NECは8月5日、小型内蔵電池によるデスクトップPCのデータバックアップ実証実験を実施し、性能が確認できたことを発表した。
実証試験では同社製デスクトップPC(Pentium4プロセッサ搭載、消費電力は最大228V、平均96W)を使い、有機ラジカル電池(35W)を4個直列(140W)に接続して行った。また、AC電源からPCへの電気供給が停止すると、異常を自動的に感知して有機ラジカル電池からの電力供給に切り替え、データをハードディスクに格納する仕組みも組み込んだ。
有機ラジカル電池はポリラジカルと呼ばれるプラスチック材料に電気を蓄積するもので、短時間充電や大電流での使用が可能。エネルギー損失なしで電力のセキュリティ対策が可能なほか、有害物質を使用しないため環境に優しい、発煙や発火の危険性が少なく安全性に優れているといったメリットがある。また今回は、耐久性に優れた高出力を引き出せる電極の開発、デスクトップPCに内蔵できる小型化なども行われた。
同社では、今回の高出力有機ラジカル電池によるデータバックアップ実証により、実用化を目指して今後とも積極的な研究・開発活動を強化していく。