知名度の高いオープンソースプログラマーJeremy Allison氏が、Microsoftとの特許関連の提携に異議を唱え、Novellを退社してGoogleに移る。
Allison氏は辞表に、Microsoftと結んだ特許協約はNovellとオープンソースコミュニティーとの関係を破綻させた、と書いている。同氏は、立ち上げに携わったSambaの開発をGoogleで継続する。Sambaは、Windowsネットワーク上でLinuxサーバがファイルを共有できるようにするソフトウェア。
Allison氏はNovell経営陣あてに送ったメッセージを引用し、「Microsoftとの特許協約がある限りコミュニティーとの関係は修復できない。われわれはのけ者である」と辞表に書いた。Allison氏は2005年にHewlett-Packard(HP)からNovellに入社した。
オープンソースの法律関連問題を監視するGroklawというサイトは、米国時間12月21日にAllison氏の辞表を公開した。Allison氏は21日、この辞表をNovellの社内メーリングリストに送信したことを明かし、これが本物であることを正式に認めたが、Novell退社の詳細についてはコメントを控えている。
Googleは、オープンソースソフトウェアの主要ユーザーであり、複数のオープンソースプログラミングプロジェクトにも参加している。同社には、LinuxのリーダーLinus Torvalds氏の重要な右腕であるAndrew Morton氏も所属する。
Novellの広報担当Bruce Lowry氏はAllison氏の見解に対するコメントを控えているが、同社にはまだSambaのプログラマーが2人残っている、と明かした。Lowry氏は、「活躍を祈っている」と語っている。
去る者あれば来たる者あり
一方Novellは、オープンソース業界の別の大物で、SUSE Linuxを共同開発したHubert Mantel氏を再雇用した。同氏は2005年11月に同社を退社したが、2006年12月付けで復帰した。同氏はオンライン雑誌Data Managerとのインタビューのなかで、「自分の将来のことを1年以上考える時間があり、自分にとって最も関心があるのは今もLinuxだ、との結論に至った」と語った。
Mantel氏は、Microsoftとの提携についても擁護している。同氏は先のインタビューのなかで、「Novellが『悪の帝国』と協業することに不満を抱く意見が多いのは理解できる。しかし、そのようには考えてもらいたくない。われわれは、どこかを敵に回して仕事をしているのではない。Linuxのために仕事をしているのだ。原理主義は必ず痛みが伴う。提携は、特にユーザーにとって良いことだと思う」と語っている。