企業でのVistaの展開を効率化する「BDD 2007」とは?

柴田克己(編集部) 2006年08月23日 17時09分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 マイクロソフトは8月22日、2006年第4四半期中の出荷が予定されている「Windows Vista」に関連し、企業のデスクトップOSとしてVistaを広範に展開する際の標準的なソリューションと位置づける「Business Desktop Deployment(BDD)2007 」についての説明会を行った。

BDD画像1 マイクロソフト、ビジネスWindows製品部マネージャの中川哲氏。

 マイクロソフト、ビジネスWindows製品部マネージャの中川哲氏は、「BDDは従来、WindowsをOEM提供しているハードウェアベンダーに提供していた技術。Vista以降は、それをエンドユーザーに対しても提供していく。企業ごと、部署ごとのセキュリティポリシーやアプリケーション環境に合わせたデスクトップの大規模展開が可能で、インストールの工数を大幅に削減できるもの」と説明する。

 現在、企業内のクライアントPCに対して同一構成のOSを展開する場合、展開の規模やユーザーの環境に応じて、さまざまな手法がとられている。小規模であれば、手動でインストールと設定を行う場合も多く、大規模ならば、マイクロソフトが提供しているRemote Installation Services(RIS)やSystems Management Server(SMS)、さらにはサードパーティー製のイメージングツールなどを必要に応じて選択するといった状況だ。

 Vistaとの同時リリースが予定されているBDD 2007は、こうした従来の手法の一本化を目的に、マイクロソフトがデスクトップ展開の標準化されたソリューションとして提供する技術やツールの総称となる。展開の計画、検証から、実際の展開作業、展開後の運用といった企業内デスクトップのライフサイクル全般をサポートするという。

 BDD 2007による展開作業は、ひな形となる参照コンピュータの作成、ディスクイメージのキャプチャ、展開用サーバの構築、展開先PCへのイメージの展開といった流れになる。それぞれのプロセスは、個別のコマンドやツールによって実行されるが、BBD 2007では、「BBD Workbench」と呼ばれるMMCベースのフロントエンドが用意され、展開用サーバの構築を中心とした一連の作業を、GUIベースで統合的に管理できるのが特徴となる。

BDD画像2 BDDとして提供される展開技術およびツール群のイメージ。個々のステップは、個別のコマンドやコンポーネントで処理されるが、BDD Workbenchと呼ばれるMMCベースのフロントエンドで統合的に管理が可能。

 また、BBD 2007では、「Windows Imaging Format(WIM)」と呼ばれる新たなイメージファイルフォーマットが標準形式として採用されており、一連の展開プロセスの中で利用される。WIMの特徴としては、展開先のハードウェアに依存しないことに加え、イメージファイルの統合、分割、オフライン編集が可能といった点が挙げられている。なお、WIMファイルの作成、編集には「ImageX」、作成したWIMファイルへの更新プログラムの適用、デバイスドライバの追加などは「PkgMgr」というコマンドをそれぞれ利用する。

 同社では、BDD 2007による展開シナリオとして、主に「ライトタッチインストール」「ゼロタッチインストール」の2種類があるとしている。ライトタッチは、BDDによって構築された展開用サーバ、応答用ファイル、セットアップ起動ディスクなどを用意して、クライアントPCへのセットアップまでを半自動化するもの。BDDでは、応答ファイル(Unattend.xml)作成のための「System Image Manager」と呼ばれるGUIツールも用意されている。

 一方のゼロタッチインストールは、SMS2003 OS Deployment Feature Pack(SMS OSD)の機能拡張として提供されるもので、SMS 2003の管理コンソールを利用して、条件に一致したクライアントPCへのセットアップを全自動で実行できる。ただし、ゼロタッチでは、新規インストールおよび再インストールのみに対応し、ライトタッチでは可能なアップグレードインストールには対応できない。

 また、BDDでは従来のRISの後継機能として、Windows Deployment Services(WDS)も用意している。WDSは、主にネットワーク経由での新規インストールを前提としており、従来のRiprepイメージを移行して利用できるという。

 マイクロソフトでは、BDD 2007の利用によって、企業におけるWindows Vistaの展開の簡素化、クライアント環境の標準化による管理性の向上、運用の効率化などが図れるとしている。なお、BDD 2007の基本的なコンポーネントは、Vistaを利用する企業ユーザーには無償で提供される。

BDD画像3 BDD 2007のロードマップ。現在はベータ段階で、Windows Vistaの製品版と同時期のリリースが予定されている。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
OS

連載

CIO
ITアナリストが知る日本企業の「ITの盲点」
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]