GMOホスティングアンドテクノロジーズは5月30日、従来の共用サーバサービスを一新し、システム障害時でもサービスを継続的に提供可能な次世代共用サーバー「iCLUSTA(アイクラスタ)」を「アイル」ブランドで開始した。
従来の共用サーバでは、共用しているユーザーの一部が引き起こした負荷によってサーバ全体のパフォーマンスが低下したり、サーバー障害時はサービスが停止したりする問題を抱えていたが、新サービスではこれを解決した。メールとウェブシステムの主だった構成要素を二重化するクラスタリングを採用した大規模なレンタルサーバシステムを自社にて開発、構築した。
クラスタのサーバー運用には新開発のダイナミック・クラスタ・アーキテクチャ(DCA)を採用した。これはネットワーク回線やサーバ機器など、サーバ障害の要因となる可能性を持つコンポーネントを複数台にすることで、障害発生リスクを低減させる技術だ。 具体的には、サーバが収容されているデータセンターとインターネットとを結ぶネットワークに障害が起こった場合、一般的な共用サーバサービスの場合は原因の特定や機器の交換、復旧を行うまですべてのサービスが停止する。これに対してiCLUSTAでは、ネットワークに複数の回線を用いることで、障害が発生したときには別回線でネットワーク接続を維持できる。同様の仕組みは、サーバ機器やデータを保存しているハードディスクにも適用される。複数サーバによる稼働やRAID(複数のハードディスクにデータを保存する手法)の採用により、障害時においても停止することなくサービスを維持し、提供できるわけだ。サービスはメールやウェブ、サーバ機能を自由に選択して独自スペックにすることができるBTO方式のカスタムプランをはじめ、全6プランが提供される。最小プランの「i−01」では、ディスク容量50MBとメールアドレス10個が利用でき、初期設定費用9000円、月額利用料金900円(いずれも税別)となっている。
同社は販売ターゲット層を、コスト意識の高い個人や個人事業者から、ISPやレンタルサーバ事業者まで幅広く挙げている。