ウイングアークテクノロジーズ(ウイングアーク、内野弘幸社長)は11月15日、SOA(サービス指向アーキテクチャー)に基づく帳票システムの新コンセプト「帳票SOA」を発表した。帳票システムを業務ごとのアプリケーションから独立した共通の「帳票機能=サービス」として捉え、全社間、企業間でグローバルに帳票運用を可能にしようとするコンセプト。これに対応した次世代帳票開発ツール「SVFX−Designer」を12月8日から出荷開始する。
「SVFX−Designer」で作成される帳票のフォーム様式「Enterprise XML Form」はXMLに対応しており、アプリケーション層から独立した帳票フォームの生成を可能にした。「Enterprise XML Form」は、罫線や画像配置やフォントなどの情報を扱う「フォームレイヤー」、計算式や関数などを扱う「ロジックレイヤー」、XMLファイルやテキストファイルなどを扱う「データレイヤー」の3層構造になっており、いずれのレイヤーもXMLで定義。これにより、SOAの考え方に沿い、既存の資産を活用しながらシステム同士のデータ共通化を図れるようにした。
価格は1クライアントあたり50万円。SOAによるシステム構築を検討する企業のIT推進部門、情報システム部門、システムインテグレータなどを対象に初年度2億5000万円の販売を見込んでいる。
ウイングアークテクノロジーズは2004年3月、翼システムの帳票・レポーティング部門が独立する形で発足。現在の従業員は140人、今年度(06年2月期)の売り上げ見通しは62億円。今後は、東京、大阪の両事業拠点に加え、「今年12月に名古屋、来年秋に福岡に拠点を開設するとともに、中国や北米にサポート拠点を整備」(内野社長)するなど拡販体制を整え、07年度(08年2月期)に売上高90億円の達成を目指す。