでこの計画の詳細を説明し、「さらに競争力のあるコスト構造」が実現すると述べた。
Loughridgeによると、人員削減の大半は欧州で実施され、IBMのGlobal Services部門が中心になるという。
IBMでは、先ごろ発表した第1四半期決算が期待はずれな結果に終わったことから、大規模なリストラが予想されていた。第1四半期には、フランス、ドイツ、イタリア、英国で業績が低迷していた。
IBMはコスト削減に向け、西欧からよりコストの安い地域へと複数の拠点を移す。同社はまた、職務の重複やサポートサービスコストの削減に向け、職能の「標準化」も目指すことになると、Loughridgeは述べた。
IBMは、欧州では希望退職を募って従業員数の削減を進める計画だが、米国では強制解雇も実施することになる。同社はすでに欧州の労働組合と交渉を開始している。
「特に西欧など一部の国で市場の状況が芳しくなく、さらに自然な離職者も少ないことから、余剰人員が発生し、市場の需要とスキルの間にズレが生じていた」(Loughridge)
今回の人員削減は、サービス契約の利益率改善を目指すGlobal Servicesの組織改革に向けた取り組みの一環。Global Servicesは、960億ドルというIBMの売上高のほぼ半分を稼ぎ出している。
Loughridgeはまた、IBMによる欧州での経営構造の見直しについても言及した。同社は経営幹部の階層を減らし、意志決定の迅速化と手続きの簡略化を実現していく。
IBMは「顧客と直接かかわる」営業の社員はそのまま残すため、組織再編による売上面での混乱は予想していないとLoughridgeは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ